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15話

2020年8月某日午前11時過ぎ

3個中隊18機のF-15及びF-2戦闘機が放った18発のAAM-4(99式空対空誘導弾)は見事に人民連邦軍の24機で編成されていた侵攻制空戦闘機隊であるペクト飛行隊所属のMiG-29及びF-16の2/3にあたる16機をレーダーミサイルによって撃墜したのではあったが、増援部隊が送られてきたので倉田はすぐに自分たちに対しても応援を呼ぶように要請、人民連邦が不穏な行動を行い始めた6月前後から築城で訓練をするようになった飛行教導隊が応援に駆け付けたのである。


すぐに飛行教導隊に所属する6機のF-15J改/DJ改は敵の応援部隊である独島記念飛行隊に所属するそれぞれ9機のF-16及びMiG-29に対して現在、試験中のAAM-4(99式空対空誘導弾)の最終改修もであるであるAAM-4Cを距離70㎞で放って12機を撃墜、50㎞で二回目の攻撃を実施、更に6機を撃墜し、独島記念飛行隊を殲滅したのである。


一方、倉田が率いるウィング、フェニックス、ブレイブの3中隊は1機のF-2が撃墜(ウィング5、搭乗員戦死)され、更に1機のPre-Mship機のF-15のエンジンにサイドワインダーが被弾(幸いこちらは不発で飛行に支障は出なかった)し、損傷する被害を受けたが、5機を撃墜し、3機は恐れ戦いて戦術的退却をしていったがその様はむしろ敵前逃亡に近く、別のAWACS(スノークラウド)のレーダーはその3機が対馬を占領している別の人民連邦軍のF-16及びMiG-29に撃墜された瞬間を捉えていた。


退却した味方に対しても容赦はしない。そう、人民連邦の最高指導者は旧北朝鮮系であり、西側諸国では許される戦術的退却を全面的に否定。それらは敵前逃亡であると主張していた事も大きかった。


とは言え航空自衛隊は1機とパイロット1名の命と引き換えに福岡への空爆を阻止する事に成功したのである。


だが、未だに国会の前ではいわゆる平和団体と称する団体が対馬を人民連邦に明け渡せとデモで主張していたのではあるが、その様な行為はすでに下火となっており、むしろ世論は改憲に対する意見が強くなっていた。無論、これは5年前の中露戦争や、その後のまるで三国志の時代に戻ったかのような中国の混乱、それに乗じて大連及び青島を半永久的に租借し、太平洋への進出を試みようとするロシアの脅威などもあった。

閑話休題、航空自衛隊による福岡防空戦が終わった数日後、長崎県の沖合では陸上自衛隊の水陸両用戦部隊を乗せた海上自衛隊の艦隊が対馬奪還に向けたファースト・ステップとも言える作戦を始めようとした。


8月18日、長崎沖合。

海上自衛隊揚陸艦しょうかく艦上

黄色いベストの艦上誘導員が腕を振ったり、伸ばしたりして搭載しているF-35B戦闘機に対して指示を送り、武器を搭載し終えていたF-35はそれに従ってエンジンのアイドリングを行い、発艦に備えていた。


同艦管制所

ウォーリア1(攻撃先遣部隊)これより発艦します!!』

今か今かと発艦を待っていたF-35のパイロットである西野1尉は誘導員がGoサインを出したのでそう報告するとエア・ボスで、副長である岡野2佐は「ウォーリア1、テイクオフを許可する」と続き、それに対して西野は「了解。ウォーリア1、これより離艦する!」と返答すると西野のF-35を滑り始める。


F-35はしょうかくの甲板を精いっぱいに滑走すると空に力強く舞い上がり、一分もしない内に空の彼方へと消えていったのである。


そして西野のF-35に続いて彼の僚機となる5機のF-35が次々に発艦準備を終え、発艦態勢を整える。


やがてその5機も全て空へ舞い上がるとしょうかくに搭載された陸海空自衛隊の輸送ヘリ(H-60やCH-47)や、V-22(オスプレイ)が最終整備を終え、陸上自衛隊普通科連隊及び水陸両用戦所属の歩兵たちは最終準備を終えていた。


一方、そのウォーリア中隊に搭載されていた自衛隊データリンクシステムの情報をもとに築城基地所属のF-2戦闘機12機が6機に分かれて護衛すなわち制空装備とレーダー攻撃ミサイルであるARM-3(ASM-3の対レーダーモデル)を装備し、出撃したのである。


とは言えレーダーに気付かれないようにそれらのF-2戦闘機はレーダー網に気付かれないように超低空を飛翔していた。だが、その一方でに搭載されたPre-M-Shop型F-15を電子戦支援機に改修する際に搭載する予定の電子妨害装置の実機兼実戦試験の為に岐阜の飛行研究団に配備されていた無人操縦機(ドローン)研究機に改修されたQF-4EJがある程度の高度を飛行し、敵のレーダーの目を吸引していたと言うのもあった。


そして1時25分、900mまで上昇したF-2からARM-3が発射され、F-2は一斉に反転していく。そう、反転しないと敵のミサイルの餌食になるからである。


迅速な行動のおかげか幸いこのF-2隊に被害が出る事は無かったが、この日の朝方には人民連邦の放ったロシアから鹵獲した新型地対空ミサイルは岩国基地から対馬への偵察に向かっていた3機の米海兵隊のF/A-18C+戦闘機2機を撃墜する戦果を挙げており、空中強襲作戦を難しくしていた。


今回F-2の放ったARM-3が一番ミサイルにとって重要な施設とも言える対馬空港に設置されていたロシア製ミサイル陣地の一部を破壊、メインレーダーも破壊したので南側への強襲作戦を可能にしたのである。


とは言え、ミサイルの脅威は依然続いていた。

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