商売で成り上り?
「ようこそ、命の恩人よ!」
「お出迎えありがとうございます、行き倒れの行商人さん。」
「う、辛辣ですな。今は店を構えた一端の商人ですよ?」
商人さんが店を買った日、内装をいじくりまわしてる所にお邪魔している。
今日は商人さんにアマソンの商品を見せて、店に置いてもらう物を選ぶ。
「昨日の夢で女神様から御告げがありましたよ。ユウスケさんは女神様のお気に入りだから、不利益な事したらダメですよー、ってね。いやぁ、女神様のお気に入りとか、ここ数百年は居なかったでしょう。是非とも肖りたいものですねぇ。」
どうやら俺は女神様に気に入られているらしい。まぁ、選ばれし存在ですからね?
「じゃあ今後とも、良い取引ができるように互いに頑張りましょうね。まずは……」
俺は店の中で簡単に食べられる食料を出していった。
缶詰、菓子パン、ジュース、乾物など。
「これは、出店祝いです。ゴミは纏めて埋めると、翌日には消えるので。」
「おお、これは、食べ物ですかな?こっちは不思議な梱包ですな。これは…ポーションのような色合い。ああ、これは干物ですかな。行商で見たことあります。」
「これは缶詰。ここの栓を引いて、押し上げると開きます。開けなければ数年は持つんで、非常時に持ち出してください。こっちの袋はパンです。適当に開けて、長持ちはしないんではやめにどうぞ。こっちは飲料ですね。なかなかクセになる味ですよ?蓋をこう、回して開けます。乾物はお酒とどうぞ。」
プレゼンの練習も兼ねて、紹介していく。商人さんの顔がガチになってる。
「これらも卸してくれるのですかな?缶詰は冒険者に確実に売れますし、菓子パンは…うん、甘い。砂糖が入ってるから貴族向けか。種類があるから金持ちにはいろいろ用途があるだろうし…飲料…ふむ、不思議な味だ。美味い。この入れ物も、水を運ぶのに良いな。水漏れの心配がない。ふむ…どうですかな、私なら、乾物以外は確実に数倍の値段で売れます。どれだけ、卸していただけるのですかな?」
おうおう、1人でヒートしちゃってるところ悪いけどな、卸すのはそれだけじゃないんだ。
「じゃあ、卸すものを出していきたいんですけど。広めの場所あります?」
「それなら、裏の倉庫でどうでしょう。まだ仕入れてないのでがらんどうですよ。」
とのことなので、店の倉庫にやってきた。
うん、広いけどなにもない。
「ではさっそく、まずは塩、砂糖、唐辛子、山葵や生姜、ニンニク………と、香辛料が以上ですかね。」
「香辛料とはこんなにあるのですか…塩以外は貴族向けになりますかな。いえ、コネはありますし、きっと売れますぞ。それぞれの用途なども後ほど教えていただきたい。」
「ええ、もちろん。で、次がお酒。日本酒、焼酎、ワイン、梅酒、ビール、ウイスキー………こっちは、お金があればあるほどもっと良いのを買えますからね。これは低級品です。」
「エールと火酒以外にもこんなに酒があるのですか。これはドワーフ連中に目をつけられそうですな。いやあ、困った困った。」
とことん嬉しそうだなぁ。ドワーフは良い酒と良い鉄にはいくらでも積む種族だと言われているぐらい、酒と鍛冶のイメージどおりの種族だ。
「次は、缶詰ですね。中身がいろいろあるんですよ。いろいろ出しますね。」
缶詰は安いから片っ端から買ってった。
味が複数あると、やはり冒険者の好みによって売れやすくなるはず。
国の備蓄にもなるかも、と商人さん。
「次は刃物ですかね。これもまたいろいろあるんですよ。」
刃物は、包丁から、武器用に小さなものから大きめのものまで。大きめといっても、ショートソードより小さいが。
一般人の護身用や、シーフやヒーラーの武器などに使えそう。
お、これとかめっちゃかっこいいカタチしてる。マシェットってこんなんだっけ。
ククリとか山賊が持ちそうだな。
「この造形は素晴らしいですな。切れ味も…悪くない。前衛で使うには薄すぎますが、確かにシーフやマジックユーザー、ヒーラーなどにはありがたい。……見た目より丈夫なんですね?」
おっと、鑑定か??鑑定スキル欲しいなぁ。あっても使わないだろうけど。
ていうか刃物はいま自分の分も買った。
マシェットで調べて出てきた、黒色の厳ついカタチのやつ。なんだこれ、厨二心が疼くぞ!?
「と、後は錆びない鍋とか、驚くほど頑丈な盾とか、移動手段とかですかね。チーズも売れますかね?」
フッ素加工のフライパンや寸胴、ヤカンなどを出していく。
これらも値段次第で売れるそうだ。利益率より、口コミ効果を期待するらしい。
盾は、ポリスと書いてるあれだ。弾丸すら弾くのだから、剣とか魔物の攻撃ぐらいは弾くだろう。
これも冒険者のタンクが買うだろうということだ。見た目は革新的だから、気づかれるまでは長いかもしれないらしい。
チーズは高級品として存在しているようだ。つまり、売れる。原価を言うと目がグワッとひらいたよ商人さん。
チーズだけでも結構な利益になるという。期待してます。
で、チャリ。まずはオーソドックスな?マウンテンバイクを出してみた。6万ちょい。高い気がする。
「これは、こうして…ここに足をかけて踏むと、進むわけです。」
「お、面白そうですな。私も乗っていいですかな?」
「ええ。どうぞどうぞ。」
「では失礼して。足をかけて、踏む。っとと、おお、進んでま、あ、あでぇ!!」
ああ、転んだ。
「すみません、倒してしまって…」
「いえいえ。ヒール。最初はみんなこうなるんですよ。これは売れそうですかね?」
「うーん、街中だと転倒や接触がありますからね。町の外でなら使えるかも…負担が軽くなるのなら、冒険者に売れますかね。」
「あ、三輪のもありますよ、こんなの。」
1万ちょっとで、三輪のダサいのを買ったった。
「後ろがカゴになってるんですな。三輪なら転倒の心配もない。こっちのほうが売れるかもしれませんな。二輪のほうが速いのなら、二輪を買う人も居るでしょう。取り敢えずふたつずつ、良いですかな。」
「ええ、喜んで。」
というわけで、香辛料から自転車まで、名前と個数と原価を紙にしたためて、商人さんに渡した。
原価の安さに吹きそうになる商人さんは置いといて、商品の詳しい説明や取り扱い方を教えることとなった。
成り上がるのは商人さんですけどね




