幕間2:ナーグリア王国
大陸北部に在するナーグリア王国。その玉座の間では現在、報告が行われていた。
「軍備、警戒ともに問題なしであります。」
「通商、治安ともに問題なし。」
それぞれ役職を持つ人物たちが報告を行っていく。静かに淡々と行われていく中、突如大きな音が玉座の間をかき鳴らす。
「失礼いたします!火急の要件にて、この場は許されよ」
その人物はこの国の摂政だった男。現国王が幼少の間、模範ある貴族としてこの国を支え続けてきた由緒ある血筋の者である。その名をバールデン=エイターといった。
「おぉ、バールデンか、如何様した?」
「王よ!守護竜様の聖山にて、邪龍の出現の可能性があります!!」
「なんだと!?証拠はあるのか!?」
「ナグラーシャに出している間者の言ではメルディウス王が聖山へ向けなにか行動を起こしていると…」
その発言を受け、周りの騎士、文官その全てが騒ぎ出す。
「その邪龍、ナグラーシャの刺客の可能性は?」
「大いにありえます!」
ナーグリア王国の王であるサーナ=トゥル=キリュエイドは一瞬だけ目を瞑る。わずか数秒で考えを纏め触れを出す。
「騎士団は集結し、聖山へ進撃せよ。我らが聖域を蛮竜どもから守るのだ!」
「「「 はっ!!! 」」」
事態は急速に進展していく。
◆ナーグリア王国
人族が治める国。守護竜を神とし、神竜国家ナグラーシャと冷戦中。
守護竜は聖山と呼ばれる山に生息し、ナーグリアを守護すると言われている。