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最強の学園で、最凶の運命に挑む ―それでも、俺たちは運命に抗う―  作者: sakura
入学式と討伐訓練

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特盛トレイに乗せたエール


 剣術の授業が終わったレオンたちは昼食を取るために食堂に向かっていた。食堂はすでに昼食を求める者たちで溢れかえり、獣人族やリザードマン、ドワーフ、小人族など多種多様な種族がそれぞれの好みの食事を楽しんでいる。レオンたちも列の最後尾に並び、目の前の料理に目を輝かせながらトレイを手に取った。列に並ぶレオンたちの目の前には、湯気を立てるローストビーフや香ばしいチキンが並び、カイルはその魅力に目を輝かせていた。


「お、このローストビーフ美味しそうじゃん!こっちのチキンも食べなきゃ!」

 

 カイルが嬉々として料理をトレイに乗せていく様子に、ティアが苦笑する。


「カイル、お肉ばっかり取りすぎだよ!ちゃんと野菜も食べないとダメ。怪我の治りだって遅くなるんだから。」

「え、いやいや!僕にとっては肉を食べるのが1番怪我の治りが早いから別に大丈夫だって!」

「言い訳ばっかりしない!ダメったらダメ!」


 ティアは鮮やかな身のこなしでサラダやスープをトレイに乗せ始めた。

 

「ちょっと、ティア、勘弁してくれよ!」

「ダメなものはダメ!はい、これも追加っと!」


 カイルが必死に抗議するが、ティアは意に介さず笑顔で追加していく。そんな二人のやりとりも、食堂の喧騒に紛れて消えていった。

 一方、先に料理を選び終えたレオンとリリスは、空いている4人掛けのテーブルを見つけて席に着いていた。

 

「カイルもティアも、相変わらず元気だな。」

 

 レオンが小さく笑いながら言うと、リリスは肩をすくめた。

 

「食事を選ぶだけで、どうしてあんなに騒がしくなるのかしら。」


 二人が静かに会話をしていると、ようやくカイルとティアが合流してきた。

 

「お待たせー!ティアが余計なものを僕のトレイにいっぱい乗せてきたせいで時間がかかっちゃった!」

「余計じゃないよ、栄養バランスを考えた結果だから!」


 そんなカイルとティアの軽口を聞きながら、4人はそれぞれ昼食を食べ始めた。

 それぞれが自分の選んだ料理を食べ進めているとティアが思い出したかのように口を開く。


「それにしてもレオンのさっきの試合すごかったよね!」


 唐突にそう言い出したティアに驚きつつ少し照れたようにレオンが頬をかく。

 

「そんなに褒められるほどじゃないけど……ありがとう。」

 

 レオンは控えめに答えるが、ティアは首を横に振った。


「そんなことないよ!あの最後の動き、完全に相手の隙を見切ってたでしょ?冷静でかっこよかった!」

「確かに凄かったわ。」

 

 リリスも頷く。

 

「相手は攻め急いでいたけど、レオンは終始落ち着いていた。あの状況であれだけ冷静でいられるのは簡単じゃない。」

「だろ?レオン、やるときはやるって感じだよな!」

 

 ティアとリリス、そしてカイルから褒められると、レオンの頬がじわりと赤く染まった。

 

「そ、そんな風に褒められると、逆に落ち着かないんだけど……」

 

 照れた様子でそう答えると、カイルがからかうように笑い出した。

 

「ははっ、素直じゃないな。でも、やっぱりレオンは凄いよ!僕ももっと鍛錬しないとだって思えたよ。」

「でもでもでも、カイルだってすごかったよ!」

 

 ティアが話題を変えるようにカイルの方を向いた。


「カイルこそイラゼルの最後の動きは見切ってたんでしょ?」

「うーん、自分でもよくわかんないんだよね。」

「そうなの?」


 カイルの何とも言えない返答にティアが首をかしげて聞いた。


「なんていうか、周りの動きがすごいゆっくりになってあいつの動き以外の情報が全部なくなった感じがするんだよね」

「そんなことありえるのかしら?」


 リリスが不思議だと問いかける。だがその問いに答えられるだけの物を彼らは持ち合わせていなく話が止まってしまう。


「正直、なんでかはよくわかんない。でも……あの瞬間だけは、何か掴めた気がするんだよな。」


 そういったカイルの顔は満足気なものでレオン達の顔からも笑みがこぼれる。


「じゃあお祝いにこいつをやるよ。」


 そう言ってレオンがエビフライを1尾カイルの皿にのせる。


「じゃあ私はこれをあげる!」「なら私はこいつね。」


 そう言ってティアがサラダを、リリスがミートボールをカイルの皿にのせていく。

 

「ちょ、ちょっと待て!こんなに乗せたら僕のトレイが山盛りになるって!」

 

 カイルが慌てて抗議するが、ティアはニヤリと笑う。


「お祝いなんだから遠慮しないでよ。たくさん食べて、もっと強くなってもらわなきゃ困るんだから!」

「そうよ、カイル。せっかくのご褒美なんだから素直に受け取りなさい。」

 

 リリスも冷静な表情のまま、けれどどこか楽しそうにそう付け加える。


「うーん、じゃあありがたくいただくけど……レオン、お前が変なことするから特盛になっちゃったじゃないか。」

「はは、それもいいんじゃないか?今日はカイルが一番目立ってたんだから。」

 

 レオンは笑いながら肩をすくめ、ティアとリリスも頷く。


 カイルは少し照れたように頭をかきながらも、勢いよく箸を持ち直した。

 

「よーし、これ全部食べてもっと強くなってやる!見てろよ、次はもっと驚かせるからな!」


 その宣言に、ティアが目を輝かせて応じる。

 

「楽しみにしてる!次は私ももっと頑張るからね!」


 リリスは微かに笑みを浮かべて頷き、レオンも励ますようにカイルの肩を叩いた。

 

「その意気だ、カイル。」


 4人は笑い合いながら再び食事に戻った。昼食の間、他愛のない話や戦術の振り返りが続き、賑やかなひとときが流れる。食堂の喧騒の中、彼らの絆はまた一層深まったようだった。

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