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勇者として召喚された武闘派系魔法少女の異世界無双  作者: はなぶさ 源ちゃん
第3部 ダンジョン狂騒曲と魔法少女
15/19

15 奇跡の再会と魔法少女

 その日も私はいつものように友達と一緒に下校していた。


「じゃあ、私はこれで。」


 私は友達と別れて別の道を行こうとする。


 「美奈、最近付き合いが悪くなったよね。」


 「ごめんね。約束があるから。」


 そう言うと、友達たちはため息をついた。


 「仕方ないよね。“命の恩人”を邪険にはできないよね。」


 「それもあるけど…。華蓮さんすごく優しいんだよ。」


 「そっか、ただの恩人と言うより美奈にとって“ヒーロー”みたいなものなんだ。 

 じゃあ、美奈。かっこいいヒーローさんとの時間を大切にしな。」


 子供のころからの友達、佳子がにやりと笑いかける。

 

 「じゃあじゃあ、華蓮さんてどれくらいかっこいいの?」


 今度は好奇心旺盛な珠代が食いついてくる。


 「普通だよ。私たちとおんなじごくごく普通の女の子。

 なんにでも一生懸命なところはかっこいいと言えばそうだけど。

 あなたたちと同じ、私の大切な友達だよ。」


 「いやあ、学年一の美少女からそんなことを言われると照れちゃうね。」

 「実に光栄です♪」


 私たち3人は笑いあった。


 「でも、男子どもが美奈が全然付き合ってくれなくなったと愚痴っていたよ。」


 「当たり前でしょ!私がやくざたちに連れ去られそうになった時にみんな見捨てて逃げたんだから!

 最初に警察に通報してくれたのが、私の行方が分からなくなって心配したあなたたちなのだから、本当にがっかりだったわ。」


 「やくざどもにボコられて“言ったら殺す”とか脅されたとはいえ、せめて通報くらいしろよ!と言いたいよね。」


 「いざとなったら男の方がダメ…とか、災害の後の現場で言われるとか聞いていたけど、自分のクラスでもそれが当てはまるとか本当にがっかりだよ。」


 後でわかったのだけれども、男子たちを脅したやくざはとんでもない存在に洗脳されていて、普通の人なら“化け物に脅される恐怖に耐えられない”ことがわかって、なんとか男子たちを許すことはできた。

 それでも佳子や珠代たちだったら何とか“通報”まではしてくれたような信頼感がある。


 私は鼻歌を歌いながら2人と別れていった。



~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~



 私は必死で逃げていた。


 夕闇の中、道端にうずくまって動かなくなっていた人に声を掛けたところ、とんでもないものが出てきてしまったのだ。


 なんとなく嫌な感じはしていた。


 でも、ここで何もしなかったら勇気を持って私を助けてくれた華蓮さんに申し訳ないような気持になってしまったのだ。


 曲がり角を曲がった時、走っていた私は誰かに抱き留められた。


 「大丈夫、河井さん?!」

 

偶然華蓮さんが来てくれていたのだ!!私は一気に体から力が抜けていった。


「大丈夫なの?!怪我はしてない?!!!」


私が華蓮さんにもたれかかるようになったので、華蓮さんが心配して声をあげてくれた。


『大丈夫。精神的にダメージは受けているようだけど、怪我はしていないよ。』

「そうです!びっくりはしましたけど、怪我はないんです。」


「『え?』」

「あ!」


私がとっさに“ジニーさんの言葉”に返事をしたせいで、みんなが一瞬固まってしまっていた。



~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~



 「おなかが空いて死にそうなのです。何か食べ物を…。」


 ボロボロになっていたメリア王女をに話を寄稿としていた私たちの前に凶悪な気配をまとった影が現れた。



 「メリア王女を追っていた私の部下を爆裂魔法で倒したのはもしかして貴様らか?!

 我は魔王軍13魔将の1人、雷光の…。」


 『邪魔!』


 私=ジニーは13魔将の1人?雷光のなんちゃらを居合切りで真っ二つにした。


 「さすがは華蓮さん!迷宮内で実践されていた“イアイ斬り”は13魔将すら一撃で倒せるのですね!」


 見ていたクリスが絶賛してくれる。


 「…カレンさん、すごい…。それとそちらの方は…。」


 認識阻害の仮面を被ったクリスを見て、メリア王女が首をひねっている。


 「お久しぶりですね。メリア王女。」

 「ええ?!クリス王子!!」


 仮面を外してクリスが声を掛ける。


 「こんなところでお話もなんですから、まずは安全なところに行きましょう。」


 クリスがメリア王女を抱え上げると我々はそのまま予定通り、ギルドの本部へと向かっていった。



 

 「私たちは10日前にワニナの街に着いたのですが…。」


 ギルドに着くと、ボロボロになった服の代わりをギルドに用意してもらい、ご飯を食べてもらって一息ついてから、メリア王女の話は始まった。

 この場には私、クリス王子、エリザベス嬢とメリア王女で内密の話をさせてもらっている。


 メリアを含む“勇者パーティ一行”はキーラさんがばらした情報と違い、“単独で飛び出した勇者華蓮”と違い、“パーティとしての勇者一行に期待したい”と言われていたのだそうだ。


 最初は勇者2人、聖女1人、メリア王女とお付きの騎士2人、魔導士1人、斥候1人とでダンジョンを探索しながら実力を上げていって、いずれは勇者たち4人と優秀な斥候、魔法使いの6人で正規の勇者パーティとして“魔王攻略”に動いてもらう…みたいな話だったのだとか。


 しかし、3日前に王城から急に魔道具を通じた帰還命令が出て、みんなで不審がっていたところ、深夜になってメリア王女付きの侍女から王女の魔道具にさらに連絡が入ってきたのだ。


 子供のころから親身に面倒を見てもらっていた侍女からの通信内容は

 「ゲストランド王城が魔王軍によって陥落した。城を占拠した魔王軍13魔将達の意向により、戻ったら王女、勇者や聖者は確実の殺される」という衝撃的なものだったとか。


 メリア王女は全員で生き残るために何をすべきかを一行に相談したところ、

『まずはしっかり睡眠を取って、翌朝じっくり話し合いましょう』と実質的なリーダーの騎士が宣言してその場ではそれぞれの寝室に戻ったのだとか。


 翌朝になっても誰も出てこないのでおかしいと思ったら…自分の荷物を含めてすべての荷物と共に全員がいなくなっていたのだとか!


 騎士たちの部屋には殴り書きのメモが置いてあり、『裏切り者の王室の関係者とは一緒に行動はしない。殺さないだけでも温情と思え!』と書いてあったそうだ。


 お金を含め、ほぼ全ての持ち物を無くして宿屋にもいられなくなり、また“魔王軍に実質寝返った王室”の関係者である自分がギルドやワイズ王室関連にうかつに名乗りを挙げた場合どうなるかわからなくて、下町で野宿してしのいでいたのだとか。


 先ほどは追手と思しき強そうな魔族が襲ってきたため、最後の護りとしてとっておいた“爆発魔法が込められた護符”を叩きつけたのだという。


 「それは本当にぎりぎりでしたね。」

 「そうです!カレンさんたちが来られなかったら死んでいました。

 本当にありがとうございます。」


 私の言葉にメリア王女が頭を下げる。


 「そして、私“仮面の騎士”と“勇者カレン”とメリア王女が合流したのは魔王軍が確認したのですから、しばらくはメリア王女の身は安全になると思います。

 それでもこれからメリア王女にはどうすれば安全に過ごしていただくかを一緒に考えないといけませんが…。」


 「待ってください!クリス王子!13魔将と思しき敵はカレンさんが切り捨てたと…。」


 「メリア王女。残念ですが、私が切り捨てた13魔将と同じくらいの猛者と思しきかすかな気配があの場から遠ざかるのを感じたのです。

 もう少し早く気付いていたら、なんとか切り捨てられたかもしれないのですが…。」

 「やはり華蓮さんも気付いておられたのですね。

 しかし、我々がメリア王女と合流したと認識したことで、魔王軍は我々を最大の標的と認識して、全力で潰しにかかるだろう。 

 まあ、その前に情報を収集しようとするはずだけど…。」


 言いながらクリス王子がしばし考える。


 「よし、私と華蓮さんでゲストランド王城を襲撃し、上位魔族たちを一掃してしまいましょう!」


 「ちょっとクリス!!一体何を言い出しているのよ?!!」

 「む、無謀すぎます!!」


 クリス王子の過激な発言にエリザベス嬢とメリア王女が仰天しているが…。


 『よし、乗った!!相手が想定していないうちに、とっとと潰してしまおう!!

 “攻撃は最大の防御”は我々界隈では常識だからね♪』


 ジニーさんが嬉々としてクリス王子の提案に乗っちゃったよ?!


 これはもう、明日にでも殴り込みをかける勢いだよね?!


(続く)

いつもお読みいただいてありがとうございます。


しばらくはぼちぼち更新することになりそうです。

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