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「変化する日常」 その2

 あの日から私達の日常は変化した、前より皆で集まったり私に相談してきたりすることが増えて対処が難しい。


 今は三日間お店を開いたりエインデお兄さんから訓えてもらった戦闘はとても実戦的で流石はユイちゃんのお兄さんだ。


 今日も今日とて朝の依頼を終えて少し休もうと酒場に入るとカイト君と見知らぬ男の人がカウンターの席で相席していた。


「おや?そちらの可愛いお嬢さんは知り合いですか?」


 私の視線に気付いたのかその男性は椅子を少しズラした。


 見たこと無い綺麗な身嗜みをした黒髪とアンバランスな前髪を分けた清潔感のあるツーブロックの眼鏡を掛けた男性は顔を見るなり私をドキッとさせた。


「あっ、ユカリちゃん、この人は元闇星特集監査員で今は星界管理調停特殊許可任命権利者の【キリヤマ】さんだよ」


「せいきゃいかんりちょうとく――――― っ〜!!!」


 あまりにも長い名前に思い切り舌を噛んでしまった。それを見たキリヤマさんは爽やかな笑顔を見せる。


「仕事名ですので気軽に呼んで貰って構いません」


 キリヤマさんは本名を語るともっと分かりづらい発音も面倒くさい名前だった。


「えっと・・・ぐっ・・・・はう・・・」


「本名は【グッヅェル・ンーフクト=リーネクゥヴル】です、以後お見知りおきを」


 全然理解出来ない、面倒くさいからグーさんでいいのかな?


「えっと・・・・・・グーさん?」


 出来るだけ名前で呼びたいが流石に愛称呼びすると酒場の雰囲気が一気に変わる。


「あのパンツ見せてる女の子正気か?」


「痴女と思ってたけど()()()をそんな呼び方したら死んだわね」


「見た目だけのアホ冒険者な癖に思い上がってんな」


 なんか私達散々な扱いじゃない!?服装については確かに見えてるし中には女だらけの淫乱冒険者とか言われてるんですけど!?

 

「あはは、ユニークな愛称ですね」


 だがキリヤマさんは腰を上げ私の方へ寄ってきた。


 独特の雰囲気というか周りが警戒しているのかいつもの酒場っぽくないや。


「お初にお目にかかります、是非その名で呼んで貰って構いません」


 キリヤマさんことグーさんの対応に一同騒然とする。


「それと・・・か弱い女の子を傷付ける反応は宜しくありませんよ?彼女には彼女なりの見解でこのような素敵な服装を纏っています、決してその行いを咎めたり貶したりするのは可哀想だと思いませんか?」


 素敵な服ッ・・・・!!初めて嬉しい言葉をくれた。皆からエロ服とか言われてたのにこの人絶対良い人だ!


「す、すみません!!監査員さん!!」


「えっと!!ユカリすまねぇな!!不快だったよな?」


 言葉の影響力なのか彼の肩書きが凄いのか皆急に頭をペコペコ下げてきた。私は笑顔で許してあげると皆はいつもの酒場のように騒々しく下に戻った。

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