「遠征任務:特別依頼・炎星と水星【中編】」 その13
「あーあ、ユカリちゃんやらかしたー」
まさか私の尻餅で壊してしまった床に私は頭の中が真っ白になった。
さっきまであんなに言い合ってたのに二人して責任逃れの為に私を簡単に売ったことに薄情者と泣きたくなった。
「何万ベル出せば許して貰えるかな?」
それほど広い訳じゃない、個室の一つ一つが小さいし二階には誰も泊まってない、何なら誰も泊まってないから公になる前に証拠隠滅しようか迷う。
この星で物を壊したりなんかしたらまた拷問やら奴隷やら苦行を強いられるに違いない。
「考えろ、考えろ私!どうにかして逃げる方法は!?」
証拠隠滅をしようと私は妙案を思いつき床の釘を取ろうとするがそんなものない。
力任せに剥がそうとするが破片が取れただけで大きく転ぶとスェウちゃんは赤面しながらスカートを直してくれた。
「ユイちゃん加担して!」
「嫌よ」
「断るなら一生ココア飲ませない!」
なっ!?ユイちゃんは物凄く不機嫌になりながら本当に嫌そうに協力してくれる。
多分物凄く嫌われたけど死ぬよりマシだ。
「スェウちゃん、君も手伝って♪」
「ひぃ!?わ、私は・・・!」
「もし断るなら性癖をバラす」
こうして私は仲良く三人で隠蔽する為に壊れた床を剥がすことに快く受け入れてくれた。
最初は二人共私にとんでもない事をしようと聴こえたが気の所為であって欲しい。
だが隠蔽工作してる最中、ユイちゃんは何処か違和感を感じていたけど言葉には出さなかった。。
もう何度目かの夜、私は炎星に来たがサナエちゃんしか来ておらず、こっちだとまだまだ真っ昼間。
エインデのお兄さんはゼーナちゃんを引き連れて皆が襲われた時に拾った鍵を試すべく謎の遺跡に向かったらしい。
少しずつ私の心がざわつく。
ただ調査すれば良いだけなのに穴を掘れば掘るほど明かしてはいけない穴を掘っているような気分だ。
「・・・取り敢えず報告は互いに済んだわね」
少し切羽詰まってるのかサナエちゃんは切り上げたそうにそわそわしている。
「何か急ぎの仕事?」
私は聞いてみると今日キリちゃんが作る爆弾に大量注文を受けてしまい残った皆で素材を探しに行ってるらしい。
「本拠地よりも人気なんて皮肉だけど、アンタ達も気を付けなさいよ?変な隠し部屋行くんでしょ?」
私が壊した床をユイちゃんが怪しんで今日調べることにした。
何だかとても嫌な予感が見つけてから私の脳内から拒否反応を示している。
そこに行かないで!あいつがいるかもしれない!考え直して!
何でいる時に語りかけてくるのに肝心な時には語りかけてくれないのだろうか?それに本当に誰なの?
見えず話せぬ相手だったら少しくらい反抗してもいいよね!
「そっちも気を付けてね!引き留めちゃってごめんね!」
急ぐサナエちゃんにそう告げるとそそくさとせわしなく仕事に走って行った。
「あんまり無茶しないでね……サナエちゃん」
大切なたった一人の私のお母さんは頑張り屋さんで努力だけで天才にまで上り詰めた口が悪いのが玉に瑕だけど私にとって本当に大好きで私に夢をくれた人。
「この仕事終えたら皆とのんびりパーティーでも開こうかな」
また皆が集まれるように祈ってみるのもアリなのかな。




