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エクストラ 実験棟 その6

☆★☆★ ユカリ


「ミユさん・・・」


 ユイさんの指示により謎の人形に触れるといつの間にか宿屋に戻っていた。


 各々寝る準備をする中、一人泣き崩れ、咽び泣くミユさんに私は寄り添うことしか出来ない。


「うぅ、あの娘ね・・・同じクラスの時にほぼ最下位の私に勉強を教えてくれたの、ぐす・・・あの娘は将来有望だって皆口揃えてたのに・・・何で殺されないといけないの?」


 見ず知らずの場所、敵が誰かなのかも分からない事に怒りの矛先が向けられずやるせない気持ちだけが彼女に残った。


「結局、あの場所は何だったんだろ?」


 何を調べてもよくわからない、持って来た資料も全部面倒くさいからユイちゃんに押し付けると珍しく受け取ってくれた。


 いつもなら面倒くさいって自分から投げ槍してくせに変な所で興味が出るもんだ。


・・・でも何だろう?ユイちゃんと会話してる筈が“違和感”を感じる。


 気の所為だろうか?何だかユイちゃんっぽくない、あの後話したけど私を第一に考えてくれるのに少し素っ気ない。


 まるで誰かを演じてるような雰囲気を感じた。


「ミユさん、辛いのは分かるよ・・・だけど・・・死にたいなんて言わないでね?」


 ミユさんは身体を丸め泣く事を止めない。


 そんな彼女が言ったことに憤りすら感じた。


「“私が死ねば良かった”なんて亡くなった人に謝るなんて最低だよ・・・」


「うぅ、ならユカリちゃんは有望で美人で優しい恩人が死んだら何ていうの?」


 少し苛つかせてしまった、有効的な態度から変わって悲哀の表情で私を睨む。


「私?私はその人の分まで生きるよ、本当の気持ちなんか分からないし伝えてくれないなら自分なりの解釈で緩んだ紐を結ぶだけだよ」


 泣いてばかりは許してくれない、前を向き、強く生きる。


 サナエちゃんが教えてくれたの言葉だ。


 言葉は伝えないと死んだら後悔する、だから沢山伝えなさい。痛いなら痛い、苦しいなら苦しいって、助けて欲しいなら腹から全部吐き出す。


 素直な気持ちで生きてれば誰だってそこそこの生活が送れるんだから!


「強いね」


「素直だけが取り柄だからね♪だから私、沢山励ますよ!生きてればそこそこの生活が送れるから!」


「・・・ふふ、元気だね・・・私も素直になってみようかな?」


 暗い雰囲気は嫌い、私が性格が暗いのは分かってる。それでも私はリーダーだから前を向かないと皆まで駄目になる。


 大好きな人達、嫌いなの人達、理不尽な仕事や大嫌いな大人の事情、世間が何を言おうが関係無い・・・私は夢を追い続けてやる、それまでは簡単に人生を棒に振らないよ。


 数十分時が過ぎるとミユさんは心に決めて地球星に帰ると思った、普通なら母星に帰るのが当たり前だが彼女は何を血迷ったのかな?


「私、ユカリちゃんの故郷光星で就活する!」


「えっ?」


「ユカリちゃんも私を救ってくれるんでしょ!?一生のお願い!私を、光星で働かせて!」


「えっ・・・・・ゔぇぇぇぇぇ!!!???」


 心が折れかけた無鉄砲なミユさんに私は引くほど好きになった。


「家も今月で追い出されるし親も他界してる、就活失敗してニートになるくらいなら異世界転生した主人公になる!」


 もっと落ち込むと思ったけど案外芯がしっかりしてるのかも。


「ユカリちゃん!いや、先輩!今回こそ真面目に働くから十度目の正直でお願い!」


 私はミユさんの言葉に感銘を受けた私はすっかり立ち直りを見せた彼女を光星行きの星海船に乗せることを約束する。

 

 早速ノア先輩に手紙を書いてその次の日に光星に送ったミユさんはこれ以上にない輝きを抱いて光星に移住することになった。


 こ、これで良かったのかな?

  

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