女の子を助けた
「大丈夫か!?おい!どうした!?」
小さな女の子だ。身体中がボロボロで、指が無くなってたり、歯が取れてたりする。服も、もうボロ切れになっている。
「と、とりあえず、えっと、ハイヒール!キュア!えっと、えっと、リザレク…ションは使えない、とにかく、えっと、ヒール、ほかなんかあるっけ?えっと……」
「もう、大丈夫ですわよ、ニンゲン。ありがとう。」
っと、女の子が起き上がった。
「まって、まだ動いちゃダメだ。血とか足りないかもしれないし。また倒れるかも。」
「確かに血は足りない…ああ、ニンゲンの言うところのソレとは違いますわね。ええ、それも大丈夫でしてよ?」
女の子はそういい、立ち上がる。
見えるところは全部見えてるけど、10歳ぐらいだからそれはどうでもいい。後で服買ってあげよう。
「私は吸血鬼の真祖、ソニア・ソリシア・ヴァン……ああ、長いですわよね。ソニアで宜しくてよ。ニンゲンの名は?」
ソニアさんは吸血鬼だそうだ。軽くウェーブした短めの金髪、赤い目。上品さが雰囲気に出ている。
真祖って、一番凄いやつじゃないのかな?
「ああ、俺は…ユウスケだ。とりあえずよろしく、ソニア。」
「ええ、よろしくお願いしますわね。」
ソニアの話では、純粋な吸血鬼には寿命が無いが老いはあって、老いた吸血鬼は魔力の繭の中で新しい体に作り変えるらしい。
新しい体はだいたい人間でいうところの10歳ぐらいのサイズになって、戦闘力とかは格段に落ちる。
で、繭から出たタイミングでオーガやらなんやらに叩かれて、命からがら逃げてきたそうな。
全盛期というか、吸血鬼としての強さを取り戻すには、サイズにして人間の成人ぐらいまで育たなければいけないらしく、それには少なくとも100年はかかるそうだ。
成人するまでは人間のような姿形なので、人間に紛れて暮らすのが基本らしい。食生活も人間と同じでいいそう。
成人すると翼が生えたり、牙が伸びたりする。
つまるところ、今はちょっと力が強めな人間みたいなものだそうだ。
「で、頼みがあるんですの。お金なら私の住んでた洞穴に沢山ありますから、それを用いて人里で暮らせるように支度して欲しいのですわ。」
つまり、金は出すから家とかなんとかしろということかね。
「俺も住んでいいなら、家とか買ってもいいけど。」
「淑女と一つ屋根の下を希望するのですね、見た目よりも良い男ですのね。」
ああいや、ガキには興味ないけど…
「前に人里にいた頃と同じ価値なら、貴族が1ヶ月毎日パーティを開けるぐらいの宝がありますわ。好きなだけ持って行ってくださいまし。」
好きなだけと言われてもなぁ。
とりあえずアマソンで服を買って着させた。特殊な能力だと言って。
秘密は守って貰いたいけど。
「女神に誓って、秘密は厳守しますわよ。」
女神様、お手数おかけします。
病み上がり?だからゼリー系のエネルギー飯を食べさせて、ソニアが住んでたという洞穴に向かう。
森の深くだそうだけど、大丈夫かなぁ…
ロリババア