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ゲーミングチェア探偵がビームで犯人を破壊するまで@2,677,500と900秒  作者: あおいしろくま
第四章_探偵がビームで彼女誘拐犯○○を破壊するまで、あと900秒
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第44話「ちびっ子の武器」

 ユウは二挺の銃を構えた。カンイチも斧を手に取る。

 カンイチのデッキは大会の時から変わらない。


「全力で勝ちに行くだけだ」


 これまでの布教と決闘から学んだこと。

それはベストを尽くすことが面白い決闘へつながること。

今のカンイチには、大会で優勝したという自信もある。

斧の柄を強く握った。


対するユウも自信ありげな表情で、顔をやや横方向に背けている。

それは、油断か、実力か。

間もなく、最初の手札がやってきて、決闘が始まった。


一ターン目。


「の、前に、【アセンブル】を宣言するよ」

「え? まだ準備フェイズも始まってないけど?」

「そういう効果なの。もっとお勉強しなきゃ」


 戸惑うカンイチへ、ユウは小馬鹿にしたように笑う。


「【アセンブル】はクロスレンジモデルの銃の固有能力だよ。ゲーム開始時に手札の【オプショナルパーツ】を銃にセットできるの。ボクは≪ムーンクリップマガジン≫をセットするよ」


 ユウの銃にパーツが追加され、同時に、手札が一気に四枚増加する。セットした分を惹いても、単純に三枚も増えている。


「さぁ、1ターン目を始めるよ」


まさかこの時点で差がつくとは思いもしなかったが、それでも、予定していた動きを変えることはできない。

カンイチはいつも通り、静観を選択した。

実際、デッキの中に、1ターン目から有効なカードはほとんど入っていない。一度様子を窺うことは、次ターン以降の爆発力を高めるためにも必要な手順でもあった。

早々に準備フェイズを終えたカンイチと同様に、ユウもすぐに準備を終えた。


『オープン』

『デュエル!』


 カンイチの場は空。

 対するユウは一枚。

 使用されたカードは≪バレットリロード≫。銃に弾丸を込める技だ。

大会の準決勝で、メイドも同じ技を使っていた。

しかし、あのメイドより強いという言葉は誇大ではなさそうだとも感じていた。

銃は弾を込めるカードによって、大量の攻撃札を手に入れることができる。弾丸一つ一つのダメージはそこまで大きくないが、ダメージを軽減しづらく、すさまじい手数を実現できる武器だ。

その代わり、弾を込めるカードを使用するタイミングがどうしても隙になる。メイドが相手の時は、そこをついて勝つことができた。

ただ、様子見の間にここまで大量の弾を補充されてしまうのはまずい。1ターン目にして、弾切れの隙を狙う戦術が難しくなってしまった。

カンイチはユウの小さな体から、確かな圧を感じていた。


2ターン目。


ダメージこそ受けなかったものの、苦しさを感じていたカンイチは、手札1枚を伏せた。

ここでもう1ターン待つという選択肢もあった。

しかし、ユウの圧力がそれを許さなかった。

ここでさらに出遅れたら、もう追いつけなくなってしまうのではないか。

そんな焦燥感が伏せ札に込められていた。


『オープン』

『デュエル!』


 ユウのセットカードはやはり2枚。

メイドと同様に、最大限まで動いてくる。それがあの武器の戦い方なのだろう。

しかし、それは、裏を返すと、ガードを強く使いづらいということでもある。


「だからこれは入る」


 ユウが銃へさらにオプションを付けている間に、カンイチは斧を手に接近する。


「ハッ!」


 さらに弾丸を準備していたユウへ、斧を一閃。

 ガードされることはなく、大きな刃が小さな体を捉える。

 しかし、思っていたよりも手応えが浅い。


「お兄ちゃんはそれで終わり?」


 最初にダメージを入れたのはカンイチの方だ。

 それなのに、まるで有利になっている気がしない。

 ユウは堂々と仁王立ちで笑っていた。


「何も変わってないね。負けるよ、お兄ちゃん」


 カンイチはギリリと歯を食いしばった。

 それは、このちびっ子の言葉を正面から跳ね返せるほどの自信を持てていない証だった。



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