第五話〜弥彦と子猫〜
気付いた時……俺は家のベッドの上にいた……母さんに聞いたら
「あら、何を言ってるの?貴方は学校が終わって直ぐに帰って来たじゃない」
だってさ。
でもそれは嘘だ。本当に学校が終わって直ぐにに帰って来てたなら、財布から200百円減ってる事の説明がつかない、200百円が無のは、俺が学校帰りに漫画喫茶に寄ったからなんだから。 一体なんなんだ…あの、シュドウて奴は……
と、そんな事を考えていると母さんから……
「ねぇ弥彦〜今日の夕飯カレーライスにしようと思ってたんだけど、ルーを買うの忘れちゃったから、買いに行ってくれない?」
はぁ?なんでメインディッシュの材料を買い忘れるんだ?全くこの親は……でもまぁ、少し外に出て気分転換でもするか?
「分かった。行ってくるよ」
「ありがとう。でも近所のスーパー“馬鹿売れ”は駄目よ、高いから。 三丁目のスーパー“激安”に行って来てね」
おいおい……三丁目は結構遠いぞ……それに値段だって25円しか変わらないのに……文句言ってても仕方ないか。
弥彦は服を着替え、母親から250円ジャストを貰い、母から見送られ、徒歩でスーパー激安に向かった。
「て、やっぱ結構遠いよなぁ〜こんな時に限ってチャリパクられるとは……ん、あれは!?」
弥彦は何かを発見した。それは……数人の学生らしき者が、建物と建物の間の狭い場所で、まだ小さな子猫に向かってエアガンを放っているところだった。
「なんて事を……」
今直ぐににでも止めたい。 だが、自分が何をしようと、あの学生達を止められ無いことは分かっていた。 自分もボコボコにされ、猫も助からないだろう。と決めつけ、行動に移せ無い。 弥彦は自分のこういう所が大嫌いだった。そして、自分より弱い物に当たり散らす人間の情け無い所も……大嫌いだった。
弥彦は何も見なかった事にして、スーパーへ向かう。 腹の中に黒い何かが溜まる感覚がする。 弥彦はこういう場面に出くわすと必ず、こうなるのだ……そして、あの時助けていればと後悔する。
ハッ、とんだ馬鹿野郎だな……秋草弥彦……お前はキングオブチキンだよハハハッ
……自分で自分を罵る。こうする事でしかこの気持ちを沈められないのだ。
弥彦は普通に買い物を終え、帰路に着いた。 途中、子猫の事が気になり、子猫の居た場所に行ってみた。
「良かった……生きてた」
猫は生きていた。だが身体中怪我だらけで、一部の毛が、抜けていて、片目が潰れていた。
「酷い事するな……ゴメン、ゴメンよ……」
弥彦は涙を流しながら猫を抱き締めた。
ふぅ〜とりあえず第五話です。
この話で、弥彦が人間を嫌いな理由なんかを少しだけ書けました。
そろそろバトルも行われます。
ちなみに、自分は一話書くたびに、後書きを書きます。
小説のついでに後書きもよろしくお願いします(笑