12章 : 軍の再編
険しい顔をしているのは、サイデルトキア軍の最高司令官であるサイネル将軍だった。
何やら落ち着かないらしく、先程からライリス様の寝室の前を行ったり来たりしていた。
普段、国民や兵士達の前で見せる、あの毅然とした態度はいったいどこへ消えてしまうのだろうか。
その外見からはとても想像出来ないような心配症である。
そんな将軍の心配を余所に、身だしなみを整えたライリス様がゆっくりと寝室から出て来た。
サイネルは即座に彼女に向かって敬礼をする。どんなに慌てていても、長年軍人として培ってきた習慣を忘れることはないらしい。
だが、その顔は不気味なくらい青ざめていた。
「どうしたのですか、サイネル? そんなに血相を変えて?」
「これが落ち着いていられましょうか!?」
「いったい、何があったのです?」
「詳しいことは皆の前でお話し致します。さあ、謁見の間へお急ぎください!」
「え、ええ……」
いつものことと高をくくっていた彼女だったが、彼のこの慌てぶりにはさすがに戸惑ってしまった。
ふたりが謁見の間に辿り着くと、既にライザやブルーム達が集まっていた。
「ライザさん、何があったのですか?」
「いや、俺もまだ何も聞いていないです。至急謁見の間に集合するようにと言われただけで」
皆の視線が一斉にサイネル将軍に注がれる。将軍はコホンとひとつ咳払いをすると、軍人口調で語り始めた。
「皆に集まってもらったのは他でもない。我が国は今、かつてない危機に直面している」
「先日の孤児院での一件以来、魔族は目立った動きを見せていませんでしたが……」
「コウエン、わたしもそれで一時は安心していたのだ。我々の討伐を恐れた魔族達は、魔人の森に撤退したのだとな。だがそれは安易な考えだったらしい」
「自分は最近、精力的に魔族の駆逐と周辺警備に力を入れて来ましたが」
「いや、そういうことではなくな」
「自分に、何か至らない点でもあったというのですか!」
「…………」
普段から平静さを失ったことのなかったコウエンが、初めて強い口調でサイネルに反論をした。
言われた当の将軍だけでなく、横にいたリーナも狐につままれたような気分だった。
「ねえ、どうしちゃったの? コウエンらしくないよ」
「……す、済みません、リーナさん」
柄にもなく、コウエンは黙り込んでしまった。
「……?」
サイデルトキア軍の副官であるコウエンは、あの日以来、穏やかな心の中にある複雑な感情を抱いていた。
激しく雨の降りしきっていたあの夜、捜索を続けていたコウエンは、ライザとライリス様がキスをしている場面を目撃してしまった。
確かにあれはその夜限りのものだったのかもしれない。寂しさと悲しみに打ちひしがれたライリス様のほんの我侭だったのかもしれない。
だが、コウエンには許せなかった。
寄宿舎では、眠ることもままならず、眼を真っ赤に腫らしながらずっと帰りを待ち望んでいた少女が居た。そんな彼女の気持ちをおざなりにして、ライザは別の女性とキスをしていたのだ。
ラスタのような男だったら、ひとつライザをからかって酒代を奢らせるくらいで済んだだろう。
しかし、真面目で誠実なコウエンにとっては、それは到底許せるものではなかった。
その時、彼の心の中に、何とも形容しがたい感情が沸き起こっていることに気づいた。
それは不思議な感情だった。一言ではとても説明出来るものではなかった。
ただ、彼自身、それを認めてはいけないことには気づいていた。
だからこそ、その感情を忘れようとするかのように、必死になって魔族討伐の指揮を執っていた。
そんなふたりのやり取りを冷静に見ていたライザが、静かに口を開いた。
「むしろ逆だったんじゃないのか? 今までが無計画に攻撃を行なっていた奴らが、本格的に侵略の準備を始めたとしたら? あのセラフィスという男が本格的に動き出したとしたならば、考えられないことでもないと思う」
それを聞いたファレスの顔がさっと曇る。
「ジイさんもそう考えているみたいだな」
「…………」
ファレスは何も答えなかったが、その表情からして、図星であることは間違いなかった。
不安に駆られたリーナは、将軍の顔を見つめた。
「ほんとうなの、オジさん?」
「こら、将軍と呼ばんか!」
「しゅん……」
リーナが首をすくめると、サイネル将軍は誤魔化すように、コホンと咳払いをした。
「ま、まあよい。実はライザ殿の言う通りなのだ。魔人の森付近の国境を警備していた部隊から、昨晩、緊急の連絡が入った。武装した魔族達が国境を突破し、このサイデルトキア市に向かって侵攻中であるとな」
それを聞いた皆の顔に緊張が走った。状況を言い当ててしまったライザ自身も動揺を隠せなかった。
孤児院でのセラフィスの言葉が脳裏に蘇ってくる。
――次こそは必ずターゲットを始末させてもらう――
奴は特に強調して言った訳ではなかったのかもしれないが、その言葉がライザの胸に深く突き刺さっていた。
その時の奴の瞳には、見た者すべてをぞっとさせる何かがあった。
それを考えれば、サイネル将軍がこれだけ焦っていた訳も頷けるというものだ。
「それでは、すぐに軍を魔人の森へ派遣しましょう! 自分が討伐軍を指揮します!」
「早まるな、コウエン」
「ですがっ!」
「実は問題はそれだけではないのだ。時を同じくして、西の国境付近で過激派ダァトの一派が反乱を起こしたらしい」
「まさか……」
「ここ数年大人しかった過激派が動き出したのは、恐らく今回の大規模な魔族侵攻を見越してのことだろう。国内が混乱しているこの時期に、一気に勢力拡大を図ろうと考えているに違いない」
「それじゃ、最悪の場合、挟み撃ちに合う可能性も……」
「両者の狙いは違うだろうが、最悪そういうことにもなり兼ねんな。一方に力を注いでも後ろを突かれる可能性が出て来てしまったということだ」
それを聞いて、その場にいた全員が静まり返ってしまった。
かつて様々な難問に対処してきた彼らだったからこそ、今回は真に危機が迫っていることを痛感したのだ。
すると、それまで不思議そうな顔をしていたティアナが口を開いた。
「ねえ、ライザくん。ダァトってなぁに? 食べれるの?」
「えっ……」
その緊張感のない彼女の言葉が、一斉にみんなの笑いを誘った。
本人は何が起こったのかわからないらしく、きょとんとした顔で周りを見回していた。
気分が沈みかかっていたライザだったが、そんなことも一気に忘れてしまった。
その代わり、孤児院で言った自分の言葉を思い出し、急に力がみなぎって来るような感じがした。
(そうか。俺はこの子を、ライリス様を、みんなを守る為に戦うと誓ったんだ)
無性に嬉しくなって、ティアナの頭を優しく撫でてやった。
「ふえ……?」
ティアナは不思議そうな顔をして、彼のことを見上げた。
そんなふたりの様子が気にくわないのはリーナだ。彼女も負けじと口を開いた。
「リーナもダァトって知らないんだけど。……何のこと?」
それを聞いたライザは驚いたように彼女の顔を見た。
「ほんとに知らないのか? 確かガーザ帝国のことも知らなかったよな。もう少し世の中のことを勉強した方がいいぞ」
すると、リーナは風船のようにぷうっと頬を膨らませた。
「いいだもん。リーナはライザのことだけを知っていればいいの」
「はいはい」
「もぉ~っ! ティアナだって知らないのに、なんでリーナのことだけ馬鹿にするの!」
リーナはライザをポカポカと叩いた。たまらないというばかりに後ろに仰け反る。
「何言っているんだよ、この子はまだ子供じゃないか……ってリーナもそんなに大差ないか」
言葉と同時に、ゴンと大きな音が城内に響き渡った。言うまでもなく、リーナがライザの頭を叩いた音だ。
「お、お前なあ……、グーで殴ることはないだろ、グーは」
「いいんだよ。ライザなんか殴られて当然だよ! 全然乙女心を理解してないんだから!」
「そ、そんなこと言われたってな……」
そんなふたりの様子を見ていた一同は再び大爆笑していた。
ティアナとリーナのおかげで、緊迫していた空気も一気に消し飛んでしまったようだ。
ただ、そんなふたりを何とも言えない顔で見ている青年がいた。
(……あの人は、彼の前ではあんな笑顔を見せるのか……)
◆ ◇ ◆
みんなが落ち着くと、神官ファレスが『ダァト』について説明を始めた。
「『ダァト』とは、サイデルトキア西部にあるペトラ砂漠を中心として世界中に広まりつつある密教のことじゃよ。かつて人間と魔族が世界規模で戦いを繰り広げていたクリフォート戦争の時代、世界を解放に導く為に戦った預言者アロンは、クリフォートとの戦いの果てに、神によって隠されている知識の門を突破して神の世界に上っていったと言われている。我々が現世での苦しみから解放される為には、預言者であり指導者であるアロンを信仰し、魂の解放の為に戦わなければならないとな」
「魂の解放?」
「そうじゃのう……、簡単に言ってしまえば、あらゆる苦しみからの解放ということじゃろうな」
「……?」
「はうううう~~」
ティアナとリーナの為に説明してやったのだが、当のふたりには難しすぎて理解出来なかったらしい。ふたりとも、ただただ頭を抱えるばかりだった。
「余計分かんないよ。使えないね、このジイさん」
「ひ、酷い言われようじゃのう」
「ねえ、ライザはこの意味分かるの?」
「……ああ……」
もちろん、ライザには分かっていた。
気がつけば、爆笑して忘れていたはずの胸の疼きがまた激しくなっていた。
こんな世の中だからこそ、人々に必要とされる教え。
教徒は戦いを好み、死を恐れることはない。たとえ戦いで命を失ったとしても、その者はアロンに功績を称えられて、以後、一切の苦しみから逃れられると言われている。
人間とは近視的な生き物である。
何もない部屋に閉じ込められた子供がいて、そこにひとつだけ外界を見渡せる窓があったとする。すると子供は、窓から見えるものだけが世界のすべてであり、それ以外のものなど何もないと思い込んでしまう。一度その窓から飛び出してみれば、無限の可能性が広がっている筈なのに。子供はそんなことも知らずに一生を終えてしまうのだ。
今やこの世界に住む人間は、大半がこれと同じ現象に陥っていた。
魔族や盗賊が当然のように人を襲い、内紛や暴動が頻繁に起こる世界。
こんな何の望みもない世の中なら、生きることに絶望し、神にすがろうとするのも当然だ。
「サイデルトキア王家は、ペトラ砂漠を中心とする教徒達の居住地を自治区として領地の一部としています。ただ、それは名目上のものに過ぎません。彼らは王家と敵対関係にあり、頻繁に反乱を起こしています」
サイネル将軍は乱暴に頭を掻き毟ると、苦虫を噛み潰したような顔をした。
「コウエンの言う通りだ。我が軍にとって、奴らは魔族と同じく悩みの種でしかない。無駄に団結力があるという点では魔族よりも性質が悪い。全く困ったものだ」
「ええ」
暫しコウエンと愚痴を零していた将軍だったが、ハッと何かを思い出したようにライリス様に奏上をした。
「この危急の事態に際して、わたしは臨時の軍の再編をライリス様に提案致します」
「軍の再編……?」
「はい。我が軍は現在、わたしが将軍として複数の部隊を統率しコウエンがそれを補佐する一軍制を採っています。ですが、このままでは今回の危機には到底対応し切れません。それを大別して四軍制に編成し直したいのです」
「そのようなことをして、それを統率する優れた人材に心当たりはあるのですか?」
「何をおっしゃいますか。優れた人材なら、目の前に揃っているではありませんか」
「えっ……!」
驚いたのは、ライリス様ではなく指名されたライザ達の方だった。半信半疑のまま、ライザが口を開いた。
「俺達が兵を率いるのですか?」
「その通りだ。お前達の実力は、これまでの戦いにおいて十二分に証明されている。わたしは、ライザ殿を赤の将、ブルーム殿を青の将、コウエンを白の将に任命したい。そしてわたしが黒の将となり、この四軍制でもって、今回の由々しき事態に対処して行きたい」
「俺が将軍に……?」
「いかがでしょうか、ライリス様?」
「……そうですね、確かにそれは名案です。皆に異存はありませんか?」
ライリス様はライザの顔を見た。戸惑っていた彼だったが、彼女の願いを断るはずもなかった。
「は、はい。俺なんかでよければ、喜んで赤の将を引き受けさせて頂きます」
「やったね♪」
ライザが引き受けると、リーナは自分のことのようにスキップをして回った。
「こらこら、厳粛な場所ではしゃぐなって」
リーナはちょこっと舌を出して謝った。
「だって、ライザが将軍になったんだよ? リーナ、嬉しくて舞い上がっちゃうよ」
「お前なあ」
と、リーナの頭をくしゃくしゃと掻き回す。
照れ隠しだったのかもしれない。
今までずっと魔物を退治することで、その日暮らしの生活を続けてきた。自分には剣術しかなかったから。生きていく為にはそれしかなかったから。そんな自分が、一時的なものとはいえ、一国の将軍の位を与えられたのだ。地位や名誉などには全く興味はないが、自分の力が誰かの為に必要とされていることが嬉しかった。
「ブルームさんは、どうですか?」
と、ライリス様は、ブルームにも確認する。
今までずっと沈黙を守って来たブルームだったが、ライリス様に声を掛けられると静かに腰を落とした。
「……ご命令とあらば……」
青の将を引き受けたブルームには、喜ぶ素振りも嫌がる素振りもなく、あくまでも冷静だった。
これも『仕事』として割り切っている為なのだろうか。
「コウエン、あなたも異存ありませんね?」
「…………」
「どうしたのですか?」
「……すみません、自分には将軍職は荷が重過ぎます」
それを聞いて、サイネルが驚いたように声を上げた。
「何を言い出すのだ。先程まで魔族討伐の指揮を執りたがっていたのは、お前ではないか?」
「はい。それはそうですが……」
「わたしの案に不満でもあるのか?」
「いえ。自分は少しでしゃばり過ぎていたようです。策士である自分は、上に立つのではなく将軍をサポートする立場の方が適任だと考えています」
「まあ、確かにお前は頭脳派の人間だ。統率をするのには向かぬかもしれないが……」
サイネル将軍は、再び乱暴に頭を掻き毟った。
「では誰を将軍に任命すればいいのだ!?」
サイネル将軍が頭を抱えていると、謁見の間の扉が物凄い音を立てて開いた。皆の視線が集まる。
「その役、オレ様が引き受けてやるよ!」
「ラスタ!?」
予想外の人物の登場に、ライザとリーナは無意識のうちに駆け寄っていた。
そこに立っていたのは、病院で療養中だったはずのラスタだった。
前と変わった所といえば、そこにあるはずの右腕が鋼鉄製の義手に代わっていることだけだ。
「もう大丈夫なのか、ラスタ?」
「テメェは、オレ様がコレくらいのことでくたばるとでも思ってたのか?」
「その減らず口、久々に聞いたぞ」
「リーナ、涙出そう」
ふたりとも、元気そうなラスタの姿を見て、今にも抱きつきたい程に喜んでいた。
当のラスタは邪魔そうにふたりを追い払うと、ライリス様の傍まで歩み寄った。
「そういう訳だ。オレ様に任せてもらおうか」
「はい。ラスタさんなら、立派に白の将をこなしてくれそうですね」
「当然だ。その代わり、美味い酒をたんとご馳走していただくからな」
「ええ、勿論分かっています」
そう言うと、ライリス様は嬉しそうに微笑んだ。彼女もまた、ラスタの安否を酷く気にしていたからだ。
だがそんなライリス様を余所に、ラスタの鋭い眼は、右腕を奪い取った女に注がれていた。
その眼差しは、今にも殺しかねない程の憎悪を放っていた。
ラスタの復活を喜んでいたライザだったが、その殺気を感じ取って何とも言えない気持ちになってしまった。
(ラスタ、お前……)
ラスタが将軍職を引き受けたのは、酒やお金なんかの為ではなかった。
それは、あらゆる点でブルームに引けを取りたくないという彼の気高いプライド故だった。
◆第2編 登場人物◆
【サイデルトキア王国】
<ライザ -Raiza->
過去の記憶を持たぬ青年。《マジッド・メシャリム》のリーダー。
ライリス様に認められ、サイデルトキア軍の再編の折に『赤の将』に大抜擢される。
ティアナの純粋さに触れ、彼女の側に居たいと感じている。
<ティアナ -Teana->
城に住む純粋無垢な少女。孤児であるが、そんな素振りは一切見せない。
ライザに懐き、いつも彼と一緒に遊んでいる。
ただ、ライザの気持ちに気づいているのかどうかは謎である。
<ライリス様 -Lyris->
ライザ達に護衛を依頼したサイデルトキア王国の女王。
孤児院の子供達を殺され、悲嘆に暮れたが、ライザのお陰で持ち直した。
それ以来、ライザに対して、絶対の信頼を置いている。
<リーナ -Lena->
ロスタリカ共和国マカオ出身の魔導師の卵。
ライザと共にサイデルトキア軍に入ることを決意し、『白の副将』となる。
ライザとティアナの仲が深まるにつれ、焦りを隠せないでいる。
<コウエン -Coen->
軍の再編により『赤の副官』としてライザに仕えることになる。
冷静でサイデルトキア一の智将と名高い彼だったが、ライザ達との出会いによって徐々に変わっていく。
<ラスタ -Raster->
ライザの相棒。炎魔竜神剣の暴走により右腕を失ったが、奇跡的に復活を果たす。
軍の再編の折に自ら『白の将』になると宣言。ライザと共に魔族討伐に向かう。
ブルームに対する憎悪の念は以前よりも増しているようだ。
<ブルーム -Bloom->
ライリス様の護衛として雇われた、《夜風を屠る女豹》の異名を持つ冷徹な女剣士。
軍の再編の折に『青の将』に抜擢される。
<サイネル将軍 -Sinel->
サイデルトキア周辺の非常事態に際し、軍の再編を提唱。
自ら『黒の将』となり、過激派ダァトの鎮圧の為、ダルテスベルク市へと向かうことに。
<ファレス -Fares->
長年ライリス様に仕えてきた謎の神官。
魔人の森の王セラフィスとは旧知の仲のようであるが……。
【クリフォート勢力】
<セラフィス -Seraphis->
魔族を統べる≪クリフォート≫。魔人の森の王。
ライリス様の命を狙っており、一度ライザ達の前に姿を現した。
一時撤退したものの、本格的にサイデルトキア侵攻を企てているという噂がある。
<リスティ -Lysty->
セラフィスと行動を共にしている魔族の少女。
外見こそ幼い少女そのものだが、その物腰や言動は熟年の女性を思わせる程に妖艶で威圧感を放っている。
<フレディ -Freddie->
セラフィスと行動を共にしている魔族の少年。
無邪気な性格とは裏腹に、殺戮を楽しむような冷めた所がある。