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最強の学園で、最凶の運命に挑む ―それでも、俺たちは運命に抗う―  作者: sakura
入学式と討伐訓練

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告白騒動と青春の香り

 エドガー達を見送ったレオン達も今日はもう寮に戻ろうと帰路についていた。4人の話題は先ほどまでのエドガー達についてでもちきりだった。


「みんなの前で告白するなんてすごいよね!」

「あれは大物か大馬鹿のどっちかだな」


 ティアの感嘆ととカイルの辛辣な評価にレオンとリリスもうんうんと頷く。


「でもさ、ちょっと羨ましい気もするよね」

「そんなもんなのか?」

「いやだって、あんな風に堂々と想いを伝えられるって、ちょっと憧れない?ねえ、リリス?」

「うーん、私はそうでもないかしら」

「え!?なんで?!」

「想像してみて。自分のことを好いてもらえることは嬉しいけど、その相手を自分が好きかは話しが別でしょ?もしお断りすることになったらって考えると…」


 その場面を想像したのか、リリスは身震いをさせながら顔を歪ませていた。


「あー、まあ、確かに…」

「でしょ?だから私は誰もいないところで真正面からしてもらいたいわね」


 リリスのその言葉にやっぱりそうかも!と頷くティア。前を歩いている女子2人の会話に少々肩身の狭い思いをしている男子2人。


「そういえば竜人族の告白はすごいって聞いたことがあるんだけど本当なの?」


 ティアは目を輝かせながら横を歩いていたリリスに顔を近づけながら聞く。


「え?そうなの?」


 近い近い、と少しだけ押し返しながらそうなのかなと故郷の慣習を思い返してみる。


「うーん、特にこれといったのは思いつかないけど…」

「なーんだ。そうなんだ。」

「でもしいて言うならだけど、男性からプロポーズをするなら竜の鱗を、女性がするなら竜の羽を相手に差し出さなきゃいけないくらいかしら?」


 その発言にこの場にいた3人は歩みを止め口をあんぐりと開けてしまっている。3人の心の声はきっと(何言ってるんだ、この世間知らずは…)で一致していることであろう。


「ど、どうしたの?」


 いつの間にか隣からいなくなったティアを不思議に思い後ろを確認するとそこにはティアだけでなくレオンとカイルも同じ顔をして固まっていた。

 どうしたのかとオドオドしているアリス。そんな彼らの背後にそろりそろりと近づく人影があった。


「おやおや?恋バナかの?」


 突然かけられた声に4人とも驚き、うち女子2人は驚いて小さく悲鳴を上げた。


「青春じゃのう」


 振り返ったそこには入学式の日に壇上で挨拶をしていたこの学園の理事長がニヤニヤしながら立っていた。突然声をかけられ驚いていた彼らだったがその声の人物を確認してさらに驚いていた。


「い、理事長!? なんでこんなところに……」

「ん? たまたま散歩してたら、青春の香りがしたからねぇ」

「そんな嗅覚があるんですか!?」

「あるとも!」


 と、理事長は胸を張る。


「いやぁ、いいねぇ! 若いって素晴らしい! さっきの告白劇も見てたけど、君たちも誰かに想いを伝えたりしないのかい?」

「いや、俺たちはそういうのは……」

「例えばレオンくんが……リリスくんに?」

「はっ!? な、なぜ私の名前が出る!?」

「いや、ちょっと待て!!! なんで俺が巻き込まれるんだ!?」


 焦るレオンとリリスを見て、ティアとカイルは面白がり始める。


「ははぁん?レオン、そういうことだったのかぁ?」

「違う!」

「ムキになるところが怪しいなぁ??」

「リリスも実はそうだったんだ!」

「だから!何で私まで巻き込まれるのよ!」


 ケラケラ笑いながら2人を茶化すカイルとティア。そんな空気が理事長の次の一言で一変する。


「いやいや、カイルくんがティアくんに。ということも十分ありえるじゃろ?」

「は!?」「な!?」


 突然の一言に先程までの威勢がどこかに消えてしまったように顔を真っ赤にしている2人を仕返しだとばかりにレオンとリリスが攻める。


「仲はいいと思っていたがお前…」

「違うってば!」

「私にくらい教えてくれても良かったんじゃないの?」

「リリス!」


 大騒ぎするレオン達をよそに、理事長は満足げに笑った。


「若いというのはいいことじゃのう。今しかない青春、悔いのないように、じゃぞ」


 そう言い残し颯爽と去っていく理事長。


「とんでもない人だな…」


 疲れ果てたカイルが呟くと皆頷いた。無言のまま寮への帰り道を再び歩き始めてしばらくした頃にティアが思い出したかのように大きな声をあげた。


「あ!そういえばみんなでお揃いのマントを探しにいくんだった。すっかり忘れてた。」


 皆がそういえばと思い出したが、もう日も落ちてあたり暗くなって来ていた。


「今日は遅いし、また明日にでも行きましょう。」


 肩を落としていたティアに優しく話しかけるリリス。


「なんかお腹空いちゃった!今日の晩御飯はなにかなー?」


 ティアの言葉でいつもの調子を取り戻した4人は寮へと戻っていった。

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