「遠征任務:特別依頼・炎星と水星【中編】」 その4
「あのあの、お兄様・・・ありが、ございます・・・や、優しいんですね」
特に何かした覚えは無いが少しだけゼーナの張り詰めた気が和らいでる。
「手を添える必要は無いな」
何故かゼーナは手を離した途端、腕にしがみついた。
「少しだけ・・・少しだけこうさせてください・・・優しい男の人は暴力なんかしませんよね」
誰のことを指している?まるで男が女を攻撃するのが当たり前の素振りだ。
彼女は過去を語らない、そこに何か塞がないといけない闇が潜んでいるのかもな。
「お、お兄様なら・・・大丈夫・・・すぅ〜〜〜はぁ、もう平気です」
息を整えると声色が震えなくなった、安心という言葉は彼女にとって重要なのか?
「ゼーナは穢れた女なので・・・触れ合いは減らしてくれると助かります、そ、それでもいいなら・・・お兄様だけ特別に・・・もっとお話とか・・・したいです」
俺は彼女から気を緩むのを感じた途端、背後に化け物が現れた。
「それは全員が仕事を終わらせて時間がある時に話せばいい、リーダーが恋しいだろ?」
「はい、主様に早く抱き締めて欲しいです」
「なら前述の通り手短に、迅速に切り上げる」
「・・・承知」
ゼーナは気を引き締めて化け物退治に大いに貢献した。
常人なら見切れない【神速】と呼ばれた刀の抜刀は残影が残るだけでゼーナの化け物は木っ端微塵になる。
常人とは思えぬ能力は至高の領域とも呼べる。
だが反面、一度崩すと直撃して攻撃を食らうと態勢を整えるのに時間を有する。
俺は化け物を腕部展開型万能武装【イントルージョン】を起動させて手動でスリング状に変形させてそのへんに落ちてる石を二つ放つと化け物は目玉を撃ち抜きその間に倒す。
この武器は俺が全ての知識を使い近未来区にある裏開発研究施設で創られたモノと錬金術を合わせた多目的武装と七つ道具の併用をした武器。
形は指でなぞることで形成され、俺の望んだ形ににもなる優れものだが腕より大きくも長くは出来ない。
他にも項目が盛り沢山だが要は不可能を可能にしたトンチキバカ武装で最高に面白い。
「ランダムウェポン・・・成る程な」
イントルージョンズランダムウェポンは魔力を消費して三種の武器を生成する。
だがそれは何が出るかは俺にだって分からない。この場合なら武器の柄が短いほうが戦いやすいが・・・
「・・・パルチザン、パイク、ランス・・・」
狭い場所で槍?パイクならまだ柄が短いから使えるが他二つは使用用途が思いつかない。
そもそも槍三本はどう足掻いても二本は使わないと思うが。
「仕方無い・・・ふっ!」
パルチザンとランスは投槍のように投げ飛ばして化け物の首を撃ち抜く。
ぐるるるぅぅぅ!!
「背後か?」
正面を注視していたら背後からの強襲する影を感じてパイクの切っ先を逆にして心臓を貫き、首根っこを掴み叩きつけた。
俺達は戦闘の末、余裕を持って勝利した。




