女神様のお礼
「教会から手紙だ?」
寒さがおさまり、暖かい風が吹き始めた大寒波開けの季節、春。
釣りをした日から数日、真面目に働いていたある日、いくつかの手紙の中に教会からの招待状が届いた。
「女神様関連、かね」
教会には確かにお布施もしてるし、系列の孤児院にもよく通ってる。
だが、教会関係者が俺を呼ぶ理由はないはずだ。なら、女神様が呼んでるってことかな。
まあ、行けばわかるさ。今日は1人で行こう。
「では、祝福の部屋へどうぞ。」
教会で神父さんに案内され、奥の部屋に入る。中央に寝台があるので、寝転ぶ。
意識が薄れていき、気がつけば真っ白な世界…ではなく、女の子の部屋、と呼ぶべき個室にいた。
少女的ではなく、所々に女性らしさのある、綺麗な部屋。中央にはテーブル、椅子がある。
そこにはもちろん、女神様が座っている。
いつもより、心なしか綺麗な気がする。
「やっほ、ユウスケくん。来てくれたんだね!」
「女神様のお呼びとあらば。」
「かっこつけなくていいよ、普通にして普通に」
普通にって言われてもな。女神様だしなぁ。
「じゃ、ちょっとだけお話しよう!最近あったこととか、面白そうな事教えて欲しいな!」
バーベキューパーティをしたこと、釣りをしたことなどを話していると、本題に入った。
「その釣りの事ね。ダイヤモンドサーモンを釣ったんでしょ?」
「あ、お供えしたんですけど、あれってちゃんと女神様のとこに送られてるんですか?」
「ええ、ええ。もちろんよ。でね、そのダイヤモンドサーモンのお礼をしたくて!あれってね、最近は王族へ贈る習慣ができてさー、なかなかこっちにまわってこないのよ。何百年ぶりかしらね?実は私、サーモン大好きなの!そもそもナマモノをお供えする人が少なくて、ゴールデンサーモンですら何年も見てないし!それでね、ダイヤモンドサーモンなんて、王族に目を掛けてもらえるほどの品を贈ってくれたユウスケくん達に、なにかお礼をしたいなーって思ったの。先輩にもお裾分けして、先輩もお礼言ってたから、幾つかの候補から選んでもらおうと思うんだ。」
つまり、なにかくれると、いうことかな?
何かと言ってもなぁ、俺にはチートがあるし、夏美ちゃんもいるし、これ以上となると…欲しいものが思いつかないなぁ。
「くれるというならいただきますけど…あんまり必要なもの、ないですよ?」
「まあまあ、候補を見てくれたら気が変わるから!」
いくつか候補を見せられた。
騎乗魔獣セイントタイガー、騎乗魔獣マッハタートル、騎乗魔獣セイントイーグル、騎乗魔獣リュウモドキ、戦闘魔獣スカイマウンテンゴリラ、戦闘魔獣クローククロコダイル、戦闘魔獣イザナイクラゲ。
聖剣クウハク、聖剣サイセン、聖槍チリチリ、聖槍グングンニル、聖弓スターレイン、聖弓マスターメテオ、聖棍インパクトボンバー、聖棍バクレツ、聖鎧ムテキ、聖鎧トウメイ、聖鎧ヒコウ。
魔力貯蔵腕輪、魔法記憶腕輪、女神の祝福の結婚指輪、女神の祝福のウエディングドレス、女神の祝福のウエディングケーキ………
「女神様、このウエディングシリーズはなんです?」
「んー、夏美ちゃんたちと結婚するなら、王都の神殿で式をあげてね?」
「…まだその予定はないです。」
で、ほかには雑多な…雑多といっても、性能はとんでもないんだけど。
気になったのは、マッハタートル、セイントイーグル、スカイマウンテンゴリラ、聖弓両方、聖鎧ムテキ、魔法記憶腕輪。と、女神の祝福のウエディングケーキ。
マッハタートルは名前のまんま、速すぎる亀だそうだ。ストーンタートルより一回り大きく、且つ非常に頑丈。平べったいので、4人なら乗れるそうだ。
セイントイーグルは2人乗りの鷹。風の魔法を自在に操り、乗ってる人に負担をかけずに飛行できるそうだ。
スカイマウンテンゴリラはゴリラだ。頭が良く、会話ができない以外は非常に頼もしいゴリラ。武器や鎧も使いこなすので、もはや兵器だ。
聖弓は、スターレインのほうは魔力を打ち出せる弓で、飛距離は数キロと非常に長い。もはやスナイパーライフルだ。マスターメテオは、山なりに打つと、落下してきた矢が爆発属性になり、非常に強力なんだそうだ。うちには要らないかな…
聖鎧ムテキは、鎧のあるところは魔法無効、物理攻撃は弾き、歩く要塞と化せる鎧だ。ただ、重い。ひたすら重い。うちならテレシアが着れるかな?装飾は控えめだけど微妙に発光してるので、夜間の使用は不利かな。
魔法記憶腕輪は、最初に記憶させた魔法をいつでも使えるようにする腕輪だ。
王族が強力な回復魔法を記憶させて持っていることが多いらしい。つまり王族が持つようなものか。ほしいな。
女神の祝福のウエディングケーキは、それを共に食べたカップルは絶対に切れない縁で結ばれる、そうだ。結婚式で祝う側のカップルにも適応される。要らんなこれは。
うーん、ゴリラと鎧と腕輪かな。
この3つのうちのどれかだな。鎧があればテレシアが怪我をすることが減る、ゴリラは戦力が1人増える、腕輪に強力な攻撃魔法を覚えさせれば俺が火力になれるか、仲間も回復魔法が使える。
ゴリラは面白そうだから気になるだけだし、真面目に考えるとそんなに要らないか。いや、気になる。…いいや、そのうち見つけよう。
うーん、どっちか悩むな。
「あ、それと、新しく転生者を呼ぶから、そっち先見る?」
「え、それ先に言ってくださいよ!」
「てへぺろっ?」
「可愛いから許しちゃう!くそ、可愛いは正義!」
女神様は正義。異論を唱えたやつは異端審問にかけてやる。輪廻に還れ。
「んじゃ、呼ぶね!」
あ、今回は選ぶんじゃないんだ。
どんな人がくるのかな。女の子かな、男の子かな?
ああ、楽しみだ。




