「遠征任務:特別依頼・炎星と水星【後編】」 その8
☆★☆★ 育児施設露店通り
ユイちゃんの事が不安になり皇女様に任せて良かったのかすらちょっぴり不安、本当に病気なのか不安の連続で頭が痛くなってきた。
気分転換に露店を見つけるとやはり子供が経営している。
「あっ、お姉さん!少し見てくかい?」
可愛い内飾なのに経営主は男の子だ。服装も女の子っぽいけど趣味かな?
「その服、趣味?」
私はその事を素直に聞くと照れくさそうに頷く、成程・・・多様性を感じる。
「そっかそっか♪私もね冒険者何だけどお洒落するのが好きなんだ〜♪」
冒険者は皆動きにくくてお洒落なんか無視するのが普通だとユイちゃんに茶々入れられたけど女の子は皆可愛くてお洒落がしたいのは仕方ない。
暑苦しいのは勘弁だし常識に囚われるのは古いからね!
私はときめいた物をいくつか購入して気の向くままに買い漁った。
出来栄えも子供ながら良くお洒落として申し分無い。買ったお店にお礼を告げて皇女様の所へ行こうとしたがスェウちゃんが怪しげなお店に!?
「こら〜!」
殆ど年齢差を感じないスェウちゃんに声を掛けるとやましい顔はしてる訳ではなくただの本屋らしい。
「うぅ、女の子同士恋愛本がありません」
心底残念そうに歯軋りまでしながら落ち込んでいる、そう言えばこの娘そういうの好きだったね。
「女の子同士より男女の方がドキドキしない?女の子同士なんて稀だし普通なら・・・はっ!?」
わ、私は“普通”を選んでる!?
「ユカリさん、百合をご存知無い?」
あれ?なんか逆鱗に触れた?スェウちゃんの眼光から物凄い圧を感じる。
私は嫌な予感がして逃げようとしたが壁に追いやられて小さな身体の両腕でドン!と私の肩の間を囲うように叩く。
「ユカリさん、貴女は普通の冒険者なんですね?百合の良さが分からないなら教えてあげます、もしそれでも判らないなら・・・」
ワナワナと怒ってるような笑顔で私はトンデモナイ失言したことに気付く、そしてイタイケな女の子から放たれたのは最早恐怖そのものでした。
「死んでクダサイ」
・・・・怖っ!?
何とか怒りを鎮めて貰う為に近くに水飴を購入する。
「むっ!子供扱いしないでください!」
座れる所を探して腰を下ろし、機嫌を直して貰おうと買い与えた水飴を見て更にご立腹、私は仕方なく突き返された水飴を舐める。
「あまーい♪」
久々に甘いものを口にして緊張感が和らぐとふと視線がスェウちゃんに向く、羨ましそうな表情に私は横にトントンと傍においでと誘導すると最初は恥ずかしそうな顔だったけど隣に座り、水飴を舐める。
「ふふ♪」
言葉にせずとも表情で嬉しいが伝わる、食べ終える頃にはすっかり機嫌も良くなっていた。
「ユカリさん、もしこの調査が終わっても会いに来てくれますか?」
するとスェウちゃんの方から誘われて私は二つ返事で返した。
それがよっぽど嬉しかったのか帰るまで傍を離れなかった。
スェウちゃんは本当なら甘いものは禁じられていたらしく、私達だけの秘密となった。




