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16話

C-2の名称は架空のものです。

あと空自輸送機のロードマスターは大体、下士官のようですね。政府専用機に関しては多分士官だと思いますけど。

(参考資料 空自HPのインタビューページ)

2020年8月19日入間基地(埼玉県)

対馬全土や福岡周辺での海域及び空域が戦場となっている頃、空自の輸送機であるC-130(ハーキュリーズ)輸送機とそのC-130より大型で、ペイロードに優れる航空自衛隊の最新鋭輸送機であるC-2(蒼空Ⅱ)は陸上自衛隊の最精鋭部隊である習志野の第1空挺団の兵士と富士駐屯地に配備されていた15式機動戦闘車、軽装甲機動車、87式偵察警戒車などを乗せ、新田原や鹿屋、そしてこの戦争の勃発に伴って臨時基地となった熊本空港に向かうべくこの入間基地に待機していたのである。


「機長。全ての積み荷を積み終えました。いつでも離陸可能です!!」

ロードマスターの川田義弘空曹がそう言うと機長で、輸送部隊の指揮官でもある山村賢三2等空佐は「そうか。よし、管制塔の指示が下り次第、離陸する。陸さん(陸自の連中)にもそう伝えておけ」と言うと川田は「了解しました!!」と続く。


数分後、全ての機体が陸自隊員や装備を積み終えたC-130とC-2に対して管制塔からGOサインが下り、山村は「了解、レインボー・アルファ(劇中での本輸送機部隊のコールサイン)1、これより離陸する!!」と言い、滑走路へ進入する。


とは言え最終確認は怠ってはならない。山村はそう思いつつ「おい、野島!!攻撃攪乱装置に異常は無いか?」とフライト・エンジニア(航空機関士)である野島宗太郎3等空尉に聞き、野島は「異常ありません。ジャミング装置も準備万端です!!」と続き、それを聞いた山村は「わかった。田野、フライトシステムに異常は無いか?」と今度は田野1等空尉に聞くとすぐに田野は「異常ありません!」と続くと山村は「了解。最終確認は済んだな!!」と言い、管制塔から許可を受けると機体は文字通り滑走路を滑るように離陸していく。


やがて空に山村機が上がると別の機体が次々に舞い上がり、上空の一定高度に達すると百里基地や小松基地のF-15J改(スーパー・イーグル)戦闘機や青森県の三沢基地から百里及び小松に移動したF-2(ゼロ・ファルコン)戦闘爆撃機、それに三沢や百里、小松に新たに配備されたF-35AJ(ライトニングⅡ)戦闘機や海上自衛隊が導入を始めたばかりで、厚木に配備されたF-35AのVTOLモデルで強襲揚陸艦しょうかく、ずいかく用に購入したF-35BJの予備(とは言え普段から出撃出来る状態で保管されている)がこの部隊の護衛についたのである。


8月18日(アイスランド時間)深夜・米大統領専用機(エア・フォースワン)

機内大統領仮眠室

この日、ジェームズ・フォールス大統領は仏伊への公式訪問を終え、ワシントンへの帰途にあった。

コンコンと言うがすると人類が宇宙人と戦う映画を見ながらうとついていたフォールスはすぐにテレビの音量を下げて「誰だ?」と言うと国防補佐官は『私です、ですが大統領、大変です!!』と焦った声をしていたのですぐに大統領はメガネを掛け、起き上がり「入れ!」と言う。


それから国防補佐官のミヤムラが部屋に入るとある資料をフォールスに手渡す。するとフォールスは目を丸くしながら「これは本当なのか?」と聞く。そう、その資料に書いてあったのは岩国から対馬及び済州島いや人民(ピープスス)連邦国(フェデレーション)に偵察に向かっていた在日米海兵隊のF/A-18C(ホーネット)戦闘攻撃機が人民連邦軍の配置した地対空ミサイルによって撃墜されたと言う情報であった。


そう、大統領は就任した年からアジア大洋州の有力な同盟国である日豪との協定で必要に応じて人民連邦の動静を監視すると約束し、定期的に偵察機を近くまで飛ばしていたと言うのもあり、被害は覚悟の上であった。


この日、大統領はついにある決断を下した。

「ミヤムラ、横須賀のレーガンと豪州親善訪問中のリンカーン、それにサセボの揚陸艦イオージマを日本の援軍に出してくれ。あとヒッカム(ハワイ州空軍)エルメンドルフ(アラスカ州空軍)のラプターの内、1/3をグアムに展開させてくれ」と言うとミヤムラは「わかりました。大統領!」と続き、退出する。


やはり日本の沢野首相は間違っていなかった。そう大統領は思いつつ、会議室の自席に着席し、国防補佐官や秘書官らに対して「今以上に情報収集を行い、必要に応じて海軍と空軍は日本を援護出来るようにしておけ!!」と言うと部下たちは「わかりました!!」と続く。


とは言え、F-18が撃墜されたニュースは米国中を騒がせ、対馬への侵攻と並んで反人民連邦感情を高まらせていたのは間違いなかった。


一方、長崎県の上空では…………

揚陸艦しょうかく搭載の8機のF-35が次々に主翼に搭載していたステルスミサイル、AGM-3を放ち対馬にある人民連邦軍の施設に対する攻撃を開始。


F-2によるレーダー施設破壊も相まって、ミサイル防空陣地もレーダーを動かせるような状況ではなく機能不全に陥っていたが、一部の稼働していたレーダーがそれらを捉えるとすぐさま山林に隠れていた地対空ミサイルに迎撃命令が下る。


これこそしょうかく飛行隊が狙っていた予定通りの敵の行動であった。

しょうかく飛行隊の放ったAGM-3はパッシブ・レーダー・ホーミングによりミサイル発射装置トレーダーを捉え、そこに向けて進路を変える。

彼らはこれが囮である事は知る由もなかった。


一方、ずいかく飛行隊の放ったAGM-3と空自のF-15J”ARSM”(ARS=Anti Rader Strike Mission)が対レーダー攻撃機の放った米国製のHARMミサイルが順調に超低空に高度を下げてミサイル施設へ向かっていた。

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