「遠征任務:特別依頼・炎星と水星【後編】」 その9
「た、だいまぁ・・・」
怖いくらいに“百合”について熱く苦しい饒舌に一時間ぐらい長話をされて大嫌いな勉強の事を語る先生の事を思い出してしまう程長い。
本人は至って真面目に語っているのだが私はもう懲り懲りだ。
「さて、百合語りも終わりましたしお姉ちゃんのお土産でも買いましょうか♪」
「えっ?私も?」
「はい、駄目・・・ですか?」
百合を語る時は取り憑かれたように早口だったのに急に可愛らしさをアピールされると風引いちゃうよ、私はそれに抗えず一緒に買い物を楽しんだ。
ふふ♪ユイちゃんを彩るアクセサリーはあるかな?
「ユイさんの事好きですか?」
ユイちゃんの事になると自然と笑みが込み上げて露店を物色するとアスカちゃんは私の顔を覗くようにいじらしい上目遣いをする。
「うん」
「ゆ、百合の香りです!このまま恋愛に発展してください」
私はこれまでの生活を一部話すと子供とは思えないぐらいに恍惚とした表情で涎を垂れ流す。
「皆さんが恋愛対対象ですか・・・うっ・・・幸せ過ぎて百合が爆発しそうです!」
ついに鼻血まで吹き出したので正気に戻す為にアクセサリーを選び始める、アスカちゃんは真剣に選んでくれて無事にお土産を購入する事が出来ました。
私達は凸凹な話で盛り上がりながら子供達に挨拶して時にはご飯を食べたりして気付けば夕方に差し掛かった。
☆★☆★ 宿屋
「皇女様〜!」
私達は手を繋ぎながら指定された集まる場所に移動するとそこには皇女様とユイさんがベッドで横たわっていた。
「・・・ふふ、いい材料が手に入ったわ」
皇女様はポツリと呟きながらユイちゃんの喉元から心臓部分をなぞる。
「あの、ユイちゃんに何かありましたか?」
私は声を掛けると皇女様は素敵な笑みを浮かべながら振り返るといつの間にか着替えてた。
「ふふ♪特に何もなかったわ、でも私にとっては色んな意味で理解したわ」
「な、なんですかその意味深な発言・・・」
「うふふ♪」
皇女は怖いくらいに笑顔で庶民的な服装に触れようとしたが寒気がしてそれどころじゃなかった。
「冒険者、夜に私の王室に来なさい」
「夜にですか?」
「ええ♪子どもには刺激が強いわ」
言葉の端から端まで胡散臭くて不吉な表情に私はとても嫌な予感がする。
皇女様は何を考えてるのか判らない、だが確かなのはこの調査依頼がただの依頼では無いことと皇女様が何かを見定めていること、それはきっと今夜で明らかになるだろう。
私は一抹の不安を抱きながら熟睡してるユイちゃんを抱えながら夜まで宿屋のベッドで大人しく待つことにした。




