「遠征任務:特別依頼・炎星と水星【後編】」 その4
「美味しかった?」
無味乾燥の話と料理は漸く終わり早く帰ろうと逃げようとお礼を言って踵を返そうとしたがお腹を抱かれて次の場所まで連行された。
「今後逆らったら腹を斬る、良いわね?」
私の態度にとても不満そうに料理を宿屋に送ると断ったら殺されそうなので笑顔でお礼を言うともっと怖い顔されて正直逃げたい。
「今日の夜、仕事任せるから早めに寝る?それとも私のお宝でもご覧になる?」
「あ、もう帰りた―ー― やっぱりお宝見ておこうかな!?」
嫌だ!この人と寝るなんて!私は断れなくて断腸の思いでユイちゃんの日々を思い出しながら従った。
☆★☆★ 王室・隠し部屋
奥まで行くと水の波紋で閉じられた部屋に来ると皇女様は魔法を唱えるとその部屋に入る。
皇女様のお宝・・・少し気になってる。きっと価値が有り得ないほど高く、希少品しか無いだろう。
(なんたって貴族の一番で皇帝であり大妖精だよ?数千年生きてるからきっと金銀財宝の巨万の富が・・・!)
そこには私の想像していた黄金郷は何処にも存在せず、とても質素というか簡素な貴族の一室にしては随分と落ち着いた色で統一されてガラス貼りにされたケースが沢山並び一番奥には【錆びた王冠】がある。
「ようこそ、私のお宝部屋へ」
手を引かれペタペタと足音を鳴らしながら進む王宮はあんなに壮大で高級感溢れる真っ白で金が沢山散りばめられているのにこれが皇女様のお宝部屋?
「・・・?」
ガラスケースには安そうな本や手作りの栞や幼い絵など貴族にとっては殆どゴミに近いような物が沢山溢れている。
「えっと、何なんですか?じ、冗談ですよね?」
こんなの皇帝の人達からしたらゴミにしか見えないはず、ただ皇女様はとても愛おしくも嬉しそうに眺めている。
初めて見るとても優しそうで聖母のような目で安そうな本を撫でている。
「ゴミにしか見えない?」
「・・・はい」
「そう・・・そうよね、私は皇女であり、貴族であり、大妖精であり・・・へ、凹んでないからね?」
えっ、すっごく落ち込んじゃったよ!?こ、殺される!?
「ごめんなさいね、少し・・・辛くなってしまったわ」
皇女様は大きな溜息と共に泣きそうになってるの?目を赤く腫らし、涙袋に水が溜まる。
自分のお宝をゴミ呼ばわりしたから殺されると思い失言した事を今にも気付く。
「皇女様っ!私にもっとお宝を見せてください!」
皇女様はゴミと思われて相当堪えたのか素っ気ない返事をしながらお宝について語ってくれた。




