「遠征任務:特別依頼・炎星と水星【中編】」 その15
二手に分かれて周囲を観察すると何かの実験結果、実験内容、経過観察だと思わしきものを様々な物が見つかった・・・だがこれは全て解読出来ない。
「これは何の字だ?」
地球に少し滞在したが何一つとして解読出来ない。
日本語と呼ばれるものか或いは昔の文字か。
「此方も資料は沢山ありましたが残念ながら文字が読めません」
ゼーナの方もお手上げの様子で判明したことは先の時代、或いは昔の研究施設の一部だと踏んだ。
見た所では見たこともない機械器具、長方形の中に注入される謎の物体、全てが謎のこの空間にゼーナは不気味な顔色で周りをきょろきょろしている。
「・・・エミなら分かるかもしれん、ゼーナ・・・書類整理を頼む」
俺は腰にポシェットした銃を引き抜きガラス越しに映るニンゲンの顔を撃ち抜いた。
ガラスはいとも容易く撃ち抜き頭部に直撃し血が流れ出す。
「えっ?何で殺しちゃうんですか?」
書類整理をしたゼーナは罰当たりだと言わんばかりに強張らせた表情で俺を睨む。
「こういう奴は生きててもロクな事をしない、恐らくクローン人間や人間を超越した何かになろうとする成れの果てだろうな」
ついでに長方形の箱に付いている管も破壊する。
事情は知らないが俺の勘が言っている、“こいつは殺せ”と。
「ぐがあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
だがそれと同時に殺した奴は悲痛の叫びを上げて箱から飛び出してゼーナを襲う。
「いやぁぁぁぁぁ!!!やめてください!!」
男は裸体で彼女にしがみつき唐突に跨って胸を鷲掴みにした。
「やめろぉぉぉ!!俺は死ぬわけにはいかないんだ!!返せ!!返せアリアンロッド!!その心臓を食い殺して!!ぎぇぇぇぇ!!!!!」
「い、いやァァァァァァァァァ!!!!!」
彼女はあまりにも気味悪さに吐くほどの大声を上げて助けを求めている。
それにしても奇妙なものだ、頭部は完全に死んでるはずだが死物狂いで食い殺そうとするとは人間の生存本能は逞しいな。
だが彼は何故かどんどん時間が経つに連れて老いていき嗄れた叫び声で弱った身体をゼーナの本気の蹴り飛ばす。
仕方無く俺も長方形の箱に戻してやると顔面ごと箱の中に叩きつけた。
「いやじゃ・・・ワシは死ぬ訳にはいかぬ、最後の身体はもう創れない・・・ワシはイグニス・アラウンじゃ・・・ワシは彼女を・・・!ぐっァァァァァァ!!!」
老いが急速に加速している!?時間をかけずに老いた身体は皮膚が抜け落ち、骨が粉のように舞い、内蔵も血液も消失していいった。
「っ・・・」
彼が叫んだ怨嗟の慟哭、後悔の叫び、彼は何か成し得る為に自身を作り出したのだろうか。
だがこれだけは分かる、この行いは愚かではない。
奴が叫んだあの言葉、彼がやろうとしたことは恐らく冒涜だろう。この星界にとって禁忌を犯そうとした。
「・・・帰るぞ」
失神しそうなゼーナを目を覚まさせ逃げるように起きた出来事を本を閉じるように大扉を無理矢理閉めて鍵をへし折り彼方へと投げ棄てた。
一体何が起こったのか久々に俺の肌に寒気が生じ、別の人が来た頃には既に村に戻っていた。




