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9話

9話 惨劇。シェフィールド再び


空母P・O・W

艦内某所OR(戦闘指揮所)

「本海域の全ての戦力(ユニット)に告ぐ!現在、多数のミサイルがロドネーに接近している!!このままではっ!」

『クソッタレが!』

『敵攻撃隊を全て撃ち落とし、生きて返すな!』

「司令!敵の攻撃主力隊とは別の攻撃隊をレーダーが感知しました!」


「どうなってやがる…………くっ現在上空にある5個中隊2個中隊と2個小隊はそれぞれの攻撃隊へ攻撃を行い、1個中隊はロドネーの防空に当たり、もう1個中隊は予備中隊と共に艦隊防空に当たれ!」

司令がそう言うと味方機はそれぞれの方向に向かい、散会していったのである。


一方…………

デアリングOR(戦闘指揮所)

「更なるミサイルがロドネーに接近しています!」

ある電測員がそう言うと砲雷長が「コーン中尉、アスター30(艦隊防空ミサイル)の残数は!?」と言う。

するとコーン中尉は「16。十分戦えます。短射程の15も同数健在です!」と続く。


まだ戦える…………

砲術長が確信した次の瞬間、ロドネーからのIFF(敵味方識別)信号と無線が途絶えたのである。


挿絵(By みてみん)


『ロドネーに再び被弾っ!』

ロドネーの護衛艦であるネルソンからそう電信が届く。


「何て事だ……………」

司令がそう呟くと更なるミサイルがこちらへ向かってくるのが表示されていたのである。


「こうなった以上、全ての敵ミサイルを撃ち落とせ!」

司令がそう言うとシルバーVLSから計8発のアスター15/30ミサイルが放たれていく。


同じ様にフッド級フリゲートからも次々にシーセプターミサイルが発射され、アルゼンチン側の空対艦ミサイルに向けて飛翔していくのであった……………


だがこの直後、英艦隊にさらなる悲劇が襲い掛かろうとは誰も予想していなかったのである。


「ロドネーより入電。火災の制圧に成功しました!」

通信装置の前に座っていた水兵がそう報告すると司令や多くのクルーたちが安堵の表情を浮かべた。だが次の瞬間、レーダースクリーンに表示されていたロドネーが点滅し始めたのに気が付いたのである。


「ろ、ロドネーより入電………先程、不発と思われた敵対艦ミサイルを処理中に弾頭が爆発。23名の乗員が死亡、艦長含む3名の乗員が重体。6名が重傷の模様で………………す…………」

ある通信士官がそう言うと突如として泣き始めたのである。


そう、ロドネーの艦長はその通信士官が兵学校にいた頃に世話になった教官であったのだ。


彼は感情を抑えつつ、報告を続けた。だが内心はロドネー艦長であるニック・リチャードソン中佐の安否が気が気でなかったのである。


そして攻撃を終えたアルゼンチン空軍の攻撃隊のMiG-29部隊はASMを放つや否やSu-27に護衛され、フォークランド島の飛行場へ向けて撤退していったのである。

だが撤退を試みるアルゼンチン空軍の攻撃隊をみすみす逃がすような英海軍と空軍の戦闘機部隊ではなかった。彼らは撤退を試みるアルゼンチン機をレーダーが探知するとすぐさま十数発のAIM-120C(AMRAAM)を撤退を試みるアルゼンチン機に対して放ち、更にミサイルを迎撃すべく機銃ポッドを装備した機体が降下し、ASRAAMを残している機も同じく降下し、ミサイルに照準を合わせる。


幸いロシア製対艦ミサイルは大型と言う事もあってレーダー反射面積は大きかったのではあって超音速とは言え、機銃やASRAAMミサイルで何発かを撃墜することには成功したが、数発はジャミングを超えて旧式化が進んでいた23型ヲ1隻撃沈、45型駆逐艦1隻を大破させたのである。


だが2隻の犠牲と1隻大破の被害と引き換えに、フォークランド諸島の南東に展開していた空母クイーン・エリザベス機動部隊によるフォークランド空港への空爆は成功。この日を境に戦局は英国優位に傾いていくのであった。


英国優勢といっても、フォークランドへ上陸した英軍を待っていたのは圧倒的な勝利ではなく、血生臭い地獄の戦いであったのではあるが………


ユニオン・ジャックの反撃。そして賭けのアルゼンチン

フォークランド島南東数百㎞沖

英海軍の誇る巨大STOVL空母クイーン・エリザベスと揚陸艦アルビオンを中心に輪形陣を組んだ艦隊が北西へと進んでいた。

目標はフォークランド島への上陸。そしてその前段階ともいえる空爆だ。


クイーン・エリザベスの艦上では12機の爆弾や地上攻撃用ミサイルを搭載したF-35と空対空ミサイルを満載した同数のF-35が発艦を今か今かと待ち侘びていた。


とその時だった、艦隊の先頭にいた駆逐艦ドラゴンのレーダーが何かをとらえた。

……………それは24の大型航空機で、18の亜音速航空機と6の超音速航空機。

恐らく先日、別働隊のプリンス・オブ・ウェールズを襲ったのと同じ方法でこの艦隊を襲うのであろう。


いや、違う可能性がある。何故なら超音速目標がJ-20と呼ばれる中国製ステルス戦闘機に良く似た、いやそのものと言って良い様な形状なのだ。


嫌な予感がする。まさかJ-20そっくりの機体はドローンであり、後ろの18機が本命の対艦ミサイルを持っているそんな可能性もある。


英艦隊司令はある命令を下した。予備のF-35含むF-35を出来る限り上空に上げ、それらをすべて殲滅せよと。

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