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「遠征任務:特別依頼・炎星と水星【前編】」 その14

 大きな爆発後、私は目を覚ますと皇女様の膝下で意識を取り戻した。


 馬車で帰ってるのかガタゴトと揺れる中で皇女様に膝枕されていた。


 全身煤だらけだが怪我が一つもない、皇女様は物凄く眉間に皺寄せて謝罪する羽目になるかな。


「全く、私の魔法が無かったら全員仲良く消し炭になっていたわよ?」


 強烈な眼差しに私は大きく頭を下げようとしたが起き上がる前に顔面を膝なら離してくれなかった。


「子どもじゃなかったら間違いなく嬲り殺しにしてるけど私は優しい人情派の皇女だから許すわよ」


 自画自賛な態度に急に優しくされて気持ち悪い、すると外から子どもが寄ってきた。


「皇女様!さっき凄い爆発がしたけど大丈夫でしたか!?」


 十はいかない歳くらいだろうか?友達を連れた可愛さ満点の顔に皇女様はどう応えるのだろうか?


 私を疲れて寝ているスェウちゃんの横で寝かされて皇女様はなんと外に出て二人の頭を撫でながら笑った。


「心配してくれてありがとう、私は平気、護衛の人が爆弾を間違って使ったみたいだから私が全員守ったわ」


 すごーい!と子供達から尊敬されているのか褒め称えられている。それとなくアピールしたよこの人。


「当然よ、私は皇女様よ?それに私はおイタをした人を許して私の短い間だけ下僕にもしてるのよ?」


「皇女様は心が広いね〜!前の皇女様なら殺してたのに!」


 すると男の子の頭頂部をチョップした。


「こら!品が無いのは駄目よ?皆は沢山勉強して遊んで楽しんでいつか私の配下になれるように上品になりなさいな♪」


 はーい!と子供達と談笑し終えて戻って来た。


「子供お好きなんですか?」


 私の言葉に全く興味を示さずまた馬車を動かす。


 私も無視されてから話す話題が見つからないのでゆらゆらと揺れていく身体に身を任せ長い沈黙の末、皇女様は溜息を吐きながら発言した。


「夢だから」


 その一言で眠かった気持ちを吹き飛ばして耳を向ける。


「私は元々人間に憧れていた、子どもを連れて幸せそうな夫婦よ、皇女でも何者でもなく人間とすら扱われてなかった私には眩し過ぎて羨ましいと思ったわ」


 だがそれは悲惨な物語で幕を閉じた。


 皇女になる前のレヴィアサンは短く殆どが独り言のような声量で語り続けた。


 人間社会に溶け込めてきたある日、戦争が起きて夫妻が死んだ、幸せそうな顔も消え去り胸が刺されたような痛みが襲い今でも覚えている。


 明るい未来があった子どもはその日堺になんとごろつきに堕ちる所まで堕ちていた。


 存命なら夫妻が見たら目も当てられない程腐りかつての明るい姿は闇に溶け込んでいた。


 何も知らないのに女は犯されて殺された事を知った私は奴を半殺しにしてその正体に気付いた。


 親が死んだ痛みが拭えず墜ちたと、私は努力して元皇女の膝下まで登り詰めて“処刑者”の仕事を務め理不尽ながらも殺した。


 無論、そいつも殺した。


 だが殺していく内に私は気付いたんだ。

 

 戦争やいざこざなんかなければこんな事にならなかった。


 罪のない人が沢山死ぬ世の中は将来明るい未来なんか勝ち取れる筈ない。


 私はその想いが膨れ上がり皇女の座を奪い取った。


 私は水星の全てを変えた。


 戦争も一気に減らしてもし戦争が起こっても夫婦や子どもだけは第一に考え、部下にも沢山救助方法や医学、医療施設も建てて自ら戦争をするという行為を止めて話し合いで解決するようにした。


 当然反発する人も多い、私はそいつ等を呼び出して手と汗と涙を流しながら戦った。


 もう二度と幸せな世界を壊さない為に、人間は分かりあえると信じて人間に訴え続けた。


 殺されそうになれば真っ向勝負に行かず時には汚い仕事も率先した。


 平和の為に、死んでも幸せな世界で私だけが畜生になれば良い。


 それに賛同する者は受け入れた、私は死んだ夫妻の顔が忘れられず、壊れた子どもを胸に抱き、それを忘れずに生きると何百年も平和を築く事ができた。


 私はこの先も伝える、侵略する、戦争する理由の正当性がある時だけ腰を上げて戦い、仕事が出来ない奴を叩き起こすためにも汚れ役を買って完全貴族主義を唱え、今では比較的安全な余所者には厳しい水星となり、少しだけ休める時間が増えたことが行きてて良かったと思える瞬間でもあったわ。


「私は・・・妖精だけど結構偉いでしょ?沢山人間になれるように努力したんだから」


 質問したいと思ったが馬車が目的地にまで到着すると直ぐ様ボロ雑巾のように使いっ走りになされてあの話を言及する前に帰る途中で疲れて眠ってしまったのだった。


「・・・悪なかったわよ、ユカリ」

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