ゴスロリ可愛い女神様
朝ごはんはケーキ。
ソニアはイチゴのチーズケーキ、俺はフォンダンショコラ。
結構多かったから、昼飯はいらないかな。
「神殿は、王城の北側だったよな」
「あの王城の向こう側ですのね。それにしても、壮大ですわね…」
王城は、一言で言うと、デカい。
もはや要塞のような威容だ。
もちろん、向こう側は一切見えない。
「こんな城に住むのも夢があるなぁ」
「国でもおっ立てますの?」
「そのうちな?」
なんて軽口を言いながら、王都を歩く。
エルフ達がソニアを見てびっくりすることが多いんだが、なにかあるのかな?
「私はエルフの一族の、なんといいましょうか、恩人ですのよ。英雄と言ってもいいかもしれませんわね。」
「みんなソニアのこと知ってるのか?」
「私の魔力が残留した短剣がエルフの総本山にありますから、それを『見てる』のでしょう」
ソニア曰く、エルフは魔力を見ることができるらしい。
魔力は指紋とかと同じで、人によって細かな違いがあるようで。
余談だが、エルフは外見が老いないが魔力の質の老いが見えるので、エルフ同士ではだいたいの年齢がわかるそうだ。
「長生きなだけあって、いろいろ残してるんだな」
「龍種の次に強いといわれてましたもの。力があれば、厄介ごとが舞い込んでくるものですのよ」
龍種がどんなもんかわからんけど、めっちゃ強いんだろうなぁ。
さて、王城を迂回して、もうすぐ神殿だ。
神殿は、確かに見たらわかった。
なんというか、光り輝いていて…
「あれが女神様?」
「らしいですわよ?ああ、お美しゅう女神様…!!」
神殿の屋根の上に聳える像。
女神様の彫刻だそうだが、それがまぁ、可愛い。
「でもなんでゴスロリ…?似合ってるけどさ」
「あの羽衣を御存知ですの?」
「え、ああ…アマソンでも似たの売ってんじゃね?」
「……帰ったら、お願いしますわよ」
まぁ、ソニアなら似合うだろうけど。
こっちではああいう服はないのかな?
「さーて着いたぞー。お邪魔しまーす」
神殿に到着して中に入る。
扉には天使のような彫刻が為されていて、結構重い。
中は教会より広く、真ん中にでっかい石碑が鎮座している。
石碑には教義が刻まれているそうだ。あとで眺めてみよう。
「あの、シグナスさんの紹介状があるんですけど」
受付のような場所にいた女性に話しかける。シスターだ。本物だ。
「あら、シグナス様の…?あの方が目をかけるなんて、貴方、結構敬虔な方なの?」
「あ、いや、まあ、女神様にお世話になってはいますね」
「若いのに偉いわね。…と、紹介状は検めさせていただきました。奥の部屋へどうぞ。」
教会のときと同じように、部屋の奥に通される。
「紹介状によると、神殿での上位祝福の付与、そして孤児たちとの面談、ですね。まずは祝福のほうから済ませましょうか」
祝福とな?
よくわからんが、言われるがままに神殿の二階へ。
「この部屋の中央に寝転んでください。一旦意識を失いますが、目が覚めたら祝福は完了です。ソニア様も、後ほど。」
部屋には魔法陣が描かれて、真ん中にはベッドがある。あれに寝転べばいいんね。
「祝福が終わりましたら、出てきてください。隣の部屋で待機しておりますので。」
「はい。ソニア、またあとでな」
「私も女神様の祝福がいただけるのですね…ああ、女神様…!」
どうやらソニアは女神様が好きなようだ。
ていうか、女神様の祝福?
「まぁいいや、とりあえず終わらそう」
ベッドに横たわり、目を瞑る。
意識が薄れて……
気がついたら、真っ白な世界に俺は立ってた。…立って、いるのだろう。
目の前には豪華なテーブル。
椅子はみっつ。
瞬きをすると、そこには人が二人現れた。
人、ではないと思うけど。
片方は、キリッとした、キャリアウーマンという言葉が似合う美女。
もう片方は。
「やあやあ、ユウスケくんっ。私の世界は楽しんでるかなー?」
神殿の屋根にあった像と同じ姿の、『女神様』本人だ。
自他共に認める可愛さなのでナルシストでも問題ないです




