ワイバーン
『ギェアァァァァァァ!!』
え、すげえ吼えてる!ワイバーンとかやべえじゃん。どっかに隠れて…もう見つかってるし。どうしよ、どう……落ち着け、冷静に…
「ソニア、ワイバーンの攻撃方法と弱点は!?」
「攻撃は尻尾の鋸と爪と牙ですわ。弱点は翼膜とおなかですの。」
「夏美ちゃん、最大威力のストーンバレットお願い!テレシアとシンヤさんは夏美ちゃんの護衛!ソニアはヴァンに乗ってワイバーンの気を引いて!」
で、俺はみんなにホーリーシールドを掛けて、あとは状況次第で回復役か。夏美ちゃんの横に居よう。
ホーリーシールドは、かけられた人の頭上を漂う聖なるシールドを生成するものだ。ある程度の速さの攻撃までは自動で防御してくれるので、雑魚狩りには便利。あまり耐久はないが。今回はワイバーンの攻撃力が高いはずなので、気休め程度だ。10の威力が9か8に下がるぐらいか。
「1分待ってね!」
「これ終わったらぁ、お昼ご飯ですよぉ」
「俺のゴーレムが3体もいるんだ、問題ないだろ」
ソニアとヴァンは返事をするまえに爆速で谷をかけていた。なんだかんだで一番強いのはソニアだから。女の子に前衛させるのはあんまり好きじゃないけど、実力があるから頼ってしまう。
ヴァンが逃げ回り、捕らえられないワイバーンが激昂する。吠える時には動きを止めるんだな。
「いまだ、夏美ちゃん!」
「おなかに大穴あけちゃうよ!ストーンバレット!」
高速回転する鋭い石が、ワイバーン目掛けてぶっとぶ。見事、腹のど真ん中に命中。
直後にワイバーンの悲鳴が響き渡る。痛みに耐えかね、落下してきた。
「ゴーレム、取り押さえろ!」
シンヤさんのゴーレムがワイバーンにのしかかる。単純な重量が強い。
ワイバーンは激しくのたうちまわり、奇声を撒き散らし、数分間もがいたのちに動かなくなった。
「…倒した、か。」
スマホに収納できるか試してみる。…問題なく収納できた。倒したのか。
「あー…異世界きたらドラゴン倒したいとか言ってたけど、これじゃ無理ねぇ」
「夏美ちゃん、ドラゴンはテイムするもんだろ…無理だろうけど」
いやあ、怖かった。飛んでる敵は怖いね。今回は装甲が薄かったからいいけど、厚かったら夏美ちゃんの技がほとんど効かないからなあ。
地上ならゴーレムもテレシアも装甲をブチ破って倒せるけど、空中は厳しいな。なにか解決法ないか。腕輪の魔法を空の敵用にしても良いんだけどな、万が一が怖いからな…
「ふぅ。あれぐらいなら1人でも倒せるのですけれど、傷を少なくしたほうが高く売れますのよね」
え、ソニアそんな強いのか…?
そういえば、ドラゴンの次に強いって言ってたような。ていうかソニアがやると傷だらけにしてしまうみたいな言い方だな。
「ソニアってそんな強いのか?」
「黒龍の横っ腹を引きちぎれる程度には実力はありますのよ?」
そういえばそんな話も聞いたな。黒龍がどれだけ強いのかしらんが、炎龍の尻尾の200グラムぐらいの肉が10白金貨するぐらいだし、龍種はとんでもないのだろう。
まぁ、倒せたしいいだろう。ワイバーンより強いのが来たら、その時はソニアに頼ろう。
さて、昼飯にするかな。
「ここで昼飯に…て、準備早えな。なに食いたい?」
もうレジャーシートと座布団敷いて机置いてる。座敷スタイルだ。
「晩御飯はハンバーグ作る予定だから、それ以外でお願いね?」
「まぐろ食べたいですぅ」
「ウニが食いたいな。酒は…仕事中だし、控えるか。」
うーん、海鮮丼…?困った時に丼に頼るのやめたほうが良いのではないか。じゃあなにができるか。
マグロもウニも焼いたらいいんじゃない?海鮮バーベキューだ!匂いで魔物が寄ってくるかも?実は俺の魔法、サンクチュアリフィールドで中の空気を外に漏らさないようにできるのだ。酸欠が心配だから、上の方だけちょっと穴あけとこ。
大きめのマグロブロック、殻付きウニ、ホタテ、サザエ、イカ、タコ、エビ、サーモン、牡蠣も焼くか。
サーモンはホイル焼きにするから、しめじも購入。
ウニ、サザエは醤油垂らしてつぼ焼き。ホタテはバター醤油と、白ワインとオリーブオイルのイタリアン風にしよう。牡蠣は醤油もバター醤油もいいな。イカ、タコ、エビは串焼きで、塩と醤油でいいだろ。
レジャーシートの隣にバーベキューコンロをおいて炭をおこし、具材を並べていく。いつも通り、俺がみんなの分を焼いて、俺は合間につまむ。焼肉行った時もそうなんだけど、網の上は俺が全部仕切らないと気が済まない。焼き加減には口出ししてくれていいけど、手は出さないでほしい。
次々と焼いていき、次々と消費されていく。5人分になると結構大変だな。
俺としては、牡蠣のオイル焼きが美味かった。オリーブオイルとバジルで殻ごと焼いたやつ。テレシアはひたすらマグロステーキ食ってたし、夏美ちゃんはサザエはじめて食ったそうでくるくる回して引っこ抜くのにハマってた。ソニアは満遍なく食ってたけど、ホタテの醤油バター焼きを多めに食ってたかな。シンヤさんはウニ食い過ぎね。痛風なるよほんとに。ヴァンはマグロよりサーモン派みたい。俺もサーモン派だよ。
和やかな食事が終わり、満足な表情のみんな。もうワイバーンのこと忘れてるんじゃねぇか?
この谷にワイバーンの存在は確認されていなかったはずだ。このことはギルドに報告しないといけない。あと、はやくここを離れたい。勝てるとしてもワイバーン怖いわ。
「休憩終わったら町に戻るぞ!」
「あ、チーズケーキもうひとつお願いしますわ」
あーはいはい、じゃあ俺もプリンもう1個食べよ。
ユウスケ:回復
ソニア:遊撃、斥候
夏美:後衛狙撃
テレシア:前衛攻撃
シンヤ:ゴーレムが前後衛盾
ヴァン:遊撃
対多数は比較的苦手




