「遠征任務:特別依頼・炎星と水星【後編】」 その7
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・はぁ・・・まだ・・・着かないの?」
夕方から完全に夜になると皇女様は事前に用意していた馬車に乗りスェウちゃんだけを乗せて私達は馬車の如く徒歩で出発した。
だがもう既に二時間は経過してるがそれらしき建物は見つからず、たまに舗装されて無い道があって皇女様の命令により近くのモンスターを討伐したりと疲労が溜まる一方だ。
「はぁ、はぁ・・・」
流石のユイちゃんも薄暗い暗闇の中で息が荒く膝がぷるぷる震えている。
「ユイちゃん平気?」
その問いに答えは帰ってこなかった。珍しく本当に余裕が無いのか汗が吹き出ている。
(ユイちゃんって汗っかきだっけ?いつもなら颯爽と歩いて私を心配するぐらいなのに・・・んんん何だろう?)
私って重い女なのかな?最近やたらとユイちゃんの行動が変に思える節がある。食事、睡眠、お風呂、甘え方が特徴的な行動を一切しない。
やっぱり実験棟で何かあったんだ、重たい病気に・・・とか?
「どうかした?」
汗だくのユイちゃんを見て私は何でも無いと思い足を動かす。
「筋肉痛は避けられない、ただでさえ脆弱な靴を履いていたのに肉離れしそう」
辛くなるほどネガティブになりがちだ。ユイちゃんは何も言わず三時間の予定がなんと五時間まで掛かり着いた頃にはぶっ倒れて吐いてしまった。
☆★☆★ 水星育児養育施設
漸く辿り着いた目的地にいざ入ろうとするとやたら厳重な門扉と皇女様の波紋解除魔法を使って入るとすぐに門番が荷物を確認する。
正直疲労困憊のせいで持ち物はほぼ持たず治療道具とナイフと秘密のバックしか持ち合わせていない。
確認を終えて中に入るとこれまた立派で、もはや国と呼べるぐらいに栄えていた。
九割が子供らしいけど確かに子供の顔しか見当たらない、二十歳まで皇女様が預かるらしいがそれにしても圧巻だ。
水星の都が一回り小さくなった程度で内装は住みやすそうなレンガや趣のあるロッジ風な家造りが多い。
中央には円形状に大きな噴水から十字に分かれて各建物に渡るように流れている。
皇女様は着くなり誇らしげにこの場所の説明を熱く語り問題面や行政、財政なんかも語ってくれたけど正直耳が痛くなりそうなので軽く聞き逃しました。
「うっぷ」
疲労で吐き気が止まらずユイちゃんも完全にバテてしまい仕方無く皇女様がユイちゃんだけ様子を窺う中、医療をかじった経験があるらしい皇女様から周りを見学に行ってみてと言われたので各員一旦バラバラで動くこととなった。




