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プロローグ

Su-32の電子レンジ先生とのコラボ作品、同先生の中露戦争の世界観を使用させてもらい、その後日の話となります。


で、日本については海上自衛隊がアルゼンチン在住の邦人救助の為に出てくる程度です。


どうでもいいですけど、筆者はフォークランド問題は現状アルゼンチン支持ですけど、もしもアルゼンチンが尖閣で中国、対馬で韓国を支持した場合、流石に英国もアルゼンチンもどちらも支持しないと言う中立的な意見になると思います。

2020年7月24日、南米沖合

フォークランド(マルビナス)諸島

この島の領有件は1982年(38年前)に生起したフォークランド紛争、いやそれ以前の第二次世界大戦直後から英国とアルゼンチンの二国間で揉めており、その争いはやむ気配を見せていなかった。


上空7000m

この日もいつも通り、英国(Royal)空軍(Air Force)に所属するジムことジェームズ・ジョンソン大尉とジョン・ウォーレン中尉の2機の単座機と俺の士官学校時代の級友で、日系カナダ人の父を持つマーカス・カネダ(金田牧夫)少尉と俺、香港からの移民の両親を持つリック・チャン(張了方)少尉の搭乗する3機のタイフーン戦闘機が諸島上空を侵入しようとする軍用機に対して警戒任務にあたっていた。

挿絵(By みてみん)

『スコーピオン1より2及び3、今日も異常は…………ん!?』

上官であるジョンソン大尉がそう言うと俺は「大尉、どうしましたか?」と聞き返す。


それに対して大尉は『お前らの機のレーダーでも確認出来るだろうが、何機かの軍用機、しかも戦闘機大のRCS(電波反射面積)を持つ複数の航空機と輸送機がこっちに向かっているみたいだ』と続く。


すると俺はそれに対し「確かにいくつかの航空機が迫ってますね…………大きいのはC-130あたりだとして、小さいのは速度やRCSから推測するに機種は恐らくF-16もしくはロシア製のMiG-29ないし35でしょ………」

と言うと次の瞬間、諸島内の空軍基地に9機のタイフーン(この戦闘機)と一緒に配備されているE-3(セントリー)の代わりに配備されたE-767R(セントリーⅡ)AWACS(早期警戒管制機)から通信が入った。


『こちらAWACS(早期警戒管制機)ストームデルタ。上空警戒中のスコーピオン小隊に告ぐ。いますぐ本諸島上空に侵入した不審機を追い払う様に命令が出た。どうやら目標は輸送機と戦闘機、それと基地に爆撃機からなる大編隊なのでスコーピオン隊だけでは手に追えないだろうからシーガル、サンダー小隊も援護に向かう様に要請したから安心して下さい』

そう管制官の女性中尉が言うとジョンソンは『了解した。これより目視による監視を行い』と続く。


しばらくすると隊長であるジョンソン大尉やウォーレン中尉がレーダーをロングレンジ(捜索及び長射程戦闘)モードからドッグファイト(短射程及び格闘戦)モードに切り替え、俺もそれに続こうとしたが次の瞬間、無線で隊長機から悲痛な叫び声が聞こえ、通信が途絶えたのである。


「スコーピオン(3号機操縦士)よりスコーピオン2。隊長が落とされたのを確認しました。反撃許可を!!」

挿絵(By みてみん)

俺がそう言うと事実上の2機小隊の長機となったウォーレンは『了解。スコーピオン2より基地(ベース)隊長機(スコーピオン1)が撃墜されたので反撃の許可を……………』と続くと『はい、確実に仕留め、帰還します』と続く。


そして俺は新型短射程ミサイルAIM-132(ASRAAM)の発射トリガーに指を翳そうとした次の瞬間、ふと島が目に入ったのである。


「し、島が…………」

俺がそう呟いた次の瞬間であった。再び機内にミサイル警報が鳴り響き、俺は機体を海面高度まで急降下させながらありったけのチャフをばら蒔いて何とかミサイルをかわす事に成功したのではあった。だが……………


「おい、ジョーカー(※1)!基地からの情報だと既に西フォークランド島が陥落したそうだ」

「こんな時に!…………ってまたミサイル警報だと!おい、ニンジャ、行くぞ!」

「おぅ!やろうじゃねぇか!」

カネダがそう言うと俺はSu-24(フェンサー)爆撃機の護衛を務めている旧北朝鮮空軍の所属と思しき中古のMiG-29に狙いを定め、発射トリガーを押したのである。

「スコーピオン2(※2)、フォックス2!(※3)」

カネダがそう言うと主翼下の短射程赤外線誘導弾が放たれ、正面を飛んでいたMiG-29のエンジンにミサイルは吸い込まれ、機体を粉砕する。

「スコーピオン3、スプラッシュ1(敵機1機撃墜)。…………ヒャッホー、隊長の仇だ!ざまぁ見ろ、クソヤロウ(SoB)が!」

カネダがそう言った次の瞬間、再び警報音が鳴り響き、俺は機体を急激に傾けるが幾度もの急激な旋回に耐えられなかったのか、カネダが悶絶していると別のミサイルも迫っている事を警報装置やレーダーが知らせ、俺は青ざめる。恐らく敵防空艦の放った艦対空ミサイルだろう。


だが、俺はまだ諦めていない。

艦対空ミサイルなら相手のレーダーの死角を作り出す低空でのシークラッター(レーダー乱反射)効果を狙い、機体を更に降下させたのである。


そしてミサイルを回避出来た上に、超低高度を這うように飛行してスタンリー空港に戦術的撤退を成し遂げたのである。


とは言え、東島の陥落も時間の問題であった。

(※1)ジョーカー

リック・チャン大尉のTAC名

尚、ニンジャはカネダのTAC名

(※2)スコーピオン

今回哨戒任務にあたっている英空軍の某飛行隊のコールサイン

(※3)フォックス(1~4)

フォックスとはNATOなどの西側軍事組織での発射を示すコードで、1はセミアクティブ、2はサイドワインダーなどの短射程、3はフェニックスなどのアクティブミサイルの発射符号であり、4は機銃である。

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