「黒を穿つ支配の者」 その6
近未来区 酒場にて・・・
「んーあれ?いないや」
グーさんを探しに来たのに見つからない、というか入り組んでいて迂闊に動けない。私は街行く人にグーさんについて聞き込むと皆して顔を青ざめる、そんなに衝撃的な発言はしてないのにどういう事?
「貴方正気?キリヤマさんは財務と借金取りの仕事を両立させる超危険な人よ?皆彼の行いに熟知してるから悪いことはしないほうが良いわよ」
別の人にも同じ質問する。
「キリヤマさん、正直会うたびに心臓が破裂しそうなんだよな・・・なんつーか見透かされてる気がして特に金絡みは関わるだけで皆大人しくなるからな〜」
この人達の話を聞いてグーさんがどんな人なのか少しずつ理解した。
・財務と取り立て屋を行う職務、返せないと判断すると苛烈な罵詈雑言と無慈悲な暴力で金を絞り取る事が多い。
・彼の前では人の悪口や行政について文句を言うと地獄耳のように高圧的に聞いてくる。
・魔法は殆ど使っていないが行政機関の中では一番荒々しくて過激な行いをすることもある。
・グーさんは現在行政機関【五星】の一人であり女三人、男二人で活動する中で最年少らしい。
こんな人が私の友人と聞くと恐ろしいけど仲間に同じような人が沢山いるから感覚が麻痺してるのか話せる分幾ばくはマシに思える。
私はグーさんを探し続けると突如背後から声を掛けられた。
「失礼、私をお探しで?」
私は爽やか声に惹かれて振り向くといつも通りのグーさんが見つかった。
何やら近所の人達がグーさんの話に聞く耳を立てて業務終わりに来てくれたみたい。
「近くの公園で話しますか?ここは何かと不便ですし」
「うん、皆怖がって噂が広がるのも怖いからね!」
「ふふ、最近だと私の彼女と呼ばれていますからこんな素敵な女性は私には少々敷居が高いですね」
口元を緩ませながらグーさんは満更でもなさそう。
「そんなことないよ!?グーさんお仕事は怖いけど優しいお兄さんだって私思ってるよ?」
私は勢いよく反論すると笑みを浮かべながら勿体無い限りですと謙遜する。周りがどんどん雑音が増えてきたので続きは公園で聞くことにした。




