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風の悪戯に従うお姫様 「黒い噂と南風」 その10

  ユカリちゃんとデートした翌日の夜、私は品物を購入する為に近未来区に足を運んで露店にいくつか物品を購入して帰る頃、仲良しな夫妻が目に留まる。


 私達は大体五週間で一ヶ月、第一週と第三週、第五週目は五日で固定され、第二週、第四週目は七日で区別されていて前者は毎日仕事で後者は三日間休みがあります。


 尚これはあくまで“平民”に適用されるので騎士団は団長によって定められた休日、その他も各自一番偉い人が休日を定めるのが規則です。


 因みに冒険者や旅人には何も適用されないのである意味自由ですね。


 依頼が無いと金無し、仕事しないと武器や防具の手入れすらままなりません。


 騎士団には給料がシスターズか五星の人達から支給されるので冒険者になんかなるのは無謀だと思いますがその分、受注料金がかからないことだけが唯一の救いですね。


 話を戻してあの夫婦に見覚えがあるので隠れて観察すると・・・本当に親そっくりなんですね。


 私はわざと肩をぶつかってお母様に謝罪するとにこやかに対応してくれました。


「お母様、凄く美人ですね!?」


 私はお母様の顔をまじまじと見つめると嬉しそうに微笑む。


「お子さんも可愛いですね〜!もしかして一人っ子ですか?」


 少し話題を出すと夫の方は少し反応が遅れましたがお母様は豪語するように自慢の娘だとはっきり伝えられました。


 ちょっと褒めただけで口数が増えるおばさんに引きましたが本当にそっくりで更に腹立たしいのを抑えてお父様にも聞くと近からず遠からずの反応でユカリちゃんの存在を消したそうですね。


 いくら地位が高かったり能力が高かろうが所詮は井の中の蛙、珍しく私の存在を既知ではないと知った時はある意味好都合でした。


 話せば話すほどユカリちゃんに対して胸糞悪い印象とどうしようもないクズなのは何となく伝わりました。


 お父様もお母様にお尻に敷かれておりユカリちゃんを全否定してました。


 それどころか私の胸元を凝視していたような気がします。


 お子様だけは純粋だったのが余計に苛立ちを覚えますがほぼユカリちゃん名指しで貶した時は流石に堪忍袋の緒が切れそうになったので何とか耐えれました。


 言葉にし難い事も多く私自身多く語ることはありませんでした。ユカリちゃんがもし出会ったらどんな心境になるのか、彼女はまた深く傷つくだけなら・・・いっそ殺してしまいましょう。


 きっとそっちの方が気が楽、ですよね。


 言質は取りました、ただ・・・誰かに話すのは、少々難しい。


 来たるべき時が来たら、その時まで黙っていましょう。



  

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