「新たな目標」 その1
「私ね、病院にいる時に沢山考えたんだ〜!どうすれば皆がもっと活躍出来るのか、冒険者ランクを上げるのもいいけどそろそろ地盤を固めるべきかなって!」
翌朝、皆をエミちゃんの屋敷に集りある提案をする。
昨夜の事で話題が持ちきりな仲間達だがその内容は今後の目標についてだ。
私は自作の目標について買ったまま放置していた黒板にチョークで頑張って書いた。
「えへへ〜どうかな?」
今後の目標を書くと皆は少し唖然としていた。
「えっと、冒険する時は一時的に作業は停止するけど“キリ、クラフト”は錬金と再利用開発班?“エミとエインデ”は装飾品や武器や防具の開発班、金絡みは私“サナエ”が担当・・・その補佐として“アスカ”、最後は何でもこなせるように偵察兼全体の補佐をする“ユイ”に“ゼーナ”にね・・・」
皆の個性を活かせるように試行錯誤したんだ反応が気になる。
大体の仕事を説明するとサナエちゃんは少し小言を言ってきた。
「悪くは無いわ、珍しく他の仕事に手を出すのも悪くない、けど・・・物販したいなら今の人脈は心許ないわ、それはどうするの?」
そう言うと思った!だからこの為にノア先輩もユーゴ君も呼んだんだ。
「そこはノア先輩とユーゴ君に提案済みだよ!」
ノア先輩には予め宣伝も兼ねて私達の商品を格安で譲渡して酒場の余りに置いてもらうことにした。
ちょっと色々あったけど恥ずかしいから言わないことにした。
もう片方も継続料として毎月払う代わりに大体的に宣伝してもらえた。
二人には本当に感謝している。私は冒険者として友達として友好関係を築けて本当に良かった。
「・・・意外と頑張ったのね」
珍しく褒めてくれた?サナエちゃんは仕事面を見直していると全身真っ黒衣装の無表情人間のエインデのお兄さんが質問する。
「悪くない提案だ・・・だがリーダー、物を創るもその材料が無いと回らないと思うが採取はどうする?」
エインデのお兄さんの質問に対して私は依頼書を持って来た。
「私達のお仕事は依頼達成内容をお金だけじゃなくて物をくれたり売り場で買ったりして集めたり本元の冒険で依頼ついでに集めたりしようかなって」
冒険に行くついでに黄色と栗色を混ぜたような髪色と元気溌剌のお転婆娘第一号であるキリちゃんの【秘密のバッグ】を用いて収納したり新たな場所に赴いて素材を確保する。
その日によって作れる物が変わるけどキリちゃんの錬金術の能力を高めるに良いかと判断した。
「そしてキリちゃんにはいつか【置いておくだけで錬金素材を生み出す不思議な物】を創っていけたらいいなって」
行き当たりばったりだけどそんな無理や不思議を解決できるのは錬金術しか無いと思っている、これにはキリちゃんも驚いている。
「ま、マジ!?・・・出来るかな・・・?」
「出来るかな、じゃなくて頑張んのよ?女は度胸と折れない心があれば何とかなるわよ」
キリちゃんを後押しするようにサナエちゃんが背中を叩く。
「質問はまだ沢山あるから答えられるのよね?」
うわっ、厳しいサナエちゃんのあの目は長くなりそうだ。
私は皆の意見や質問を受けながらサナちゃんに小言を言われながらも私達の目標を決めることが出来た。