第十四話〜血の気〜
完全に急所を付いた攻撃を与えたはずなのに、全く効果が見えない敵に葉月は苛立ちを感じる。 そして同時に恐怖という不安を葉月に与える。 それは近くで見ている弥彦にも同じ事だ。
ヤバイ…多分今までで一番ヤバイ。
基本的に漫画等では量より質が優先されるものだ。(普通なら……質より量であるが)
あの敵は見るからに他のビプロイツの奴より格、実力が上だ。 そして葉月に素早い連続攻撃を仕掛けた事から、移動速度が速い事も分かる。
このままでは逃げる事も出来ずに殺されてしまうかもしれない。
と、葉月はあるものに気が付いた。 それは自分がぶち抜いた白コートの左胸部。 そこからは火花が飛び散り、様々なケーブルや電球か何かを供給するプラグの様な物が見える。
それを見て葉月は安心した。
不死身では無い――と。
「だったらぁ、粉々にぶっこわしてやるだけだろぉ!!」
葉月が起き上がった白コートの頭に槍を繰り出す。
すると白コートは目を輝かし、カギツメをクロスさせ槍を防いだ。 更に攻撃後に出来た大きな隙を付き、白コートは葉月に蹴りを放つ。
「ぐぅ…!」
再び葉月は吹き飛ばされる。 葉月の顔は痛みで歪んだ、が、その直後ニヤリと笑った。
もしかしたら――と何かが閃いた。
「試してみるか…
やるぜ、ダークナイト」
クスクスと笑いながら葉月は左腕に話かけた。 その瞬間、槍に炎が宿る。 そして、地を蹴り一気に白コートへ突撃する。
「大体決まってるよなぁ、不死身のキャラってのは…」
突撃しながら葉月は挑発するように白コートに言う。
「弱点があるっ、てのがなぁ!! んでっ」
葉月は更に続ける。
「大抵弱点はぁ…頭だよなぁ! おい!」
叫び終わり、葉月は大きく飛び上がる。
そして、頭に向けて槍を振り下ろす。
「燃えろぉ!!」
白コートは葉月を冷静に見つめ、カギツメをクロスさせる。 先程と同じように攻撃を防ぎ、カウンターを与えるつもりだ。
「馬鹿が、同じ手を何度も繰り返すかよぉぉ!!」
燃える炎の槍は一直線に、目標を遮るカギツメへと向かう。
槍は……カギツメと激突する。 しかし、弾かれる事は無かった、槍に宿る炎はカギツメに乗り移り、一瞬にして溶かし水の様なドロッとした物質に変化させた。 そして……槍は白コートの男は捉えた。
ふぅ〜今回はタイトル考えるのに凄く時間がかかりました。
て、事で全く関係無いタイトルになってしまいました。……ではまた、