「遠征前に・・・」 その4
「すぅ、すぅ・・・」
部屋に入った瞬間後悔した、アスカちゃんが机で突っ伏して熟睡してるとは知らず大声で名前を呼んでしまった。
「ん?」
寝てる時に突然起こされる程気分が最悪なことは無い。咄嗟にアスカちゃんのタンスに入ってる睡眠薬を飲ませようとしたけど怒られた。
「全く・・・ユカリちゃんは私を無理矢理寝かせるなんて・・・」
「うぅ、ごめんね」
折角幸せそうな顔で居眠りしてたのに申し訳無いや。
「もういいよ、もしかして遠征について話に来たの?」
ぼやけた頭でも察しの良いアスカちゃんは的確に狙い撃つ。私はそのまま本題に入ると真剣だけど少し不安そうな表情を浮かべる。
「私、光星から出たこと無いしまだ入って日も浅いから仲良く出来るかが一番不安かな」
アスカちゃんの不安に私は背中を軽く擦った。
「ふふ、スキンシップかな?」
甘えていいよと言われたのでアスカちゃんを膝に乗せた。
「も、もう・・・相変わらずの甘えん坊だね?」
「アスカちゃんを後ろからギュッ☆」
ムギュっと抱き着くとアスカちゃんも満更ではない表情で仕方ないなと動かない腕を忘れて戯れ合う。
「また帰って来たらこうやって遊ぼ♪」
「うん」
「腕も治ったらもっと戯れていい?」
「程々にね〜?やっぱりユカリちゃんは私の事好きだね?」
少し呆れた表情に私は満面の笑みを見せつける。
「大好きなんだから仕方無いでしょ?」
アスカちゃんは素直に言葉を述べるも急に頬を赤くして聞こえないくらいに口籠る。
「ユカリちゃんはそうやっていつも勘違いさせるよね」
勘違い・・・?突然の言葉に言葉が詰まる。何を言い出したかと思えばノア先輩みたいな事言い出した。
「えっと?どうしたの?」
もしかして悩み事かなと聞いたがやれやれと溜息を吐かれた。
「全く、これだからユカリちゃんは・・・そうやって沢山勘違い女の子が増える一方だよ?」
「いや意味分かんないよ!?私、何か間違った?」
理由を聞いても答えてくれない、それどころかもう充分だよと追い出されてしまった。
「え、え〜!?もっと一緒にいようよ!?」
扉をドンドン叩くと口を手で覆い赤面したアスカちゃんが顔を覗かせる。
「・・・バカ」
パタンとその一言だけ言うとどんだけ叩いても反応が返ってくることは無かった。
「ど、どういうこと??」
どうしてあんな事言われたのか、結局よくわからないまま追い出されてよくわからないまま最後に家に帰ることにした。




