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秀吉天下

作者: 暇暇

元亀元年尾張の織田信長は、金ヶ崎に裏切りを起こした浅井長政を討つ為挙兵した。

両軍は、姉川を挟んで対峙

雑賀の傭兵・雑賀孫市は、旧友の依頼を受けて姉川に参陣した。


孫市・秀吉『ふん…ぬぬぬぬ…せいや‼』

甲高い音と共に戦いを繰り広げるのは、雑賀孫市と、豊臣秀吉だ。

孫市「ハアハア…許さねぇ、皆の仇はぜってぇにとる!…んはあっ‼」秀吉「よっと‼」

孫市は、銃剣・南無阿弥陀を構え連射する。当たらず、秀吉はかわす。秀吉は180センチはあるだろう弓状の杖をまわし、孫市に向かう。そのまま孫市の喉仏に杖の先をむける。いっぽう孫市は、銃口を秀吉にむける。

孫市・秀吉『ハァハァ…。』

秀吉「…死ぬか?…」

張り詰めた空気が漂う…。

孫市・秀吉『ハハッ…フハハハハハハ…』

孫市「…フフフフハハハハハ…最高だ‼最高に笑えるぜ、秀吉。何が死ぬか?だ。ハハハハハ」

秀吉「ハハハハハ…。そっちこそ、フフ、なにが?仇は、ぜってえ取るだ?笑い堪えるのに、必死じゃ。ハハハハハ…。じゃが、よく来てくれた。」

孫市「ダチの依頼だ。が、こっちはビタ一文負かんねぇ、それで飯くってんだ。」

秀吉「まぁ、払った分しっかり働いてもらうがな!」

孫市「お手柔らか頼むぜ?」

孫市・秀吉『ハハハハハ…』



ーー戰のある日ーー

孫市が焼け野原になった村にきた。

孫市「どうなってんだ…?」

孫市の目の前に人一人倒れ動いている。

孫市「おい‼どうした⁉何があった?」

しかし反応がない…。懐から仔犬が出てきた。

仔犬「わんっ‼」

屍だったのだ。それを仔犬が喰らってたので動いていたのだ。

その時、秀吉が来た。

秀吉「すまない孫市。雑賀の鉄砲隊は危険じゃった。潰さなにゃいかん存在だった。じゃが、じゃがここまでする必要はない。こりゃみせしめじゃ。信長様に逆らうもンは、こうなるっちゅーみせしめじゃ。その白羽の矢が立っちまった。どうすることも出来んかった。わしにゃあ信長様は…」

孫市「言うな、俺のせいだ、俺の不用意がこいつらを死に追いやった。そのケツは俺が取らなきゃならねぇ」孫市は、秀吉に本気の殺意で銃口をむける。

秀吉「やめてくれ孫市…。わしゃ…」

孫市「無理だぜ。もう笑えねえ。」

しかし撃たなかった。親友を殺す事が出来ない気持ちが、勝ったのだ。孫市は、黙ってその場をさった。


天正十年(1582年)六月 京・本能寺

明智光秀「敵は本能寺にあり‼」

織田信長と明智光秀が戦っている。物陰から、孫市が南無阿弥陀を構え信長を狙う。

孫市「終わりだぜ、信長…。」

パァン…‼

大きな銃声がなる。

その時だ。孫市の脳裏に、信長のある言葉が浮かぶ。

信長『うぬは、何を望む?』

そして、鉛玉は、信長の頭部を貫通し倒れた。

孫市「なんだ?この感覚、信長は、『何を望む』といった…。俺の望みは…、だが、撃つべき信長がいなくなったこの世界で俺はどうすればいい?俺だけじゃない、他の奴らだって同じだ。何も見えない。くそっ、見つかった。」そのまま走りながら逃げた。

天正十年(1582年)六月 京・本能寺

信長は死んだ…。



孫市は気を失っていた。ある小屋に寝ていた。うつらうつら目を覚ますと、そこには秀吉の姿があった。

秀吉「気ぃ付いたか、孫市」

孫市「秀…吉」

秀吉「わしゃこれから天下を賭けて、光秀と戦じゃ。孫市、手ェ貸してくれ。お前の力が必要だ!どした、孫市?返事ぐらいできるじゃろ? それとも、まだ加減悪いんか?」

孫市「うるせぇ!何言ってやがる!信長殺したのは、俺だ。お前が慕ってたあの…。なのになんだお前?力を貸せ?はぁ?さっさと俺を殺せよ。」

秀吉「…それで何が変わる?お前殺して何が変わる?…確かに、信長様撃ったお前は憎い!だがな…ダチ殺して何が変わる?何も変わらない。信長様も帰ってこなければ世界も何も変わらない、お前がいなくなるだけだ!」

ドンッ‼…秀吉は、孫市を壁に叩きつけた。

秀吉「だから、お前が変わると答えても…わしはお前を殺さない…」

孫市「くっ、くぅ。秀吉…つれぇよ。信長はやっちゃならない事をした。…だからあいつを撃った。それがいいと思った。それしか無いと思った。だけど何も変わらなかった…。くそっ!…なんでだ…⁉何でこんな…」

少しの沈黙、そして…、

秀吉「わしがケツ取ったる。信長様を殺したお前の業、わしが背負ってやる。だから孫市、皆が笑って暮らせる世、わしと築いてくれや」

孫市「秀吉」

秀吉「笑え、孫市。皆が笑って暮らせる世、わしらが笑わんで何で築ける。だから笑え孫市!」

孫市「…笑えねぇ、笑えねぇけど嬉しいぜ。お前がダチで良かった。」こうして、孫市は秀吉に協力した。



ザッザッザッ…。鳴り響く大量の足音。豊臣秀吉対明智光秀の戦が開幕した。

孫市「秀吉…首尾はどうだ」

秀吉「ああ、上々だ。明智の残党は、ほぼ掃討した。次の天下決まりだ。」

孫市「そうか…そりゃ良かった…」

秀吉「ああ、そうだな」

秀吉が、振り向くとそこには、腹を抑えて弱りかけてる孫市が立っていた。

孫市「俺……死ぬのかな?」

親友の辛そうな顔を見て唖然とする…。

秀吉「…ああ、そうだな…。」

孫市「そっか…そうだな しょうがねぇな…」そう言いつつ、力なくひざから倒れこむ。それを、走って抱える秀吉。

孫市「ダメだ、秀吉 死ぬのが怖え

普通に怖え」

秀吉「孫市…」

孫市「けど、俺だけじゃなく皆そうなんだよな…皆…死ぬのが怖いけど戦ってる…戦わされてる…だからそんな乱世は…業が終わらせなきゃならないんだな…皆が笑って暮らせる世が…必要なんだ」

孫市を寝かす。

秀吉「…ああ、そうだ、その通りだ。…孫市!なあ孫市!…取引だ!わしは天下人になる…そんでお前の言う通り、皆が笑って暮らせる世を創る。約束だ。だから、お前もワシの言う事を一つ……一つだけ聞いてくれ…生きろ!…死ぬな…死ぬな、孫市…死なないでくれ…!生きてワシの天下を見届けろ!」

孫市「ハハッ……イケてる提案だ 笑えるぜ、秀吉…」

その言葉を残し、孫市は逝った。

秀吉「孫市…?…孫市ーー‼」

孫市『笑えよ、秀吉 皆が笑って暮らせる世、創るんだろ?俺はもう笑ってるぜ』

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