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朝の告白

作者: 一色 サラ
掲載日:2026/05/20

何も起きるわけもない。朝になって何かが急に変わることはないのだろう。スマホを見ると、朝の5時過ぎだった。1度、目を覚ましてしまうと、もう寝ることはできない。眠い体を立ち上がらせ、洗面所に向かう。鏡には目の下のクマがくっきりとあって、幻滅してしまう。キッチンで、電気ポットでお湯を沸かす。リビングのカーテンを開けると、凄い雨粒が、空から降っている。お湯が沸いて、インスタントコーヒーを注いで、ミルクを入れる。ソファに腰かけ、降りつける雨、じっと、眺めた。何かを壊すような雨音と、地上をたたきつけるような雨粒が、脳裏にたたきつけられていく。

 ぼさぼさの髪に、無謀さな顔。

「おはよう、今日は起きるの早いね」

祐二の屈託ない笑顔で、挨拶される。

「おはよう」

祐二はいつも起きているのだろうか。いつも香澄は10時くらいまで寝てしまっている。

「今日は、外に洗濯を干せそうにないね」

「そうだね」

祐二が、洗濯機を回す音がした。

「洗濯機、回してるの?」

「うん、部屋の中に干せるでしょう」

毎日、洗濯を回して、何が楽しんだろう。


 香澄は仕事を辞めて、途方に暮れているとき、飲み会で知り合った祐二に、少しの間だけ住まわしてほしいと、断れることを前提にお願いした。祐二は『いいよ』と軽く返信をされて、今も住みつている。あれから、3カ月経った。

「住むところは決まった?」

「まだ」

 やっぱり、出て行ってほしいのかなと香澄の頭を過る。はやく、次に住むところ決めないとと思っているが、何も調べてはいなかった。洗濯も料理も祐二がやってくれて、この生活が快適すぎて、手放す勇気がない。

「じゃあ、ここにずっと住む?」

「いいの?」

「結婚してくれるなら」

 香澄は絶句した。別にいいのではないのかと思えているのに、したいとは答えら一生裕二のお世話になる。何もしない私を置いておく理由などあるのだろうか。

「考えといて、何が食べたい?」

「結婚してもいいよ」

 なぜだろう。断る勇気がなかった。1人で生きる自信もない。香澄を受け入れてくれるのは裕二しかいない気もいていた。

「じゃあ、朝ごはん何にしようかな」

裕二はなぜか声が弾みだしている。

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