第四話〜忘れ無い名前〜
「つきました」
俺は今、黒コートの奴らに連れてこられて、どっかの地下らしき場所に連れてこられている。
「さぁ、降りて下さい」
誘拐した癖に敬語?意味が分からない。なんだコイツら
「ついて来て下さい」
俺は奴らの指示に全て従った。
で、今はこんな所だ……
当たりは真っ暗で、何も見えない、大きな部屋。 さっきまでいた黒コートの奴らもいない。 一人にされてしまったのだ。 正面に大きな椅子がある。 しかしこの椅子……なんて趣味してるんだ?気持ち悪い……無駄に背もたれが大きく、その大きな背もたれには人の顔のような物が飛び出している。
俺がその椅子に見とれていると、声がかかった。
「お前が秋草弥彦……いや、ディアボロスか」
「へ?」
どこからだ?少し見回した。
……声の主発見。
椅子に座ってた。
「ククク……本当にまだ子供のようだ」
椅子に座ってる男は静かに口を開く。その声は、結構高かった。
「フフフ……これでやっと“ビプロイツ”と決着がつけられる」
男は椅子から立ち上がった。 そしてその瞬間、弥彦の目の前に立っていた。
「うわぁっ」
普通に驚く。
コイツいつの間に……そういえば、椅子の時も最初は居なかった様な……見えなかっただけか?
「そう驚くな……俺とお前は仲間さ」
何言ってんだコイツ?
「短刀直入に言おう、長ったらしいのは嫌いだ。 ……我々と世界を壊さないか?」
おいおいコイツ……直入しすぎだ……しかも意味が分からない。
だが……俺はその時男の、キレ目を見てしまった。
そして何となく分かってしまった。コイツが本気であることを……
良く分からないけど、前から思ってた事だ。この男に言ってみよう。
「俺は……この世界を壊したい!」
ハッキリと……そういった。
「……そうか」
俺の答えを聞いたその瞬間、男はニィッと口を引き吊らし、不気味な笑みを浮かべた。そして
「ならば目覚めろ!」
男は右手を突き出した。
「う、ぐぅあ!」
痛い!頭が割れる。何しやがった?死ぬのか……
俺の意思が薄れ行く中、男は笑ったままこう言った。
「俺の名は“シュドウ”覚えとけ……クククまぁ忘れられないだろうがな」
俺はそのまま意識を失った。 でも多分、この男の名前は忘れ無いだろう。
……シュドウ
とりあえず第四話書きました。
ちなみにこの小説は、弥彦の視点からと、第三者の視点からがゴッチャになる小説なので、読み辛いかも知れませんが、どうかご了承下さいm(__)m