第九話〜赤い転校生〜
突然ですが、小説家になろうの、エラーで、中途半端な所で終わってしまった第九話を書き換えました。
是非、もう一度第九話を朗読願いますm(__)m
ご迷惑おかけして誠に申し訳ありません。
さぁて、清々しい朝だ。 太陽はギラギラと輝き、セミは大事なパートナーを見つけるために、懸命に鳴く。 ちょっと五月蝿が、俺は好きさ
「弥彦〜そろそろ学校いきなさ〜い」
下から母の声が聞こえる。 弥彦の部屋は二階なのだ。
「分かってるよ」
弥彦は制服に着替え、リズミカルに階段を跳ね降りた。
「じゃ、行ってきます」
「朝ご飯はぁ?」
「いらね」
そう言って、母の返信は聞かず、弥彦は外に飛び出した。
弥彦の向かう場所、そこは……待ち合わせ場所。 そう弥彦が唯一親友と呼べる男、高橋太四郎との……
「に、しても遅いな……あの太四郎が待ち合わせに遅刻なんて」
そんな事を思っていたが、10分待っても太四郎は来なかった。 仕方なく、弥彦は一人で学校に向かう。
たく……太四郎の奴、家は金持ちなのに、なんで携帯持って無いんだよ。 て、これじゃ俺が学校に遅刻しちまう、走るか
全速で走る!走る!走る! 学校の門が見えた。 タイムリミットまで後1分……間に合うか!? 頼むぜ俺の足。
ヤバイ、駄目だ。もう間に合わない。 校門の前には、金井沢高校名物“山中 大輔”が居る。 そして門を閉めようとしている。
ちっくしょお!!これ以上遅刻したら単位が……
学校の時計の針が、8;40分を指し、登校時間に終わりを告げた。
門は既に山中により閉められている。
間に合ったのか?
「おぉ、秋草。 ギリギリだな」
え、何だって?ギリギリ? ……て、事は
「間に合ったのか!?」
気迫のある顔つきで山中先生を見つめ、俺は言った。
「あぁ、セーフだ。 さっさと教室へ行け」
山中先生は穏やかに言った。
アッハハ、ラッキーだ。 後ろを向けば、ほら、遅刻した生徒達が山中に頭を下げているよ。 爽快だ。
に、しても……俺、足速くなったな。50mを6秒くらいで走りきったかな?今までは9秒くらいかかってたのに…… ま、いっか。 折角間に合ったんだ。 早く教室へ行こう。
――
教室に着いたら、とりあえず寝たふりで一日やり過ごす……友達がいないと寂しいもんだな。
に、しても、今日はやけに騒がしいな……何の日だ?
と、その時、教室のドアが勢い良くスライドし、担任の先生が入って来た。
「えぇ〜今日はホームルームの前に、話がある」
クラスの皆が、待ってました。 と言わんばかりに、視線を先生に浴びせた。今日はこのクラスに……転入生が来くる!」
歳をとったベテランの先生が、自分なりに盛り上げようと間を開けたみたいだが、それは無駄だ。 何故なら、既に皆のボルテージはマックスだから……
まぁ、俺は興味無いよ。 女でも男でも……
「じゃ、入って来なさい」
担任の先生がそう言うと、再びドアがスライドした。
そしてドアから入って来たのは……
真っ赤に染められた頭髪。 そして髪と同じように真っ赤な瞳。
と、いう明らかな不良少年だった。
「じゃあ、自己紹介して」
良く見ると、先生の額からは汗が、しみ出ている。
赤髪の転入生は軽く椅子に座る生徒達を睨みつけ、それから自己紹介をした。
「相羽 葉月……よろしく」
ガンを飛ばし、強気に言い放った。
「ねぇねぇ、葉月君カッコ良くない?」
「え〜でもちょっと怖くない?」
「そこが良いんだよぉ〜」
女子達が騒ぎ出す…… 煩いな。
「そ、そうだなぁ、じゃあ……席は弥彦の横が良いんじゃ無いか?」
何ぃ!?何言ってやがる……こんな危険そうな奴を俺の隣に!! 頼む、今からでも考え直してくれ……
しかし、弥彦の願いは、叶わず。 葉月の席は弥彦の横に決定した。
葉月が弥彦の横を通ったので……弥彦が一応挨拶をする。
「よ、よろしく。 葉月君」
弥彦は手を差し出した。 その瞬間、バチィン! と音が響いた。 教室中の誰もが何が起こったのか!? と、目を見張った。
「いっつぁ!!」
「ケッ」
葉月は弥彦の手を思いっきり弾いたのだ。
「て……あ、ごごご、ゴメン!」
あれ?俺悪く無いよな?なんで謝ってんの?
葉月は一斉に集まった視線を物ともせず、足を組み堂々と自分の席に座った。
「じゃ、じゃあ皆仲良くするんだぞ」
そう言って先生は足早に教室を出ていった。
ちょっと待て……仲良く? 無理に決まってるだろ!
しかし、意外にも、その後の授業は、スムーズに終わっていく……
だが、いつもは騒がしい授業の間の休み時間が、異常に静かだ。
いつもは皆に相手にもされない弥彦だが、この時ばかりは、同情して貰えていた。
――
学校にチャイムが鳴り響く。
「はぁ〜やっと終わった〜」
どうやら学校が終わった様だ。 どうせ明日も学校だが、弥彦はとりあえず一安心。
気になる葉月は先に帰った様なので、気楽に帰れる。
さぁて、帰るか……ん、いや、その前に……
「すいません、高橋太四郎君は今日学校に来ましたか?」
「あぁ、たしか高橋は今日休みだったな」
「そうですか……」
唯一の親友の事を、太四郎のクラスの担任に、聞いておいた。
なんだよアイツ……休むなら連絡くらい入れてくれよ。
そんな事を思いながら、下駄箱へ向かう弥彦。
そのまま、帰路に着く。
訳では無く、寄り道をしようと、家までの道とは違う方向へ進む。
あんな事があったのに、また寄り道なんて、俺も学習しないな……
弥彦はお気に入りの本屋(立ち読みOK)へ向かい歩いていた。 すると、あるものを発見。 それは……
相羽葉月だ。
「へぇ〜アイツ家この辺なんだ」
まぁ、知ったこっちゃ無い。 あんな気難しい野郎。
だが、
いや、ちょっと気になるな……後をつけてみるか。
何故か葉月の事が気になった弥彦は、葉月を追跡した。
しかし、直ぐに後悔した……
「あれ?ここ……」
何故か?
「あの時の廃虚病院だ」
それは……
弥彦は物陰に隠れて葉月を凝視していた。
「おい、隠れて無いで出てこい!」
ゲッ、ばれてる……やばい、どうしよう。
しかし、その瞬間、弥彦を襲った白コート、“ビプロイツ”が、突如現れ、葉月を包囲した。
アイツらは!! ……んで、なんで俺じゃなく、葉月が狙われてるんだ?
少し考えた。
答えは直ぐに出た。
「アイツがシュドウ……さん、の言っていた、abilityを持つ、仲間か」
あぁ、面倒事に巻き込まれる前に……早く逃げよう。
ふぅ〜第九話は、色々大変でした。書き換えや、続きが気になる書き方をしたい、と奮闘したりで……
では、評価してくださった方、読者の皆様、続きを楽しみにしてて下さいm(__)m




