「遠征任務:特別依頼・炎星と水星【前編】」 その21
ユーゴ君の隠れ家より少し綺麗な家の中に入ると何人かの人間にガンを飛ばされたけどそれ以上のユイちゃんによる鋭い目線で睨むと外へと出て行った。
「はっ!わりぃな!俺達の縄張りによそもんが入るとああなんだ」
床に座りながら情報を得ようと先払いすると小さく頷いた。
「羽振りがいいなぁ、そーだな、何から聞く?」
行儀は悪いが取り引き成功すると知ってる限り何でも聞くと言葉を打つ。
「えっと君達って所属は?」
「俺達は染まらない【戦士】、外の連中からはハミダシ者って呼ばれてんな」
皇女様のやり方に賛同せず地に落ちたものらしい、だが腐っても名のある人達が多くて異変が起こると真っ先に情報が伝わるらしい。
「オメェ等がどっちに付くかなんか興味ないが俺はレヴィアサン側はオススメしねぇーぜ?」
あまり環境が良くないのか足に負担がくるほど痛く姿勢を変えながら待っているとそこには見たことのある液体が入った杯を持っていた。
「泉の聖水?」
当たりと指を鳴らしながら地べたにそれを置いた。
「おっ知ってんなら分かんだろ?こいつは妖精が嫌うとされる薬剤、だが悪魔だけには好まれる活力剤みてぇなもんだ」
彼等の主張は正に私の見解と合致している。だけどそれだとまだ確かめる気にはなれない。
「おっ?疑ってんな〜?ところがどっこい皇女は夜にだけ口紅を塗ってこいつを飲んでるのさ!物的証拠って奴は唇の跡がちゃんと残ってるぜ」
リーダー格の人は杯を回すと確かにくっきり残っていた。
「・・・私の真実の典に書き記してみると“真”と出ました、偽りありません」
正真正銘のレヴィアサンの唇跡か・・・
「よく見つけましたね?」
「あー?俺死刑囚だったけどよ電流拷問を受けると突然雷魔法使えるようになってよ〜放って見ると“狂雷”が使えるようになってよ〜施設諸共破壊して逃げてやったぜ」
狂雷っ!!この人は私と同じ病気に!?
「疑い晴れず・・・か、なら試してみっか?」
するとリーダー格の人は立ち上がり撃ち合いに誘われた。
「ユカリちゃん、辞めておきましょう」
だが即座にユイちゃんが却下を申し出た。
「元々俺はアンタに興味本位で近づいたんだからな!アンタからは獣と狂う病の両方を感じるぜ、俺はゴウ、腕試しと行こうぜ!」
完全にやる気満々って感じが熱を帯びて伝わって来る。私はユイちゃんを押し切ってそれを受け入れた。
「最初からこれが狙いなんですよね?」
「まぁな!アンタ達の捜し物ついでに手合わせ出来たら万々歳だ!よろしく頼むぜ!!」
ゴウさんは最初から本気みたいだ、狂雷を纏いスラム街の広場に立つと皆の視線が集中している。
「私、まだ使いこなせてませんからお手柔らかにお願い致します」
不安いっぱいの二人にごめんと謝る。私だって無意味に手合わせを受け入れた訳じゃない。
ユーゴ君は言ってた、更に情報が欲しいのなら懐を確かめる必要がある、それには必ず代償を払う必要があり、戦いが好きな人達は取り敢えず戦ってみろって!!
「っしゃあ!どっちが先にくたばるかだ!」
「い、行きます!」
初めての対人、ユイちゃんから教わったことを披露することになる、そう思っていたけど思わぬ事態に巻き込まれてしまう私達だった。




