あすのおわりにあこがれて(詩)
終電にのって自宅の扉
開けば、ひとり
生きているのはくるしくて
けれど逃げ切る勇気もない
昨日の失敗 彼等の溜息
『あいつがいなけりゃ、』
夜のベッドはかきまわすから
恐ろしくて、お酒で紛らわす
わたしのいない世界は
すこしはいいよのなかになる、と
わたしの死体の始末をだれがするのか
なにも考えたくなくて
こんなじぶんが馬鹿みたい
深夜の寝酒に つまみの携帯電話
だれのなまえも呼べないよ
いっそ、ぜんぶをなげすてて
わたしの死体は海の底
溶けて消えても戸籍が残り
仕事が残り
できず
役に立たないズブは
死ねばいいのに
と、暗い歓喜で願いながらも
あすのおわりはまだこないから
空気におぼれて
いきている