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「遠征任務:特別依頼・炎星と水星【前編】」 その20

 水星生活八日目、今日も皇女様の依頼が無かったのでユイちゃんが言っていたスラム街に行くことにした。


 当たり前といえばそうなんだけど会う人会う人に喧嘩を売られるからなんの成果も有りやしない。


「こういう闇が深そうな場所なら表に回らない情報があると思ったんだけど・・・」


 ユイちゃんから教え込まれた絶対に使わないと思ってたのがまさかこんな所で実践するなんて。


「そこの姉ちゃんよ〜待ちな」


 だが少し暴れてしまったのかスラム街のゴミ溜めのてっぺんに居座る男の人が声を掛けてきた。


「へへ!ひょろひょろなのに意外と根性あんだな?」


 派手な朱い髪の短髪をした着崩した白シャツに首にボロいストールを纏うリーダー格らしき人物だ。


「私達、レヴィアサンの裏情報が欲しくて聞き込んでるだけなんです、お金なら払います」


 どう見ても表の世界で生きていないような鋭い眼差しに怯むこと無く声を張り上げると少し考え込む。


「なるほどな〜表の貴族バカと違ってアンタ等は常識に捕われねぇってか!」


 驚異的な飛躍力で私の目の前に降りると何かを見定めるように見下される。


「貴族バカみてぇな乳クセェ奴とはちげぇな?はっ!アンタ等意外と闇に染まるのは慣れてんな?」


 目の前に染まってた人いるけど完全に他人事みたいな知らんぷりしてる巨乳の友達。


「ユカリちゃんは遂に闇堕ちね」


「ゆ、ユカリさんまさか!?」


 スェウちゃんが拒絶反応を起こすと取り敢えずユイちゃんにチョップする。


「ユイちゃんがね、元殺し屋だからね」


「っ〜!?わ、私・・・殺されるのですか!?」


「しないよ!?ユイちゃんはもう立派な冒険者だから!心を入れ替えて大切な仲間になったの!」


 ほえ〜と可愛らしく唸るスェウちゃんは私とユイちゃんの関係に驚いていると派手な格好をした男の子は品無くゲラゲラ笑ってる。


「おうおう!本業の奴を仲間にしてるとかリーダーはイカれてんな?」


「元々の仕事が特殊な人が多い人間を仲間にしてるからね!」


 キリちゃんだけ普通だけど錬金術は一人前だからある意味普通じゃないかも。


「ユカリちゃんは一般人だけどね?」


「ぐは!?偉大なリーダーでしょ!?私、普通じゃないから!」


 こんな意味不明な仲間を引き連れているんだから私は絶対に普通じゃないに決まってるよまったく!


「そっか!アンタ普通そうだもんな!面白いから聞いてやってもいいぜ?」


 私は結局皆から普通扱いされてしまい何度も訂正したのに聞く耳を持たず近くの部屋に付いて行くことになった。

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