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僕(俺)が従魔になるまで  作者: 月猫 美月
20/22

僕の第2の人生

ラスティ目線です

僕が目が覚めた時、夕暮れの墓地にいた。


正直、兄上が言っていたように棺の中で目覚めなくて良かった。

僕は希望どうり20歳くらいの姿になっていた。


ウィルが僕の顔をじっと見つめていた。

何か言いたそうな顔だったから起き上がり少し待ってみたけど、言い出す気配がないので僕が夢の話を切り出した。

ウィルは静かに耳を傾けていたけど、逆に兄上の顔が驚きに彩られていく。


「その夢、俺も見た!」

「え?」


その瞬間に夢で見たような情景が見えた。夢の時とは少し違う部分もあったけど。

多分これは兄上の見た夢だ!

兄上も僕の見た夢の情景を見ているんだろう。

右手で目を覆ってしゃがみこんでいた。


それがおさまると僕と兄上は揃ってウィルを見た。


「全部前世の記憶だよ」


言ったのはもう1人のウィル。


「何で途中から違うんだ?」


「理由までは分からないけど途中で魂が二つに別れて、それぞれが転生してしてたんだ」


「じゃ、俺達がエルデン国を造ったアズベルトだったてのも間違いないってことか!」


僕と兄上は顔を見合わせた。

声にしたせいか自分がそうだったという実感が湧いてくる。

同時に全ての記憶が一気に押し寄せてくる。

頭痛と目眩が激しい。


「流石に人間の脳で全ての記憶を処理するのは無理だな」


もう1人のウィルが僕と兄上の頭に手を置くと大分治まってきた。


「アズベルトの記憶の一部と今のお前達の記憶だけを残した」


アズベルトの記憶を思い起こしてみると僕がウィルと初めて出会った辺りからあった。

そこから全てではないけど、ちょこちょこ色んな思い出が浮かぶ。


本当に僕達はウィルの協力を得て最初の国づくりをしたんだなぁー。


そして僕はあの断罪の日を思い出した。


『僕が五つの世界を創った』


確か、マリア嬢にそう言っていた気がする。

あの話を信じるなら世界統一どころか創造主じゃないか!


本来一つの魂だったことを思い出したせいか、強く思ったことが兄上に伝わるようで顔が更に驚愕してゆく。

もしかしてテレパシーみたいなのも使えるのかな?

あとで試してみよう。


「僕、アズベルトが死ぬ前に聞いたんだ。次に生まれ変わった時にも僕といてくれるかって。そしたら次は平凡に生きたいなって。それって僕といると平凡な生活ができないって言われたんだよね?」


ウィルは確認を取るように僕と兄上を交互に見た。


僕は思い出せるか分からない記憶を必死に思い出そうと腕を組んで唸った。

兄上も同じように唸っている。


「「そういう意味じゃなくて、建国なんてもうこりごりだから、次はのんびりとウィルと過ごしたいなって意味合いで!」」


何とかそれっぽい記憶を思い出し、二人シンクロしつつ言葉を紡ぐ。


もう、昔の僕(俺)!何分かりづらい言い方してる(んだ)の!


それにしても気になるのはウィルの性格の違い。

アズベルトとして会ったウィルは笑っていたけど、人間味のないどこか一線をひいたような感じだった。

もう1人のウィルのように。

でも今のウィルは何だか幼くて寂しがり屋な感じで、僕の双子として生まれてきた時よりもずっとずっと幼い。

記憶を持ったまま転生を繰り返し続けた歪みか何かだろうか?

それとも兄上が子供扱いし過ぎたからだろうか?

そう言えば、もう1人のウィルが魂の劣化がどうとかって言っていた気が……。


「それに、昔の俺に関係無く一緒にいたいって思ったんだから今の俺を信じてくれ」


兄上はウィルの傍らに傅いて頭を撫でた。

すっかり溺愛系の父親だな

僕も溺愛系の叔父を目指してみるか?


僕は兄上から攫うようにウィルを抱き上げギュッと抱きしめてみた。


うん、柔らかい


これぐらいの時は男も女も抱き心地は変わらないと思っていたけど、やっぱり違うな。


息子や孫達の抱き心地を思い出しながら思った。

考えてみたら子供は息子しかいなかったし、孫達も男ばかり。

小さな女の子を抱きしめるのは妹が小さい時以来だな。

まあ、あの時は僕も小さな子供だったから比較にならないけどさ。


「僕もウィルとずっと一緒にいたいぐらい大好きだよ」


あやす様に背中をポンポンと叩いた。


「逆にウィルは僕達といたくないの?」


じっとウィルの瞳をのぞき込んだ。

酷く虚ろな目をしている。


「何だか最近、よく分からなくなるんだ」


酷く不安定で今にもきえてしまいそうで不安になる。

兄上を見ると同じようなことを思っているらしい。


「確か魂が劣化してるって言ってたよね?」


僕はもう1人のウィルを見た。


「俺たちの魔力に耐えられる人間の体なんてそうそう無いのに無理やり収めていたからな。本来なら体の方に影響が出るんだが何回も繰り返しているうちに本体の方に影響が出たんだろう。恐らく合うように圧縮し続けたのが原因だと思う」


「治す方法はあるの?」


「1度体から出して僕達と融合させてからまた分離して圧縮してから体に戻すことになる。その場合、今のこいつとは異なる部分がでてくる可能性があるな。俺達から見れば些細な誤差だが……」


もう1人のウィルには肉体があるように見えるけど完全なエネルギー体なんだって。


触れると温かいし、感触もあるのに不思議だ。


「人間の体は必要なのか?」


また圧縮するならば結局は同じことになるんじゃないかと兄上は危惧しているんだろう。


「存在するだけなら必要は無いだろうが、こいつの場合は肉体があることで今のこいつが形成されているから、多分、人間味はだいぶ薄れると思う。つまりはお前たちを必要とは思わない可能性がある」


それって……。

ウィルと楽しく旅っていうのは無理ってことだよね。

それに……。


「それに性別も男で成人した姿になると思うから愛でるのもできなくなるだろうな」


僕の危惧?をもう1人のウィルが言い当てた。


愛でられなくなるのは嫌だけど、ウィルが壊れていくのも嫌だ。


「それをすることは現時点で可能なのか?」


「こいつの同意があれば可能だな」


ウィルは今にも寝てしまいそうだ。

下がってくる瞼を開けようとしているけど直ぐに閉じていく。


「今回の肉体ならば少し弄れば圧縮率も半分ぐらいですむかもね」


それでも半分てことは普段の圧縮率ってどれくらいなのか…………。


「まあ、今回は短期間に何度も生まれ変わって圧縮するわけじゃないから、そうそう劣化しないと思う。データーが無いから僕でも分からないよ」


神様的存在でも分からないことあるんだね。


ところでデーターって何?


「ここじゃなんだし移動するか」


兄上の言葉に頷いてみるけど、どこに行くのが良いだろうか?


宿屋?


「俺はともかく、お前はお前の孫か何かに間違えられると面倒だから森の遺跡に行く予定なんだ」


確かに僕の孫には僕に似た子いたね。


「分かった」


「じゃ、転移するから僕の傍によって」


もう1人のウィルに従って傍によると一瞬浮遊感があって目の前の光景が一変した。




あと2話ぐらいで終わりかな?

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