「変化する日常」 その3
「さてと・・・貴女がスイカズラ冒険者のリーダー、ユカリ・ブロッサムチェリーさんですか」
「はい!先程はありがとうございました!」
私は礼儀正しく頭を下げるとグーさんはにこやかな顔で手を振った。
「お気になさらず、私も憧れてこの服装を着ていますから、貴女だって好きな人からの贈り物や憧れの服装をするのはお好きで?」
「分かります!私の服は大切な友達からの贈り物で可愛くてずっと大事にしてるんです!」
私は激しく同意すると敬語は止めて普通の会話をしましょうと提案までしてきた。
「ふふ、実は私の服装は日本のケイサツのすーつに憧れてしまい私もあのような誠実さに惚れてしまい今ではすっかり心酔しています」
成る程だから見慣れない格好なのか。
「と言っても彼らにして見れば最悪の象徴になってしまっているのが誠に遺憾です」
やっぱり見慣れない格好だと傍から見れば恐怖の象徴になったり変な目で見られたりするものなんだ。
「お互いに苦労するね」
「はい、貴女みたいな素敵な考えを持ってそれもまた一興だと思ってくれれば皆さんももっとお洒落な星になるのでしょうね?」
「あはは♪星がお洒落で色んな服装をした人達が増えればこの星ももっと賑やかになりそうだね!」
「ふふ、同意です」
いつの間にか相席して互いのお酒が空になるとグーさんはノア先輩が忙しいらしく三人の内一人の雇われグラマーお姉さんにお金を出す。
「ブロッサムさん、私はこれで失礼します、外でカイトさんが待たせてるみたいなのでまた機会があれば何処かで会えるでしょう」
いつの間にか酒場の外で書類を見ながら待ってくれているカイト君にごめんねと手で謝ると温かい目で頷いた。
「またね、グーさん♪」
「・・・はい」
最後に一言挨拶してその場を後にした。ちょっとした触れ合いだったけど何だか仕事もデキる視野の広い有能なお兄さんだったな。
私も会計を済ませようとしたが何故か料理も出て来た。
「カイトさんがユカリちゃんにって♪」
私はすぐに振り返ると二人は会釈しながらまたねと手を軽く振った。
「・・・ありがとう♪」
私は皆に助けられてばっかりだ、いつかこの恩が返せるほど名を覇す存在になれたらその時は皆に尽くせるぐらいの幸せを届けたいと私は“普通”じゃない冒険者を目指すことを固めた。