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バリウムに恐怖を感じる私は、鼻からの胃カメラが好きです

作者: 水有大豆

よろしくお願い致します。

 胃検診はレントゲンがデフォルトですが、バリウムに恐怖を感じる私は胃カメラを選択します。なぜバリウムが怖いか…………、バリウムが胃腸で固まって死んでしまうと言うトラウマがあるからです。

 それは、幼いころからずっと祖父がバリウムのせいで死んだと聞かされてきたからです。新米の医師が、病気で寝込んでいる祖父に無理やりバリウムを飲ませて、それが原因で祖父が死んでしまったという恨み節です。ン十年にわたって聞かされてきたら、そりゃあバリウムが怖いです。本当にバリウムが悪かったのかもわからないのですが、たぶん母たちはそこに恨みを持たないと釈然としなかったのだと思います。どうしてもバリウムを飲まなければいけないときは、下剤を倍以上貰います。それでも怖い。出来たら飲みたくない。通常の胃カメラは吐き気が強くて鎮静剤を打ってもらわないとできない。でも、寝ている間の検査はなんとなく気持ちが悪いし、鎮静剤が切れなくて何時間もふらふらしているのはあまり気分のいいものではありません。

 そこで、CMでもおなじみの鼻からの内視鏡を数年前からやっています。いや~~~、らくちんです。


 まず、病院から渡される各種同意書にサイン。ポリープなどがあったら病理検査も申し込みますにもサイン。それを書かないとやってくれません。

 気管支喘息持ちの私は、胃の動きを押さえる注射を打てないのですがそれが無くても大丈夫。まず、胃の中の泡を消す薬を飲みます。それが効く間に、鼻の粘膜の張れを取る薬を鼻の中に噴霧。少し刺激がありますけど、アレルギー性鼻炎で万年鼻詰まりの私は鼻が通るようになるので気持ちがいいです。既定の時間が過ぎると、鼻に麻酔薬の注入です。看護師さんから、歯医者さんの麻酔で気分が悪くなったことはありませんか?と聞かれるので、同じ系統の麻酔薬なんでしょう。喉にきたらごっくんと飲んでくださいねと言われるので、素直に飲みます。すると喉まで麻酔が効いてきます。喉に麻酔がかかっても、息ができなくなったり、喋れなくなったりしないので大丈夫です。変な感じ~、くらいです。

 十分に麻酔が効いたことがわかったら、麻酔薬の混ざったジェルをたっぷりと塗った、内視鏡と同じ太さのチューブが鼻に入れられます。両方の鼻の穴に入れられて、通りの良い方にカメラが入ることになります。私の右の鼻は曲がっているらしく、チューブを入れるとかなりきつくて痛いので、圧迫感はあっても比較的楽な左の鼻を使います。しばしチューブを鼻に刺した情けない姿でベッドに横になります。


 順番が来て、いざ検査室へ。専門の先生がハンドルのような物を持って待機しています。長いゴムエプロンをしているってことは、思いっきり吐き出しちゃう人もいるんでしょう。ご苦労様です。

 チューブを抜かれて、いざ内視鏡が私の鼻の中に。内視鏡の映像は大型のモニターに映っているので、それを見ることになります。鼻からの内視鏡の前に、鼻毛の処理はしっかりしていきましょう。カメラの精度が高いので、ドアップで鼻毛が見えるのです。鼻の中はボーボーの草むらです。看護師さんたちにも見られるので、くれぐれもご注意を。看護師さんたちは慣れていて、気にもしないでしょうが、見られる本人がすごく気にします。


 ずりずりとチューブが鼻の奥に入って言って、喉に達します。「ごっくんしてくださいね~」っていわれるので、頑張ってごっくんします。すると、内視鏡は喉を通り越えて食道に入っていきます。最近、胃液が昇ってくることもあるので「逆流性食道炎」じゃないかしらと思って質問したのですが、「まったく大丈夫ですよ。きれいですね~」と、褒められました。内視鏡が入っていても、会話は出来るのでガンガン質問していきます。自分の手術だろうが、胃の中だろうが全く普通に見ることが出来るタイプなので、気持ち悪いとは思いません。好奇心が勝つタイプです。

「ここから胃ですよ~」と、言われるのでモニターをガン見。最初はあわあわでよくわかりません。「これから見やすいように、胃に空気を入れて膨らませて、泡も抜くからね~」と、先生がハンドルをずこずこ、しゅこしゅこと操作します。じょじょじょーーーと、音を立てて泡が抜けていくと、あらピンクの胃の粘膜が。先生が体をひねったり、そっくり返したりと胃の中がよく見えるようにアクロバチックな動きで内視鏡を操作します。「胃炎の後があるねー、この白い部分だよ。もう治ってるけどねー」やはり胃炎の形跡がありました。ストレスで胃炎になったのかな。私って繊細じゃん。とか、思ったり。でも、もう治ってるから大丈夫、大丈夫。それ以外は、ポリープも潰瘍もなし。胃カメラで十二指腸まで確認してもらって、十二指腸潰瘍もなし。胃には問題なしで、診察が終了。

「最後に、胃に入れた空気を抜くからね~~」と、ぷしゅーっと空気が抜かれれます。その後は、来た道を帰って行きます。なので、また鼻毛のドアップを見る羽目になります。

 内視鏡が抜かれた後は、麻酔が切れるまで変な感じですが、何事もなく検査は終了。鼻水が垂れるので、しばらくはティッシュを手放せないですが、先生の腕が良ければ鼻血も出ません。これは、先生の腕に寄るのですが、いつかやってくれた先生はもう鼻血がすごくて、胃の中が鮮血で染まってしまったこともありました。胃の出血かと思ってビビっていたら「これは鼻血で、胃からの出血じゃないから安心してくださいね」と、慌てて説明されました。

 鼻からの内視鏡で一番いいところは、検査中に会話ができることじゃないでしょうか。気になることは、きちんと質問する。口からの胃カメラではそれは無理ですから。

 ティッシュを抱えながら出ようとすると、「胃に入れた空気は抜いたけど、おならがすごく出るからね~。いっぱいだしてね~」と、ニコニコしながら声を掛けられます。確かに、数時間ぷっぷとおならばかりしてましたね。

 バリウム怖い、胃カメラ怖い。でも、胃の調子が悪いと言う方は鼻からの内視鏡も選択肢の一つとして考えてもいいのではないでしょうか。健康診断だと、追加料金を取られますが安心料の一つと思っています。


 鼻からの内視鏡も怖いものではないですよ~と、何かの参考になればと思って書いてみました。

 麻酔薬なども使うので、体質によって会わない人もいると思います。よく先生と相談をしてからにしてくださいね。

 最後に私から、内視鏡メーカーの人にお願い。あと2mm内視鏡の直径を小さくしてください!!あなたなら、それができる!きっとそれが出来るから、お願いします。




読んでいただき、ありがとうございました。


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― 新着の感想 ―
[良い点]  ほほう、鼻から胃カメラ。今だと選択肢としてアリになっているのですね。  バリウム(と下剤による強制排出)は私も嫌いなもので、こういった体験談と情報紹介は大変助かります。  どうもありがと…
[一言] 胃カメラは昔口から飲んだことがありましたが、現在では花から入れられるくらいなのでだいぶ細くはなったようですね。 うん、あれはきつかった。
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