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最強の学園で、最凶の運命に挑む ―それでも、俺たちは運命に抗う―  作者: sakura
揺らぎ始める日常

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生きるために、握った剣


「それで連れてかれたカフェのコーヒーがすごくおいしくてさ!」

「あのたくさんの果実の乗ったケーキがとても美味しかったの!」

「白いふわふわしたなまくりーむ?が乗ってるしょーとけーき?って奴がすごい美味しかったんだ!人間は凄いな!」

「あなたが回復したら一緒に行きましょう」


 4人それぞれがそれぞれの感想を話出してもう収拾がつかなくなっていた。


「わかった。みんなわかったらから。1人ずつゆっくり話してくれ。流石に聞き取れない」


 困った顔を浮かべながら、でも自分のせいで傷付いた仲間が見切りをつけずに変わらず接してくれている事に嬉しく思う。

 レオンの話を聞かずに話し続けていた4人だったが話したいことがなくなったのかいつの間にか静かになっていた。

 しばらくの沈黙が病室を包む。

 その沈黙を最初に破ったのはカイルだった。


「さっきもカフェで話してたんだけどさ……」


 少し言葉を詰まらせながらカイルが続ける。


「僕たちが今ここで笑っていられるのは、レオン。君のおかげだ。本当にありがとう。」


 はにかみながらレオンの目を真っ直ぐ見つめるカイルの言葉は嘘偽りない本心だと誰でも気付けた。


「カイルが私へのデスグリズリーからの攻撃を庇って倒れた時、一緒に気絶しちゃったの。ほんとにダメダメだよね……」


 ティアは顔を俯かせる。表情は読み取れないが、その声は震えていた。


「……一番の足手纏いは私だった。でもレオンは、なんの役にも立たない私を最後まで守ろうとしてくれたって聞いたの。だから、目を覚ましたら伝えようと思ってた。」


 顔を上げてレオンの目を見ながら、その後の言葉を力強く続ける。


「レオンのお陰で私は今、ここでみんなと笑って、美味しい物を共有する事が出来てる。私みたいな役立たずを助けてくれて、ありがとうございます」


 深々と頭を下げるティア。その横でリリスがティアの身体を撫でながら続ける。


「私もあなたにお礼を言わなくちゃ。ゴブリンロードと戦ってる時に隠れることしかできなかった。デスグリズリーの時もそう。相手の攻撃を受けて気絶して、良いとこなし。そんな私をあなたは見捨てずに助けてくれた。仲間として対等に扱ってくれた。それが何よりも嬉しかった。ありがとう」


 リリスもティアと同じように頭を下げる。

 突然の光景に言葉が出てこなかったレオンだが、胸中に渦巻く黒い渦がレオンの口を動かす。


「2人とも、頭なんか下げないでくれ。結局俺は、君達3人を守れなかった。守ってくれたのは先生たちだ。お礼は俺じゃなくて先生たちに言ってくれ」


 レオンの口から紡がれた精一杯の言葉。

 謙遜でも何でもなく本心から出た言葉。

 顔を伏せて無力な自分を呪う。

 彼、彼女らは勘違いをしている。

 俺は強くない。

 俺は弱い。

 俺は君たちを守ることが出来なかった。

 俺の方こそごめん。


 顔を伏せてしまったレオンからではその言葉の真意を確かめる事はできなかった。


「レオン。もちろん先生たちにも感謝してる。でもね、君が何と言おうと僕たちは君にも同じくらい感謝してるんだ。」

「そうだよ。先生達が来てくれるまで私たちを守って戦ってくれたのはレオンなんだよ」

「間違いなくあなたは私たちを助けてくれたわ」


 レオンの言葉に3人ともそれは違うと否定する。

 しかしその言葉も今のレオンには届かない。


「カイル、君が後ろで戦場を見てサポートしてくれたから俺は前線で戦えたんだ。

 ティア。君が回復魔法でエドガーたちを守って戦線から遠ざけていた事は知ってる。それに、先生達があいつを倒した後にみんなに応急処置をしてくれた。だから今みんな生きてる。

 リリス。君がいなければゴブリンに怪我をさせられていたかも。その後の戦いも君の魔法で戦闘が有利に進んだ。

 俺は、何も出来て……」

「レオン!」


 カイルが声を張り上げて言葉を遮る。その声に驚き伏せていた顔を上げて3人の顔を見る。

 驚いた事に、そこにいた3人はレオンなんか目にならないほど、今にも泣き出しそうな顔をしていたのだ。


「そんな事いうなよ。仲間が……いや、友達が、大切な友達がそんな事言ってたら寂しいだろ」


 カイルの頬に一粒の雫が落ちる。

 ティアの頬には大粒の雨が。

 リリスの目元は今にも氾濫しそうな川のよう。


 レオンはそこでようやく理解した。


 レオンが彼らを守りたかった理由理由(わけ)を。

 

 かつて己の無力さのせいで目の前で友を失った彼はもう失いたくなかったのだ。その為に強くなりたかったのだ。


 お調子者のカイル


 元気いっぱいなティア


 クールだが仲間想いのリリス


 出会ってまだ少ししか経ってないはずなのに、レオンにとって3人はすでにかけがえの無い友達になっていたのだ。




「ごめん。ごめん。みんな。みんなが、友達が生きててくれて良かった。ありがとう」




 

 レオンの言葉に、いや。その涙に塗れた顔を見て3人の抑えていた感情が爆発した。


 気付けば4人は抱き合って泣いていた。


 それは一瞬だったかもしれない。


 だが、4人にとっては生きて会えた事を確認するには充分な時間であった。

みなさん2026年どうですが。私は今日も変わらず続きを書いていました。2章2話のプロットで書こうと思ったのに書けなかったところから書こうとしたけど書けませんでした。

こんな話プロットに一切無かったです。修正しようか悩みましたが、レオンたちが生きてる証拠だと思いこのまま使うことにしました。

これからもこんな事があるかなと思うとワクワクが止まりません。

レオン達の物語をこれからもお願いします。

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