「黒を穿つ支配の者」 その2
☆★☆★ アースガルズ近未来区
近未来区に一番乗りすると厳格な門番に許可書を出してくれと言われてドヤ顔で見せるも完全スルーされてちょっとムッとしながらアースガルズ近未来区に入る。
【ミズガルズ住宅区】とは違いやたら高い建築物が目に付く。
【エーリューズニル】のような高いな建物と合体したような町並みでノア先輩と来た時は浮かれ過ぎてじっくり見てなかったが人混みは多い気がする。。
「あの子ってあれよね?」
「ああ、大魔道士と一緒にいたお上りさんだな」
「今回は落ち着いんな?大魔道士に叱責されたのか?」
「よく見ると派手な服、うわ・・・あれパンツ?」
「うっわ、もしかして風俗勧誘?」
「いやいや痴女でしょ!?あんな分かりやすいピンク穿いちゃって・・・あっちの人達はこれが普通なのかしら?」
なんかまた私、痴女認定されてない?ちょっと引いてるしそんなにスケベかな?ミニスカートで一箇所だけ透けて遺跡で見つけた黒いヴェールも身に纏ってるのに?
それとも私のお気に入りの一つがそんなに魅入るのかな?
私は取り敢えず白い目で見られながらも近未来区の酒場を教えて貰い段々恥ずかしくなってきたが慣れとは恐ろしいもので少しずつ気にならなくなった。
☆★☆★ 近未来区:酒場
酒場らしき場所に入るとそこは冒険者らしからぬ武装した人達がちらほら、こっちの酒場は皆賑やかなのにちょっとしんみりしてる?
「ん、あれ?」
神妙な気持ちになりながらも奥に進むと酒場のカウンターに見慣れたすーつ姿の男性が昼間からお酒を注文している。
「ぐ、グーさん?」
本名は確か【グッヅェル・ンーフクト=リーネクゥヴル】だった気がする。
呼びにくいから承諾を得てグーさんと呼ばせてくれた。
私が声を掛けると爽やかな端正な顔立ちが振り返る。初めて見て思ったけど格好いいお兄さんだ。
「ちょ、お客さ――― 」
「お気になさらず、お久し振りですねブロッサムさん」
前髪を整え、ネクタイを締め直しながら隣に誘導する。
やっぱりこの人は光星全域に恐れられているのか周りの雰囲気が変わり、びくびくしている。
「久し振り!最近どう?」
私はそんな事気にしもせず相席するとお酒は頼まずフルーツジュースを頼み軽食に焼きサンドを注文した。
オーナーさんは慌てて調理所に向うとお喋り時間となった。
「成る程次のスイカズラ冒険者は炎星と水星の調査ですか」
友達と話すとつい口が軽くなり色々と喋ってしまった。私はそれでも友人は絶対に疑いたくないと決めており仲が良い人には特に甘い。
「グーさんからは何か黒い噂とか気掛かりな事とか無いかな?」
情報は多い方が良い、なるべく新鮮で“特殊監査員”としての立場からどんな視点が得られるのかつい期待してしまう。
グーさんは一杯呑み終えると爽やかな表情から少し曇りを感じた。
「そうですね、ブロッサムさんだけに私が調査した気掛かりをいくつか教えてあげましょうか」
私もフルーツジュースを飲み終えて初めて特別な職業のお仕事話を聞かさせてくれた。




