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「遠征任務:特別依頼・炎星と水星【中編】」 その7

「・・・」


 長い沈黙、アスカはずっと黙っている。やっぱりあの娘はまだ自分から言い出せないか、それなら私だって女の意地を見せてやる。


 散々我慢させたアスカの本当の気持ちを無理矢理引き出させてやるんだから。


「アスカ、あの下着好き?」


 ビクン!とゴミ箱に捨てられた下着を拾い見せびらかすと顔面が真っ赤に染まる。


「ごめん・・・私っぽくないよね?」


 逃げる手を強引に引っ張り下着を渡した。


「もうアンタは自由なのよ、自分の好きな物を私に見せなさい」


「な、何言ってるの!?こんなエロい格好見せられないよ!」


「自覚あるのにアンタは着けたんでしょ?」


「あれは・・・一種の気の迷いというか」


 嘘だ、サイズは完全にアスカが作った物だ。こんなこと出来るのエミしかいない。


「ならエミに聞いてみるわ」


「だ、ダメ〜っ!!」


「なら認めんのね?」


 うぐっとアスカは分かりやすく俯いた。


 暗いのは嫌い、女らしく度胸と殴り合いだろうが女意地で勝つ。アスカはもう逃さない、絶対に聞き出す。


「ごめんは無しね、アンタの本当の気持ちを教えて、私はこんな女だから面と向かって

言わないと何も分かってあげられないの」


 私は真剣な眼差しで見つめると最初は逃げようと目を泳がせていたアスカは徐々に私の気持ちに応えてくれた。


「なら・・・怒らないでよ?」


「怒るわよ」


「えっ、そこは黙って聞かないの?」


「はぁ?ふざけた事抜かすんじゃ無いわよ、キレる時はキレるわよ」


「そ、そういうガラが悪いから苦手なんだよ・・・!」


「アンタが話さないからでしょ?対話するのに壁なんかいらないわ」


 女で一つで育てて来たんだからいい加減諦めて欲しい、アスカも少し言葉がキツくなってきたから本当に嫌いかもね。


 口も段々饒舌に緩んできたし覚悟を決めよう。


「ユカリちゃんには言わないでよ、本当はサナエちゃんもユカリちゃんもどっちも嫌い、いつも怖いし私の言うことに必ず噛みつくしガラ悪いし、お嬢様だからって本当の私の気持ちなんか無視してさ・・・」


 初めて見る愚痴、それに溢れ出る嫌悪感と悪態に心の底から嫌ってるのは本当みたい。


「ユカリちゃんはクソガキだし、腰巾着な癖にいつも私より目立って・・・バカでウスノロなのに私と一緒が良いとか言っちゃってさ、何で私がこんなバカと恥ずかしい成績持ってる奴なんかと比べ物にされるのか意味わかんないし」


 それは・・・ユカリちゃんがこっちの方が似合ってるからと私が教えた事、アスカから見ればはた迷惑だったのね。


「何が親友だ、顔が可愛くて胸も大きくて私を誘ってさ・・・いつか上下関係を示したいって思ってた、それがいつの間にか巨乳にメロメロになって捨てたれた気分だよ」


「寧ろよく好きになったわよね・・・」


「でしょ!?何で私の方が無害無知の清楚美少女演じてんのに殺意に満ちた殺し屋を好きになるのか分かんないよ」


 だらしなく壁に持たれると大きな溜息を吐いた。


「だから事件起こしてアンタ達がやってきた善意を否定して贖罪にしてやろうって考えたのにバカみたいに必死に治そうとしてさ、バカじゃないの?」


 こいつ、物凄く嫌味を混じりながら経緯を説明までしてくれた。取り敢えずムカつくから一発拳を落とすが何故か抵抗しなかった。


「ったく、大人を馬鹿にしないで頂戴、ユカリちゃんだって物凄く傷ついてんのに」


「知らないよ、二人して私の事無視したじゃん・・・今更被害者面しないでよ」


 渾身の睨みには嫉妬と復讐が大いに伝わった。けど尚更治してやる必要があるわね。


「そ、ならちゃんと治してやるからユカリちゃんに話すわね」


「えっ・・・それは・・・ダメ!」


 ユカリちゃんを攻撃していたアスカは何故かユカリちゃんに伝えることだけは嫌がった。


「何でよ?」


 私の質問に彼女の情けなさにこの上なく引いた。


「ユカリちゃんにはまだ騙されて欲しいから・・・」

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