「遠征任務:特別依頼・炎星と水星【後編】」 その3
「お疲れ様、今日の夜に護衛の仕事を頼むから早めに寝なさい、スェウにはまだ厳しいから二人で来なさい」
王室まで戻ると結果報告と微々たる報酬、そして理不尽な依頼内容。これっぽっちじゃスープ一杯分しか飲めないよ・・・
「ちょっと待ちなさい」
皇女様の命令は絶対、私は疲弊した顔が隠し切れずぶっきらぼうになる。
「まだ何か?」
指をパチンとカッコよく鳴らすとメイドさん達がテーブルと椅子を二人分持って来て純白なテーブルクロスを敷いて私と皇女様を面と向かって座らされる。
一体何が起こるのか、内心ドキドキだけど運ばれてきたのは何と料理だった。
「あの二人はそこまで信用出来ない、だけど貴女はまだ信用出来そうね」
良く分からない言葉を発し、見たことも無い料理が運ばれて来る。
「私だけ贅沢なのは・・・!」
「これは命令よ、ちゃんと食べなさい」
如何にも高そうな物に私は思わず拒否しようとしたが皇女様は腕を組みながら私の言葉を弾き飛ばした。
「このフルコース安いのよ?」
「ち、因みにいくらですか?」
「五万」
うぇぇ・・・私達の食卓が精々五百ベルとかノア先輩の店なら八百ベルとか高くても二千とかなのに。
「あーん」
「へ?」
皇女様は何故か私に食べさせようとする、よく見ると食器が全部皇女様分しかないことに気付く。
「あの、私に・・・」
「あーん」
あ、駄目だ、全く通じないや♪
二人に申し訳なくもスープを丁寧に飲まされると私の顔を窺う。
「・・・じょ、上品な味かな?野菜とお肉の出汁で・・・えっと・・・」
「子どもなんだからはっきり」
「そこまで美味しくないです」
出汁を水で足したような水っぽさ、香りと深みはあるのにもっと舌をガツンと来るような味が好みかな。
「コンソメスープは最高級の食材を使って作ったのよ?所詮は貧乏舌の下民ね」
「いやだって・・・私達は大体スープの味が濃いので・・・」
「誰が自分語りを許したの?」
この皇女様本当に怖い、殺気立った目に私は料理の味がしないまま長話と説明を品が変わる度に行い、緊張感と緊迫した雰囲気に気圧されてお腹だけ満たされた。




