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「遠征任務:特別依頼・炎星と水星【中編】」 その2

「・・・」


 随分と広い祭壇だ。下に古びた色褪せた赤い布以外は何も無い、最早黒魔術に近しいものを感じるが一言で例えるなら“禍々しい”だろうか。


 竜神の祭壇についに訪れることが出来た俺は可能な限り調べることにしたがそれ以外何も存在しないのでこれ以上の情報は無駄だな。


「部屋は暗い、明るい時間帯限定なのはそういうことか」


 真っ白の石像は人の手が加えられて無いのか所々ボロついている。


 確かに書物を確認した竜神と瓜二つではあるが、確か歴史では飛竜であった筈だが・・・陸にまで進化したのか剛腕の腕を巨大な翼で覆い殻に閉じこもってるような姿に圧巻だ。


「・・・」


 竜神は腕なんか進化して空に天敵でもいたのだろうか?だが史実にはそのような物は記されていない。


 それにこの竜神の顔面、竜と言うより人間の骸骨を模したような歪な顔だ。


「何だかお前が真剣に神を眺めるなんて似合わないな」


 思考が広がる中祭壇の扉から光が差し込み、靴音を鳴らす。


 そこには流浪者ような格好し肩に朱と白色をしたキルトのマントを羽織った痩躯の見覚えがある男性が靴音を鳴らしながらやって来た。


「出世したんだな、ダンテ」


 殺し屋時代に一度だけ共闘していた【流浪の詩人:ダンテ・アルキデス】、現皇帝だ。


 奴はあの時と変わらず朗らかに笑いながら腕を組む。


「まぁな、人望あっての存在なだけだがお前は相変わらず職なしか?」


「いや、今は冒険者に身を置いてる」


 それを聞いた彼は素っ頓狂な表情をで目を見開き、心底驚いていた。


 全て忘却し、有象無象の彼奴らを沈め、たった一人の妹の為に闇から深い深淵にまで手を染めた俺ならその反応は仕方無い。


「そっか、ついにお前も定職を・・・俺もそうだったがやはり生きていけなくてな・・名残のある場所で活動していたら流れで皇帝の座に着いたのさ」


 感慨深いとダンテは俺達の付き合いに耽っているが俺は興味は無い。


「それに今なら竜神様がいるしな!」


 だが俺は勘違いしていた。


 人は変わらない、何か自身が変わるほどの経験を持つと初めて人が変わるものだと確信していたが・・・ダンテは竜神様について語ると元々語りが饒舌な為に酷く心酔している様子だった。

 

 竜神様は火山の奥地に灰に埋もれていたらしく村に置くなり食が改善され衣食住の基盤が整えることが出来たのは竜神様が齎した力などと。


 俺的には夜迷いにしか聞こえないが広げた会話からは実際の出来事があり歯牙にもかけないというのは些か気が引けるな。


「近々結婚も控えてるしこれもご利益ってか?」


 最後の一言だけは我に戻ったような気がした。彼とは少しの間仕事について話すと足りない物について依頼を任された。


 星全体の問題もあるがやけに火薬爆弾関連が多いな、若者は非力が多いからと本質を誤魔化されたような取り付く島もなかった。


 報酬には色を付けてくれてる、出来る範囲でこなすと声明すると頼りにしていると肩を叩かれながら笑った。


「俺達はいつか戦争にならない星にする!その為には先ずは目先の事を考えるさ!」


 竜神様については詳細な調査がしたかったが怪しまれるも動きづらくなる、一度戻って方針を決めようと宿に戻ることにした。

 

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