第七話〜組織、ability、仲間〜
「あれは、俺か?どうなってる……」
弥彦の目には、自分の形をした怪物が、あの白コートを相手に戦ってる姿が映っている。
『汝、聞こえるか?
我が名はディアボロス
我が名はディアボロス
我が名はディアボ……』
煩い、煩い…何だお前は、一体……
弥彦は頭の中が混乱する。 一体ディアボロスとはなんなのか?自分はどうなっているのか? 突如言い伝え様の無い恐怖が弥彦を襲う。 こんな恐怖……今まで弥彦は受けた事が無い。
そして次の瞬間、弥彦は驚愕する『消滅せよ、デイストーション』
全てを滅ぼす悪魔の光が弥彦の拳底から放たれた。
それは自分を襲った白コートを呑み込み、更にそれだけではとどまらず、周りの建物も一緒に吹き飛ばした。
結果、弥彦の突き出された右手より前方に存在していた全ての物質は消滅した。
『まだ力が戻っていないな……長い間眠り過ぎたか』
最後にアイツは、ディアボロスは、俺の中でそう呟いて……それから……俺の意識はぶっとんだ。
「ククク、やはりディアボロスの力、凄まじい……だが、この威力は少々危険過ぎるな…使いこなせないのでは困る」
その言葉で俺は目が覚めた。
「なんの事ですか?シュドウ“さん”」
一応、本人の前では敬語使うかな……年上だし。
「気付いたか?」
シュドウは特徴的な口を引き吊らす笑みを浮かべ、ベッドに寝ている弥彦に言った。
「そういえば、ここどこ……じゃないっ!! シュドウ…さん、何か知ってるんでしょ、アイツを……ディアボロスを……」
珍しく熱くなる弥彦、シュドウはまた口を引き吊らせ笑い、弥彦に話す。
「ククク、まぁディアボロスが目覚めた事だし。お前は逃げられ無いだろうから、教えてやるか」
シュドウは笑いながら言った。 弥彦は真剣にそんなシュドウを見つめる。
「長くなるぜ、忘れないように良く聞けよ」
「忘れませんよ。シュドウさんの名前だって、覚えてるじゃ無いですか」
「クククッそうだったな、じゃ言うぜ」
そう言ってシュドウさんは、話始めた。 俺はこの話“も”決して忘れないだろう……
「まずは、俺達の事を少し説明してやるかな」
「あの黒コート達の事ですね」
「そうだ、奴らは“リャクドウ”て組織の者だ。 んで、驚ろくなよ……なんとそのボスが俺なんだ!」
弥彦は大して驚か無い、そんな事はなんとなく分かっていたから。
「リアクション薄いな……まぁいい、で次にお前を襲った白コート共……奴らが“ビプロイツ”俺達の宿敵だ」
「えぇと、なんで宿敵なんですか?」
弥彦が疑問を浮かべる。 シュドウはそれに軽快に答えた。
「それは……俺達が世界を壊そうとしていて、ビプロイツが世界を守ろうとしてるからだ」
「なんでですか?」
弥彦は無邪気に聞いた。 シュドウは……
「なんで? 答えられねぇよ」
ハハハ……良く考えりゃそうかもな……理由なんて人それぞれだ。
「じゃ、なんで俺がその……ビプロイツに襲われたんですか?」
「そいつは簡単…… お前がディアボロスを持ってるから襲って来たんだ」
更にシュドウは言葉を続けた。 「んで、また襲って来るぞ。 お前がディアボロスを持ってる限り」
「えぇ!?」
冗談じゃない!なんで俺がそんな危険な目に会わなきゃならないんだ!?
「ディアボロスを持ってるから」
「……シュドウさん、貴方、心でも読めるんですか?」
「別に、ただお前がそんな顔をしてたから」
「まぁいい、続きだ」
「はい…」
「まぁ奴らがお前を…ディアボロスを狙う理由は簡単だ。 それは危険だから……ただそれだけ」
そんなの納得出来るか!!
「ディアボロスはどうやって捨てるんですか!?いりませんよ、こんな危険な物」
「捨てる?冗談じゃない、折角現れたディアボロスを……それに捨てるなんて事出来ないしな」
なんだとぉ!?何ふざけた事を……
「そうだな……じゃ、次は“ability”について教えてやるか」
「あびりてぃ?」
「abilityてのはお前のディアボロスとかの事だ」
待てよ……何かひっかかる。 そう、“とか”だ。
「待って下さい。 もしかして、俺みたいなのは他にもいるんですか?」
「あぁ八人いる。 俺達リャクドウ側に四人。 ビプロイツ側に四人だ」
「……はぁ、なんか頭こんがらがって来ましたよ」
「ちなみに、俺達リャクドウは今二人abilityを持つものを発見した」
「俺を合わせて?」
「そう、お前ともう一人だ。 ビプロイツの方は既に三人集まってるようだな」
シュドウは、話がそれた。と言って別の話しだした。
「abilityてのはその名の通り、能力だ。 ディアボロスもその一種さ、だが、他のabilityと違い規模が大きすぎる所以外はな」
はぁ……もう駄目だ。 これは漫画か何かかな? リャクドウ?ビプロイツ?ability?
いい加減にしてくれ!もう頭が痛い……
「すいません……少し寝かせて貰えますか?頭がこんがらがって来て……」
シュドウはまた笑って答えた。
「あぁ、そうだな。 流石に信じられないだろうし……まずは寝ろ」
「そうします……お休み」
弥彦は布団を被った。 そしてシュドウは静かに部屋去って行った。
ふ〜疲れた。とりあえず第七話です。
この話で、世界感を少し出したいなと思っていたんですが、読み直してみたら、思ったより駄目駄目でしたね……
とりあえず、仲間四人で敵も四人なんだ。
て事だけ分かって貰えたら嬉しいです。
それとこの小説〜DESTINYブレイド〜の読者数が100人突破しました。これからもどうぞよろしくお願いいたしますm(__)m