プロローグ
注意⚠️初投稿です。
初心者ですので拙いところがあります。
夜、月を見るたび思い出す。
優しいお母様の声。
晴れの日は、庭園で。
雨の日は図書室で。
本を読んでいたお母様。
花に囲まれたお母様はとても綺麗で、妖精みたいだった。
私が書いた絵や、手紙をうれしそうに受け取って、
優しく頭を撫でてくれた。
私の綺麗で、賢い自慢のお母様。
困ったようなお父様の目元。
書斎でお仕事をしているときに限って遊んで欲しいと言う私に、困ったように笑いながら頭を撫でてくれたお父様。
無条件で笑いかけてくれた使用人たち。
苦手な食べ物があったら食べやすいように工夫してくれたシェフ。
私のわがままに、できるだけ答えてくれた侍女長。
みんながいてくれた、私の一番幸せだった時を。
それと同時に思い出す。
炎の中のお母様の悲鳴。
行かないでと言ったのを振り払い炎に飛び込んだお父様。
そして、私のせいで黒くなったあの子の姿。
ああ許せない。
この場所に火をつけた誰かが。
あの子をつまらない嫉妬で殺した私が。
今日も私は探している。
自分の怒りをぶつけられる誰かを。
その誰かを見つけたら、私もみんなのところに行けるのかな?