第三話〜黒と白のコート〜
「で、なんですか?」
大男を睨みつけながら弥彦が言う。
「我々は君に何も言えない。だが君にはついてきて貰う」
クソ……丁寧な言い方だが、結局はただの誘拐だ……やられた……ハハハッ寄り道なんてしないで、さっさと帰ってれば良かった。そしたら今頃家でテレビでも見てたんだろうな〜。母さんゴメン!
「分かりました。ついて行きますよ!」
観念した弥彦は大男達に囲まれ、そのまま車に乗せられた……
その頃、部活の終わった太四郎にも何かが起きていた。
「高橋太四郎君だね?君についてきて貰いたい」
弥彦を連れていった黒服の大男達と同じ事を言う数人の男達が、部活帰りの太四郎の前に現れた。
「あいにく……知らない人にはついて行くなって言われてるので」
太四郎は強気で言い返した。
「フフフ……君は正しいよ。 私達も手荒な真似はしたく無い。だがね、今回だけはそうも行かないんでね!」
男達の一人が太四郎に向かって右手を突き出した。 その瞬間……何かが歪んだ。そんな気がした。
気付けば太四郎はその場に倒れていた。
「優しく連れていけ」
男の内の一人が命令し、他の男達が、太四郎を近くに止めていた車へと乗せる。
弥彦と太四郎の身に同時に起きた事件、全く同じ内容の……ただ一つ違うのは……弥彦を連れて行った男達が黒いコートを来ていたのに対し、太四郎を連れて行ったのが、白いコートを来ていた事……それだけだ。
しかしこれが……この違いが後に世界を崩壊させる程の事件になるとは、この時はまだ……二人の男しか知らなかった。
非常に更新遅れてしまい、申し訳ありませんでした……
中にはメールをくれて、間違いを指摘して下さる方までいて……
こんな小説でも読んで下さってる方がいて、とても嬉しいです。
しばらく更新出来て無かったのですが、春休みに入ったので、最低一日一話更新していきたいと思います。
意見、感想等もお待ちしています。m(__)m




