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私は澤村凪

この作品を見つけていただきありがとうございます。

私の名前は澤村凪(サワムラナギ) 19歳。高校卒業後、家業を継ぐために探偵家業のまねごとをしながら修行の日々を送っている。


“探偵家業のまねごと”と言う他所様(よそさま)からみたら疑問符が頭に浮かびそうな事をしているのかと言うと、うちの家業は、いや家系は一般とはだいぶ異なっている。


父方の家系の澤村家は代々この地を仕切る裏稼業を生業としており、母方の家系の伏黒家は同じくこの地の鎮守を祀る神社を生業としている。


澤村家が代々守っている“ある物”を澤村家と伏黒家は嘘か本当か現在では照明も出来ないが、平安時代から守り続けているらしい。


そして、澤村家と伏黒家は5代に1度両家で婚姻をして血を混じ合わせて親密な関係を気付いている。私の父と母はその盟約により婚姻をして兄と私が誕生した。兄は澤村家を継ぎ私は伏黒家を継ぐのが生まれた時からの定められた運命である。


傍から見たら自由が無いとか、自分の将来を自分で決められないなどと思われるかもしれないが私自身はこの運命をとても気にいっていた。


「トラ吉っ!もう少しで明日香ちゃんの所に着くからね、頑張りなさいよっ!チビちゃん達ももう少しだから辛抱してね」


凪は走りながらトラ吉親子が収まっている段ボール箱の中で固まっている猫達に声をかけるのであった。


凪が向かっている場所は先ほどの路地裏から歩いて15分くらいの距離にある動物病院だ、4月の金曜日の夜という事もあり表通りから凪が急いでいる裏通りに流れてきた人々が障害物レースのパイロン(三角コーン)の様に道をふさいでいた。


人々の間を凪は猫達が入った段ボールを抱えて走っているのでぶつかりはしないが、多少肩や手に触れる程度にぶつかったりしていた。その度に謝罪の声を発し

身体に走る痺れに似た衝撃に顔をゆがめるのだった。


『まったく、ほんの少しの間だけだったのに力を使うたびに起こる反動はどうにかならないかなっ!』


顔を赤らめながら心の中で悪態をついていると目的の動物病院に到着した。表玄関はすでに20時を過ぎているので暗くなっているが凪は裏口に回り扉をドンドンドンと叩き声を上げる。


「明日香ちゃん、急患だよ。開けて、わたし、凪だよっ!」


凪は声をあげながら、何度も扉を叩いていると「はぁ~い」とゆるい返事と共にウルフカットの柔らかい雰囲気を纏った30代半ばと思われる白衣を着た女性が扉を開けた。


「あら?凪ちゃん。どうしたの…あれ?トラ吉ちゃん?」


「そうだよ、(とみ)さんの所のトラ吉っ!ケガしているんだ、直ぐ診てくれない?」


先ほどまでゆるゆるの表情だった明日香だったがスッと真剣な表情になり直ぐに中に入る事を指示し凪を院内に入れた後周囲を見渡し扉を閉めた。凪は猫達を診察室に運び診察台の上に段ボール事載せた。明日香はかなりぐったりとしているトラ吉に聴診器を当てて

お腹や背中などの音を聞き、触診でお腹を数か所圧迫した。


「内臓が損傷を受けているわ、このままじゃ危険ね。でも、まかせなさいっ!私の所まで頑張った良い子は絶対に死なせないから」


明日香は開いていた診察室の扉を閉め白衣の袖を肘まで腕まくりをする。そして胸の前で手を合わせて静かに深呼吸を3回ほど行う。

凪はその様子を心配しつつも信頼の眼差しで見つめていた。


「【世界に満ちたる女神エイダの慈悲の光よ、我が身、我が手に集まりて、この者を癒し給え。ハイヒール】」


明日香が日本語でも英語でもない言葉を唱えると合わせていた両手が淡く光り始める、そして最後の言葉と共に両手を開いてトラ吉にかざすと両掌からやわらかな光が漏れ始めトラ吉を包んだ。


光がトラ吉を包むと先ほどまで虫の息と言っても良いほどか細い呼吸をしていたトラ吉の呼吸が深い眠りの呼吸に変わり、腹部が大きくゆっくりと上下し始めた。

ここまでお読み頂きありがとうございます。

次回の更新は明後日の予定です。

よろしくお願いいたします。

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